(仮訳)南西太平洋、ノーフォーク島に産したEugeniella属の樹皮生地衣2新種
McCarthy, PM. & Elix, JA. 2019. Two new corticolous species of Eugeniella (lichenized Ascomycota, Pilocarpaceae) from Norfolk Island, south-western Pacific Ocean. Australasian Lichenology. Available at: https://www.anbg.gov.au/abrs/lichenlist/Australasian_Lichenology.html [Accessed September 12, 2019] 【R3-06581】2019/9/12投稿

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3行まとめ

ノーフォーク島からEugeniella pacificaおよびE. zeorinaの樹皮生地衣2新種を記載した。
前者は地衣体が灰白色疣状で子嚢胞子が狭楕円形、短楕円形、または広楕円形で3隔壁を有し、スチクチン酸を含むことなどで特徴づけられた。
後者は前者と顕微鏡的形質がほぼ同一であったが、子実下層がより厚く、子嚢胞子の形態が異なり、スチクチン酸に加えてゼオリンを豊富に含むことなどで特徴づけられた。
Australia, Norfolk Island, Mount Pitt Reserve, Red Road Track to Mt Bates

(新種)

Eugeniella pacifica P.M. McCarthy & Elix
語源…太平洋の
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【よく似た種との区別】
Eugeniella farinosa
オーストラリアに分布する
樹皮のみに生じる
子嚢胞子の隔壁数が3
本種と異なりノーフォーク島ではなくタスマニアなどに分布する
本種と異なり地衣体が粉質である
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり子器縁部が薄い
本種と異なり子器盤が初め帯桃色~暗灰色または帯灰褐色で最終的に帯黒灰色になるのではなく帯緑褐色
本種と異なり地衣成分としてウスニン酸を含む
本種と異なり蓚酸カルシウムを含む
Eugeniella palleola
樹皮のみに生じる
子嚢胞子の隔壁数が3
地衣成分としてスチクチン酸およびアトラノリンを含む
本種と異なりノーフォーク島ではなく中米などに分布する
本種より子器のサイズが大きい
本種と異なり子器盤が初め帯桃色~暗灰色または帯灰褐色で最終的に帯黒灰色になるという特徴を欠く
本種と異なり子実下層が暗褐色ではなく褐色~黒色
本種と異なり地衣成分としてノルスチクチン酸を含む
Eugeniella micrommata
オーストラリアに分布する
子器が無柄である
子実下層が暗褐色
本種と異なりノーフォーク島ではなく旧熱帯などに分布する
本種と異なり樹皮生ではなく主に葉上生である
本種と異なり地衣体が疎らな小疣状
本種より子器のサイズが小さい
本種より果殻が薄い
本種より子実下層が薄い
本種より子嚢胞子が長い
Eugeniella usnica
オーストラリアに分布する
子器が無柄である
子器盤に粉霜を欠く
果殻が杯状
果殻の縁が永存性
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子の隔壁数が3
本種と異なり樹皮生ではなく草本および木本の葉やシダの羽片などに生じる
本種と異なり地衣体が淡緑色~緑色または淡い帯灰緑色
本種と地衣体の形状が異なる
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり子器盤が暗オリーブ褐色~帯黒色
本種と異なり子器盤が扁平~僅かに凸形ではなく扁平
本種と異なり果殻の縁が地衣体と同色ではなく白色~淡い帯黄色
本種と異なり果殻の縁に蓚酸カルシウムを伴う
本種と異なり子実下層が暗褐色ではなく帯赤褐色~暗い帯赤褐色
本種と異なり地衣成分としてウスニン酸を含む
Eugeniella zeorina
ノーフォーク島に分布する
樹皮生地衣である
肉眼的形質が類似している
顕微鏡的形質がほぼ同一
地衣成分としてスチクチン酸を含む
本種より子実下層が厚い
本種と異なり子実下層が果殻基部と融合し貫通する
本種より子嚢胞子が長い
本種と異なり子嚢胞子が長紡錘形~狭長楕円形または長楕円状紡錘形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく3(-5)
本種と異なり地衣成分としてゼオリンを含む
Australia, Norfolk Island, Mount Pitt National Park, Duncombe (Bay) Road

(新種)

Eugeniella zeorina P.M. McCarthy & Elix
語源…ゼオリンの
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【よく似た種との区別】
Eugeniella pacifica
ノーフォーク島に分布する
樹皮生地衣である
肉眼的形質が類似している
顕微鏡的形質がほぼ同一
地衣成分としてスチクチン酸を含む
本種より子実下層が薄い
本種と異なり子実下層が果殻基部と融合し貫通するという特徴を欠く
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり子嚢胞子が長紡錘形~狭長楕円形または長楕円状紡錘形でない
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3(-5)ではなく3
本種と異なり地衣成分としてゼオリンを含まない