(仮訳)韓国産のニセホウライタケ属3新種、およびMoniliophthora属1新変種
Antonin, V. et al., 2014. Three new species of Crinipellis and one new variety of Moniliophthora (Basidiomycota, Marasmiaceae) described from the Republic of Korea. Phytotaxa. Available at: http://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.170.2.2 [Accessed July 3, 2017].
【R3-04172】2017/07/03投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

韓国からCrinipellis birhizomorphaC. pallidipilusC. wandoensisのニセホウライタケ属3新種を記載した。
また、新組み合わせMoniliophthora conchataを提唱し、担子胞子のサイズがより小さい本種の新変種brevisporaを記載した。
韓国産ニセホウライタケ属菌およびMoniliophthora属菌の検索表を掲載した。
韓国全羅南道海南郡達摩山

(新種)

Crinipellis birhizomorpha Antonín, R. Ryoo & K. H. Ka
語源…2つの根状菌糸束の(根状菌糸束に2タイプあることから)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Crinipellis cupreostipes
根状菌糸束が直立する狭棍棒形で末端に奇形の傘を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードAに含まれる)
本種と異なり韓国ではなくタイなどに分布する
本種と異なり柄が銅色
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より担子胞子のQ値が大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Crinipellis tabtim
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードAに含まれる)
本種と異なり韓国ではなくタイなどに分布する
本種と異なり傘が暗ルビー色~紫褐色
本種と異なり根状菌糸束を欠く
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より傘の毛が短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
韓国全羅南道莞島郡郡外面大門里莞島樹木園

(新種)

Crinipellis wandoensis Antonín, R. Ryoo & K.H. Ka
語源…莞島産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Crinipellis rhizomorphica(ミドリニセホウライタケ)
側シスチジアを欠く
縁シスチジアが箒状細胞である
本種と異なり韓国ではなく日本などに分布する
本種より襞の数が少ない
本種より襞の間隔が狭い
本種と根状菌糸束の形態が異なる
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のE値が大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Crinipellis canescens
側シスチジアを欠く
縁シスチジアが箒状細胞である
本種と異なり韓国ではなく日本などに分布する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり縁シスチジアの突起が1-数個のみである
Crinipellis nigricaulis(クロカミオチバタケ)
肉眼的形態が非常に類似している
側シスチジアを欠く
縁シスチジアが箒状細胞である
本種と異なり韓国ではなく日本などに分布する
本種より柄が顕著に長い
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
本種より傘の毛が長い
Crinipellis filiformis
本種と異なり韓国ではなくニュージーランドなどに分布する
本種より傘のサイズが小さい
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が微かにデキストリノイド
Crinipellis substipitaria
本種と異なり韓国ではなく東南アジアなどに分布する
本種より担子胞子の幅が顕著に広い
Crinipellis procera
本種と異なり韓国ではなく東南アジアなどに分布する
本種より傘の直径が大きい
本種より柄が長い
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
本種より傘の毛の幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCではなくクレードDに含まれる)
Crinipellis actinophora
本種と異なり韓国ではなくマレーシアなどに分布する
本種より傘が暗色で暗褐色からのちに褐色~帯灰褐色
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より傘の毛の幅が狭い
本種と異なり傘表皮の細胞が大型で顕著に膨大する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCに含まれない)
Crinipellis brunnescens
本種と異なり韓国ではなくインドネシアなどに分布する
本種より傘が暗色
本種より柄が短い
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
本種より傘の毛のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCに含まれない)
Crinipellis cupreostipes
本種と異なり韓国ではなタイなどに分布する
本種と異なり柄が非常に長い
本種と異なり柄が銅色
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より担子胞子のQ値が大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCではなくクレードAに含まれる)
Crinipellis dipterocarpi
本種と異なり韓国ではなくタイ、インドネシアなどに分布する
本種より傘が淡色
本種より柄が長い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCではなくクレードAに含まれる)
Crinipellis setipes
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードCに含まれる)
本種と異なり韓国ではなく中国、タイ、北米北東部、メキシコなどに分布する
本種より柄が長い
本種より柄が淡色
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Crinipellis podocarpi
本種と異なり韓国ではなくアルゼンチンなどに分布する
本種より担子胞子の幅が広い
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Crinipellis stupparia
本種と異なり韓国ではなくキューバ、ベネズエラ、コロンビア、ブラジルなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Crinipellis nsimalensis
本種と異なり韓国ではなくカメルーンなどに分布する
本種より傘のサイズが大きい
本種より柄のサイズが大きい
本種より柄がしっかりとしている
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Crinipellis kisanganensis
本種と異なり韓国ではなくコンゴ民主共和国などに分布する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Crinipellis pallidipilus
韓国に分布する
柄が常に基質から生じる
根状菌糸束に1つのタイプのみを有する
縁シスチジアが箒状細胞である
傘の毛がKOHでオリーブ色に呈色する
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁(ITSは同じクレードCに含まれる)
本種と異なり落葉ではなく樹皮に生じる
本種と異なり襞の数が13-17ではなく17-19
本種と異なり襞の間隔が疎ではなくかなり密
本種より柄が短い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり担子胞子が非デキストリノイドおよび僅かにデキストリノイドの両方があるのではなく非デキストリノイド
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
韓国全羅南道海南郡三山面九林里頭輪山大屯寺

