(仮訳)地中海地域産のアセタケ科の新属、Tubariomyces
Alvarado, P. & Manjon, J., 2010. Tubariomyces, a new genus of Inocybaceae from the Mediterranean region. …. Available at: http://www.mycologia.org/content/102/6/1389.short [Accessed January 9, 2014].
【R3-00254】2014/01/10投稿

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※本論文でTubariomyces sp.1と呼ばれた、スペインでゴジアオイ属植物の下に発生する菌は、のちにVizzini et al. (2013) により、Tubariomyces similisとして新種記載された(大菌輪記事)

3行まとめ

形態および分子のデータを基に、Inocybe inexpectataの分類学的位置を再検討したところ、本種は少なくとも4つの異なる系統からなることが明らかになった。
また、本種を含む系統は形態に他のアセタケ属菌と異なる顕著な特徴を持つことから、新属Tubariomycesを提唱した。
本種の系統に含まれた種のうち、フランス・コルシカ島でハンニチバナ科植物の下で発見されたTubariomyces hygrophoroidesを新種記載した。

(新組み合わせ)

Tubariomyces inexpectatus (M. Villarreal, Esteve-Rav., Heykoop & E. Horak) Esteve-Rav. & Matheny
旧名:Inocybe inexpectata Villarreal, Esteve-Rav., Heykoop & Horak
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【よく似た種との区別】
Tubariomyces hygrophoroides
2胞子性の担子器を持つ
rpb1+rpb2+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり春ではなく秋に発生する
本種と異なりTuberaria属ではなくCistus属やHalimium属の植物の下に発生する
本種ほど襞が強く垂生せず、ヒダサカズキタケ属様にならない
本種と異なり襞の間隔が普通~やや疎ではなく疎
本種より担子胞子のQm値が顕著に低い
本種と異なりシスチジアの頂部に黄褐色の粘液状物質が多く見られるという特徴が見られない
本種ほど傘表皮が顕著な糸状被にならず、”dulcamaroid”と称される羊毛状~ビロード状にならない
rpb1+rpb2+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubariomyces similis
rpb1+rpb2+LSUに基づく分子系統解析で近縁
rpb1+rpb2+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe malenconii
担子胞子が細長い
本種と異なり分子系統解析で異なる系統に含まれる(Mallocybeクレード)
FRANCE, CORSICA: Corse du Sud, Monacia-d’Aullène, Rèserve Naturelle de Mucchiu Biancu

(新種)

Tubariomyces hygrophoroides Esteve-Rav., P.A. Moreau & C.E. Hermos
語源…ヌメリガサ属に似た(襞が弓状垂生し疎であることから)
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【よく似た種との区別】
Tubariomyces inexpectatus
2胞子性の担子器を持つ
rpb1+rpb2+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり秋ではなく春に発生する
本種と異なりCistus属やHalimium属ではなくTuberaria属植物の下にのみ発生する
本種より襞が強く垂生し、ヒダサカズキタケ属様になる
本種と異なり襞の間隔が疎ではなく普通~やや疎
本種より担子胞子のQm値が顕著に高い
本種と異なりシスチジアの頂部に特徴的な黄褐色の粘液状物質が多く見られる
本種よりも傘表皮が顕著な糸状被になり、”dulcamaroid”と称される羊毛状~ビロード状になる
rpb1+rpb2+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubariomyces similis
rpb1+rpb2+LSUに基づく分子系統解析で近縁
rpb1+rpb2+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される