(仮訳)きのこ類の緑かび病に関連するTrichoderma属菌、およびGanoderma sichuanenseの2種の新規病原菌
An, X-Y. et al., 2022. Trichoderma Species Associated with Green Mold Disease on Mushrooms and Two New Pathogens on Ganoderma sichuanense. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/8/7/704 [Accessed August 21, 2022] 【R3-09804】2022/8/21投稿

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3行まとめ

中国の3省においてGanoderma sichuanenseに緑かび病を引き起こすTrichoderma属菌を調査した。
そのうちHarzianumクレードに含まれ、T. amazonicumに近縁であったT. ganodermatigerumとして新種記載した。
また、別の菌株をT. koningiopsisと同定し、本種をG. sichuanenseの病原菌として初めて報告した。
中国吉林省盤石市松山鎮

(新種)

Trichoderma ganodermatigerum X.Y. An & Y. Li
語源…マンネンタケ属に生じる
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【よく似た種との区別】
Trichoderma amazonicum
分生子柄がピラミッド状に先端に向かって分枝する
分生子が緑色
分生子が球形
分生子表面が平滑
コロニーに同心円状の模様をあらわす
35°Cで生育不能または生育が遅い
CMD培地で拡散性色素を産生しない
TEF1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりエンドファイトとして知られている
本種と異なりCMD培地でのコロニーに僅かに果実臭がある
本種と異なりPDA培地で一部の菌株が褐色の拡散性色素を産生する
TEF1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Trichoderma pleuroticola
菌寄生菌である
小型のパスチュールを形成する
コロニーの生長が速い
PDA培地でのコロニーに幅広い環紋をあらわす
コロニーが胞子形成により淡緑色~暗緑色に変化する
TEF1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードのクレード1に含まれる)
本種と異なりマンネンタケ属ではなくヒラタケ属、シイタケ属、Cyclocybe属菌などを宿主とする
本種より分生子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり分生子が緑色ではなく淡緑色
本種と異なり分生子がいくぶん球形ではなく類球形~広楕円形
本種と異なり気生菌糸体が白色という特徴を欠く
TEF1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Trichoderma koningiopsis Samuels, C. Suárez & H.C. Evans
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