(仮訳)幅広い子嚢胞子を有するイボゴケモドキ属地衣2種の追加
Kantvilas, G. & Fryday, AM., 2010. Two additions to the lichen genus Cliostomum Fr. (Ramalinaceae) with broad ascospores. The Lichenologist. Available at: http://journals.cambridge.org/abstract_S0024282910000265 [Accessed June 8, 2015].
【R3-01903】2015/06/09投稿

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3行まとめ

スコットランドにおいてCalluna vulgarisの茎に発生した地衣を検討し、Cliostomum coppinsiiとして新種記載した。
また、タスマニア産および南米南部産の地衣、Catillaria praepallidumを検討してCliostomum属に移した。
また、Patellaria banksiaeのレクトタイプ標本を指定するとともに、本種をC. griffithiiのシノニムとした。
Great Britain, Scotland, V.C. 105 West Ross, Loch Maree, Eilean Dubh na Sròine

(新種)

Cliostomum coppinsii Fryday & Kantvilas
語源…本種の採集者、Brian Coppins博士に献名
※論文中では採集地の北緯が「51度」となっているが、「57度」の誤りと思われる。
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【よく似た種との区別】
Cliostomum corrugatum
子器が顕著な黄色
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種より地衣体がずっと厚い
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり地衣成分としてカペラート酸を含む
Cliostomum leprosum
子器が顕著な黄色
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なり粉芽を形成する
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり地衣成分としてカペラート酸を含む
Cliostomum praepallidum
子嚢胞子が2細胞からなり厚い壁で隔てられる(分極性)
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり地衣成分として脂肪族系酸を含む

(新組み合わせ)

Cliostomum praepallidum (Müll. Arg.) Kantvilas & Fryday
旧名:Catillaria praepallida (Müll. Arg.) Zahlbr.
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【よく似た種との区別】
Coenogonium spp.
同一の環境に生息することがある
形態的に一見類似している
本種と異なり子器が淡桃色~淡橙色ではなくより明るい橙色
本種と異なり子嚢がサラゴケ科型
本種と異なり共生藻が単細胞の緑藻ではなくスミレモ類
Megalaria melanotropa
色素を含まない型が本種とやや類似している
本種と異なり子器に灰色の粉霜を伴う
本種と異なり子実上層に帯緑色の色素を含む
本種と異なり子嚢胞子がMegalaria
本種より子嚢胞子の幅がずっと広い
Cliostomum griffithii(イボゴケモドキ)
子器の色が類似していることがある(淡桃色~淡橙色)
地衣体の化学成分が同一
本種と異なり暗色の子器を形成することがある
本種より子嚢胞子の幅が常に狭い
本種と異なり子嚢胞子が分極性でない
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が常に1なのではなく(0-)1(-3)

(その他掲載種)

Cliostomum griffithii (Sm.) Coppins
イボゴケモドキ
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【よく似た種との区別】
Cliostomum praepallidum
子器の色が類似していることがある(淡桃色~淡橙色)
地衣体の化学成分が同一
本種と異なり暗色の子器を形成することがない
本種より子嚢胞子の幅が常に広い
本種と異なり子嚢胞子が分極性
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が(0-)1(-3)ではなく常に1