(仮訳)パキスタン産のLobothallia属3新種および本属の1新組み合わせ
Zulfiqar, R. et al., 2022. Three new species of Lobothallia (Megasporaceae , Pertusariales, Ascomycota) from Pakistan and a new combination in the genus. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-022-01830-z [Accessed August 24, 2022] 【R3-09813】2022/8/24投稿

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3行まとめ

パキスタンからLobothallia elobulataL. iqbalii、およびL. pakistanicaの3新種を記載した。
これらの新種はそれぞれ裂片を欠き下生菌糸が黒色であること、子器が大型で圧着し初生菌糸体と地衣成分を欠くこと、裂片を有し子器がレカノラ型~アスピシリア型で地衣成分を欠くことなどで特徴づけられた。
また、Aspicilia platycarpaのタイプ標本を検討し、本種をLobothallia属に移した。
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa Province, Kohistan, Dassu

(新種)

Lobothallia elobulata R. Zulfiqar, Khalid, Paukov
語源…裂片を欠く
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【よく似た種との区別】
Lobothallia recedens
裂片を欠く
子器盤の形態がほぼ同一
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくポルトガル、スウェーデンなどに分布する
本種より地衣体の小区画のサイズが大きい
本種と異なり初生菌糸体を有するのではなく欠く
本種と異なり子器盤がレカノラ型ではなくレカノラ型~アスピシリア型
本種と異なり小区画あたりの子器数が通常1ではなく3-6
本種より子実下層の丈が低い
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lobothallia subdiffracta
裂片を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくロシアなどに分布する
本種より地衣体がずっと厚い
本種と異なり子器盤がレカノラ型ではなくアスピシリア型
本種より子器のサイズが大きい
本種と異なり子器縁部が円鋸歯状
本種より子実層の丈が低い
本種より子実下層の丈が低い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lobothallia brachyloba
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくロシアなどに分布する
本種と異なり地衣生である
本種より地衣体の小区画のサイズが大きい
本種と異なり裂片を欠くのではなく有する
本種と異なり子器がレカノラ型ではなくクリプトレカノラ型
本種より子器のサイズがかなり小さい
本種と異なり初生菌糸体を有するのではなく欠く
本種より子実下層の丈が低い
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なりK陰性でない
本種と異なりKC陰性でない
本種と異なりC陰性でない
本種と異なり地衣成分を欠くのではなく有する(スチクチン酸)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa Province, Kohistan, Dassu

(新種)

Lobothallia iqbalii R. Zulfiqar, Khalid, Paukov
語源…パキスタンの菌類学者、Syed Hussain Iqbal氏に献名
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【よく似た種との区別】
Lobothallia pakistanica
パキスタンに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子器が地衣体中央部を密に覆うという特徴を欠く
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり子器が圧着するという特徴を欠く
本種と異なり子器縁部が顕著であるという特徴を欠く
本種より子実層の丈が低い
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lobothallia gangwondoana
本種より地衣体の小区画のサイズが大きい
本種と異なり地衣体が類白色~帯白灰色で褐色を帯びるのではなく僅かに帯褐灰色またはチョコレート灰色
本種と異なり子器がレカノラ型ではなく点状である
本種より子器盤のサイズが小さい
本種より子実層の丈が低い
本種と異なり地衣成分を欠くのではなく有する(ノルスチクチン酸)
Pakistan, Gilgit-Baltistan, Diamer, Chilas

(新種)

Lobothallia pakistanica Razzaq, Fayyaz, Khalid & Afshan
語源…パキスタンの
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【よく似た種との区別】
Lobothallia iqbalii
パキスタンに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子器が地衣体中央部を密に覆う
本種より子器のサイズが大きい
本種と異なり子器が圧着する
本種と異なり子器縁部が顕著である
本種より子実層の丈が高い
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lobothallia brachyloba
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくロシアなどに分布する
本種と異なり子器が小区画あたり2-3個ではなく7-9個
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が楕円形ではなくほぼ球形
本種と異なり地衣成分を欠くのではなく有する(ノルスチクチン酸)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lobothallia gangwondoana
本種より地衣体が厚い
本種と異なり地衣体が淡灰色ではなく僅かに帯褐灰色またはチョコレート灰色
本種より地衣体の小区画のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり地衣成分を欠くのではなく有する(ノルスチクチン酸)
Lobothallia cheresina
裂片を欠くが地衣体が亀裂を生じて周縁部が裂片状になる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくギリシャなどに分布する
本種と異なり地衣体に特徴的な直線状、放射状の亀裂を生じる
本種と異なり子器が小区画あたり1-2個である
本種と異なり子器縁部が僅かに突出する
本種と異なり地衣成分を欠くのではなく有する(スチクチン酸、ノルスチクチン酸)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lobothallia platycarpa
本種と異なり地衣体周縁に裂片が良好に発達する
本種と異なり地衣成分を欠くのではなく有する(ノルスチクチン酸)

(新組み合わせ)

Lobothallia platycarpa (J. Steiner) Paukov
旧名:Aspicilia platycarpa (J. Steiner) Hue
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【よく似た種との区別】
Lobothallia pakistanica
本種と異なり地衣体周縁に裂片が良好に発達するという特徴を欠く
本種と異なり地衣成分を有する(ノルスチクチン酸)のではなく欠く
Lobothallia brachyloba
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子器の周縁小区画あたりの数が多数ではなく1-3個
本種と異なり子嚢胞子が球形でない
本種と異なり果托の縁を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される