(仮訳)形態および分子系統に基づくインド産のベニタケ科3新種
Deepna Latha, KP. et al., 2016. Three new species of Russulaceae from India based on morphology and molecular phylogeny. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.246.1.5 [Accessed November 17, 2017].
【R3-04587】2017/11/18投稿

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3行まとめ

インド、ケララ州からLactifluus umbonatusLactifluus indicus、およびLactarius keralensisの3新種を記載した。
Lf. umbonarusおよびLf. indicusの報告はインドからのLactifluusGerardii亜属の初報告となった。
また、Lactifluus indicusはインド産のヒラタケ型Lactifluus属菌としては2番目の例となった。
India, Kerala State, Wayanad District, Pulpally, Kuruva Islets on River Kabani

(新種)

Lactifluus umbonatus K. P. D. Latha & Manim.
語源…中丘のある
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【よく似た種との区別】
Lactifluus bicolor
傘が暗褐色
襞に有色の縁取りを有する
襞の間隔が疎
襞がやや垂生する
柄が暗褐色
担子胞子が球形~類球形
傘表皮が柵状被
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくマレーシアなどに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり乳液が水っぽい
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり側シスチジアを欠く
本種と異なり縁薄壁シスチジアを有する
本種と傘表皮の菌糸の末端要素の形状が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactifluus parvigerardii
子実体のサイズが類似している
襞が垂生する
柄が褐色を帯びる
柄の基部が白色綿毛状
担子胞子表面の装飾が不完全な網目状
側シスチジアを有する
襞実質に乳管菌糸を有する
傘表皮が柵状被
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が帯黄褐色
本種と異なり傘に尖った中丘を有するのではなく漏斗形
本種と異なり傘表面が小皺状
本種と異なり襞が帯灰橙色ではなく淡黄色
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり担子胞子が類球形~楕円形
本種と異なり縁シスチジアを欠く
本種と異なり傘シスチジアを欠く
本種と異なり傘表皮が柵状被ではなく毛状柵状被
本種と異なり柄シスチジアを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius crenulatus
インドに分布する
傘の色が類似している
傘の色が類似している
襞に有色の縁取りを有する
襞がやや垂生する
襞縁部が不稔
柄が基部にかけて僅かに太まる
担子胞子が球形~類球形
担子胞子がアミロイド
“marginal cell”に褐色の細胞内色素を含む
襞実質に乳管菌糸を含む
傘表皮の細胞に褐色の細胞内色素を含む
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘に尖った中丘を有するのではなく中央部が窪む
本種と異なり襞が帯灰橙色ではなく淡黄色
本種と異なり襞が幼時広く直生する
本種と異なり柄が”snuff brown”
本種と異なり柄が中実
本種と異なり乳液が水っぽい
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり担子胞子表面の装飾が不完全な網目状ではなく完全な網目状
本種と異なり担子胞子に顕著な胞子盤を有する
本種と異なり側シスチジアを欠く
本種と異なり縁シスチジアを欠く
本種と異なり側偽シスチジアを豊富に有する
本種と異なり傘表皮が柵状被ではなく子実層状被~毛状被
Lactarius fuscomarginatus
傘の色が類似している
襞の幅が類似している
襞に褐色の縁取りを有する
襞の間隔が疎
柄の色が類似している
柄基部に類白色の菌糸体を伴う
乳液が白色
担子胞子の形状が類似している
襞実質に球状細胞を含む
襞実質に乳管菌糸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくメキシコなどに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘が中丘を有するのではなく漏斗形
本種と異なり襞がクリーム色
本種と異なり襞が垂生する
本種と異なり襞が吻合するのではなく二叉分岐し吻合しない
本種と異なり柄が基部に向かって先細りになる
本種と異なり柄表面がビロード状で条線を有する
本種と異なり担子器が2胞子性または4胞子性
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり側シスチジアを欠く
本種と異なり縁薄壁シスチジアを有する
本種と異なり傘シスチジアを欠く
本種と異なり傘表皮が柵状被ではなく子実層状短細胞状被~毛状短細胞状被である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
India, Kerala State, Kozhikode District, Malabar Botanical Garden, Olavanna

(新種)