(新種)

Crinipellis pallidipilus Antonín, R. Ryoo & K.H. Ka
語源…淡色の傘の(傘の毛が淡色であることから)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Crinipellis rhizomorphica(ミドリニセホウライタケ)
側シスチジアを欠く
縁シスチジアが箒状細胞である
本種と異なり韓国ではなく日本などに分布する
本種より襞の間隔が疎
本種と異なり根状菌糸束が非常に長いのではなく短い
本種と異なり根状菌糸束が暗褐色、黒褐色、黒色ではなく白色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のE値が大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Crinipellis canescens
側シスチジアを欠く
縁シスチジアが箒状細胞である
本種と異なり韓国ではなく日本などに分布する
本種と異なり傘が帯赤褐色~褐色で中央部が暗色
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり縁シスチジアの突起が1-数個のみである
Crinipellis nigricaulis(クロカミオチバタケ)
側シスチジアを欠く
縁シスチジアが箒状細胞である
本種と異なり韓国ではなく日本などに分布する
本種より柄が顕著に長い
本種より担子胞子のサイズが小さい
Crinipellis filiformis
本種と異なり韓国ではなくニュージーランドなどに分布する
本種より傘のサイズが小さい
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が微かにデキストリノイドである
Crinipellis substipitaria
本種と異なり韓国ではなくニュージーランド、東南アジアなどに分布する
本種より担子胞子の幅が顕著に広い
Crinipellis procera
本種と異なり韓国ではなくニュージーランド、東南アジアなどに分布する
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり傘中央部に鋭い乳頭突起を有する
本種より柄が長い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCではなくクレードDに含まれる)
Crinipellis actinophora
本種と異なり韓国ではなく東南アジアなどに分布する
本種より傘が暗色で暗褐色からのちに褐色~帯灰褐色になる
本種より担子胞子の幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCに含まれない)
Crinipellis brunnescens
本種と異なり韓国ではなく東南アジアなどに分布する
本種より傘が暗色で中央部が暗褐色、縁部が褐色
本種より担子胞子の幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCに含まれない)
Crinipellis cupreostipes
本種と異なり韓国ではなくタイなどに分布する
本種と異なり傘が暗褐色でのちに褐色
本種と異なり柄が非常に長い
本種と異なり柄が銅色
本種より担子胞子の幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCではなくクレードAに含まれる)
Crinipellis dipterocarpi
本種と異なり韓国ではなくタイ、インドネシアなどに分布する
本種より柄が長い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQ値が大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCではなくクレードAに含まれる)
Crinipellis setipes
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードCに含まれる)
本種と異なり韓国ではなく中国、タイ、北米北東部、メキシコなどに分布する
本種と異なり傘が暗褐色
本種より柄が長い
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Crinipellis podocarpi
本種と異なり韓国ではなくアルゼンチンなどに分布する
本種と異なり傘中央部が栗褐色~汚褐色
本種より担子胞子が短い
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Crinipellis stupparia
本種と異なり韓国ではなくキューバ、ベネズエラ、コロンビア、ブラジルなどに分布する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Crinipellis nsimalensis
本種と異なり韓国ではなくカメルーンなどに分布する
本種より傘のサイズが大きい
本種より柄のサイズが大きい
本種より柄がしっかりとしている
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Crinipellis kisanganensis
本種と異なり韓国ではなくコンゴ民主共和国などに分布する
本種より傘が暗色で中央部が暗褐色、縁部が帯褐橙色~褐色
本種より柄が長い
本種より担子胞子の幅が狭い
Crinipellis wandoensis
韓国に分布する
柄が常に基質から生じる
根状菌糸束に1つのタイプのみを有する
縁シスチジアが箒状細胞である
傘の毛がKOHでオリーブ色に呈色する
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁(ITSは同じクレードCに含まれる)
本種と異なり樹皮ではなく落葉に生じる
本種と異なり襞の数が17-19ではなく13-17
本種と異なり襞の間隔がかなり密ではなく疎
本種より柄が長い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり担子胞子が非デキストリノイドではなく非デキストリノイドおよび僅かにデキストリノイドの両方がある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(江原道新産種)

Crinipellis rhizomaticola Antonín, R. Ryoo & H.D. Shin
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Crinipellis zonata
韓国に分布する
傘の毛がKOHでオリーブ色に呈色する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
本種と異なり側シスチジアを欠く
本種と異なり縁シスチジアが類円筒形、棍棒形、不規則形でほとんどの場合1-3(-4)の大型の突起を頂部に有するのではなく紡錘状、棍棒形、円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードBではなくクレードDに含まれる)
Crinipellis scabella(ニセホウライタケ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードBに含まれる)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Moniliophthora conchata (Har. Takahashi) Antonín, R. Ryoo & K.-H. Ka
旧名:Crinipellis conchata Har. Takah.
アサリタケ
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Moniliophthora conchata var. brevispora
本変種と異なり日本ではなく韓国などに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
韓国全羅南道莞島郡郡外面大門里莞島樹木園

(新変種)

Moniliophthora conchata var. brevispora Antonín, R. Ryoo & K.-H. Ka
語源…短い胞子の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Moniliophthora conchata(アサリタケ)
本変種と異なり韓国ではなく日本などに分布する
本変種より担子胞子のサイズが大きい