Lactifluus indicus K. N. A. Raj & Manim.
語源…インドの
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【よく似た種との区別】
Lactifluus conchatulus
子実体がヒラタケ型
子実体のサイズが類似している
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
担子胞子表面の装飾がやや類似している
縁シスチジアのサイズが類似している
縁シスチジアの形状が類似している
傘表皮の構造がやや類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくタイなどに分布する
本種と異なり傘が暗褐色ではなく白色
本種と異なり襞が傷つくと帯褐黄色に変色する
本種と異なり襞が直生~湾生ではなくやや垂生する
本種と異なり顕著な芳香がある
本種と異なり側シスチジアを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius brunellus
生息環境が類似している
子実体がヒラタケ型
子実体のサイズが類似している
傘の色がやや類似している
傘の表面性状がやや類似している
本種と異なりインドではなくガイアナ、グアドループ、トリニダード、ブラジルなどに分布する
本種と異なり担子胞子が類球形~短楕円形
本種と異なり担子胞子表面が小刺状~刺状で連結することが稀
本種と異なり担子胞子に顕著な”hilar appendix”を有する
本種と異なり担子胞子に大型の胞子盤を有する
本種と異なり側シスチジアを欠く
本種と異なり偽シスチジアを有する
本種と異なり傘表皮が厚壁柵状被ではなく短細胞被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius multiceps
子実体がヒラタケ型
傘の表面性状が類似している
本種と異なりインドではなくガイアナ、グアドループ、トリニダード、ブラジルなどに分布する
本種と異なり傘が暗褐色ではなく類白色
本種と異なり襞が直生~湾生ではなく垂生する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と担子胞子表面の装飾が異なる
本種と異なり偽シスチジアを有する
本種と異なり側シスチジアを欠く
本種と異なり乳管菌糸に結晶を伴う
本種と異なり球状細胞を有する
本種と異なり傘表皮が厚壁柵状被でない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactifluus genevieveae
子実体がヒラタケ型
子実体のサイズがやや類似している
担子胞子表面の装飾が類似している
側シスチジアに小粒状の内容物を含む
縁シスチジアに小粒状の内容物を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくタスマニアなどに分布する
本種と異なり子実体が白色
本種と異なり担子器が3-4胞子性
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり傘表皮が厚壁柵状被ではなく柵状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactifluus chrysocarpus
子実体がヒラタケ型
本種と異なりインドではなくベトナムなどに分布する
本種と異なり子実体が明るい黄色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactifluus igniculus
子実体がヒラタケ型
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくベトナムなどに分布する
本種と異なり子実体が濃橙色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactifluus uyedae(ヒメシロチチタケ)
インドに分布する
傘の形状が類似している
傘の表面性状が類似している
柄が不明瞭
側シスチジアを有する
縁シスチジアを有する
“marginal cell”を有する
本種と異なり日本における分布が知られている
本種と異なり子実体が純白色
本種と顕微鏡的形質が異なる
India, Kerala State, Palakkad District, Silent Valley National Park, Core zone, Walakkad Section, on the way to Kozhippara

(新種)

Lactarius keralensis V. A. Farook & Manim.
語源…ケララ産の
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【よく似た種との区別】
Lactarius changbainensis
本種と異なりインドではなく中国などに分布する
本種と異なり傘表面にやや粘性を有する
本種と異なり柄基部が剛毛状
本種と異なり乳液が水っぽい
本種と異なりロジンに似た顕著な臭いがある
本種と異なり担子胞子が楕円形
本種と異なり担子胞子表面に短い畝および孤立した疣を有するが決して網目状をなさない
Lactarius dafianus
同じPiperites亜属に含まれる
インドに分布する
傘表面に類似の環紋を有する
襞の付き方が類似している
担子胞子表面の装飾が類似している
側シスチジアの形態が類似している
本種と異なりRhododendron arboreumと密接な関係にある
本種と子実体の色が異なる
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面の装飾のほとんどが孤立した疣および畝からなり、完全な網目状をなすことが決してない
本種と異なりシスチジアに針状の内容物を含む
Lactarius hatsudake
傘表面に環紋を有する
“marginal cell”が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなく日本、タイなどに分布する
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘に乳頭突起を有する
本種と異なり傘表面がグリス状~粘性を有する
本種と異なり傘表面に赤色の帯を有する
本種と異なり傘縁部に半透明条線を有する
本種と異なり襞が淡い帯赤色~帯ワイン赤色
本種と異なり柄が鈍赤色
本種と異なり柄が中空
本種と異なり乳液が帯ワイン赤色
本種と異なり担子胞子が広楕円形
本種と異なり担子胞子表面の装飾が完全な網目状をなす
本種より側シスチジアのサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius horakii
傘表面が無毛
襞が短く垂生する
“marginal cell”が短い
“marginal cell”が棍棒形~不規則形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくインドネシアなどに分布する
本種と異なり傘が帯赤褐色
本種と異なり傘が凸形~平らまたは深い漏斗状で時に乳頭突起を有する
本種と異なり傘縁部に半透明条線を有する
本種と異なり襞が淡桃色
本種と異なり襞が傷つくと緑変する
本種と異なり柄の基部に類白色の菌糸体を伴う
本種と異なり柄基部の菌糸体が傷つくと緑変する
本種と異なり乳液が帯ワイン赤色
本種より側シスチジアのサイズが小さい
本種と異なり縁シスチジアを欠く
本種と異なり偽シスチジアを豊富に有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される