(仮訳)抗腫瘍化合物、アスペルフェナマートを産生するアオカビ属の2新種、Penicillium buchwaldiiおよびPenicillium spathulatum
Frisvad, JC. et al., 2013. Two new Penicillium species Penicillium buchwaldii and Penicillium spathulatum, producing the anticancer compound asperphenamate. FEMS microbiology. …. Available at: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1574-6968.12054/full [Accessed November 10, 2013].
【R3-00705】2014/05/13投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

多相分類学的アプローチに基づき、Penicillium buchwaldiiP. spathulatumの2種のアオカビ属菌を新種記載した。
両種は汎世界的に分布し、室内環境や食品から分離されることが多く、低温でよく生育し、塩分に対する耐性が認められた。
また、両種はともに抗腫瘍活性、抗菌活性が知られているアスペルフェナマートをはじめとする多数の二次代謝産物を産生することが確かめられた。
Ørsted, Denmark

(新種)

Penicillium buchwaldii Frisvad and Samson
語源…デンマークの菌学者、N.F. Buchwaldに献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Penicillium spathulatum
Brevicompacta節に含まれる
分生子柄が三輪生~四輪生
分生子柄の表面が平滑
Brevicompacta節の種としてはラミが散開する傾向がある
分生子が球形~類球形
分生子が顕著な粗面
Brevicompacta節の種としてはコロニーの生長が比較的速い
産生する二次代謝産物の種類が類似している
アスペルフェナマートの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりCYA培地でのリバースが淡ベージュ色ではなく帯オリーブ灰色
本種と異なり低温で良好に生育するという特徴を持つ
本種と異なり25°Cでの生長が制限される
本種と異なりNaCl添加培地で生長が速くなる
産生する二次代謝産物の種類が異なる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium tularense
Brevicompacta節に含まれる
土壌や空中から分離される
筆状体の形態が類似している
分生子が球形~類球形
コロニーの生長速度が類似している
産生する二次代謝産物の種類が類似している
アスペルフェナマートの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキシリン類やジャンチトレム類などの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium brevicompactum
Brevicompacta節に含まれる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
アスペルフェナマート、Raistrickフェノール類、シトレオイソクマリンの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium bialowiezense
Brevicompacta節に含まれる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
アスペルフェナマート、Raistrickフェノール類の産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium neocrassum
Brevicompacta節に含まれる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
アスペルフェナマートの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium astrolabium
Brevicompacta節に含まれる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
アスペルフェナマートの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Denmark

(新種)

Penicillium spathulatum Frisvad and Samson
語源…箆形の(ラミの形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Penicillium buchwaldii
Brevicompacta節に含まれる
分生子柄が三輪生~四輪生
分生子柄の表面が平滑
Brevicompacta節の種としてはラミが散開する傾向がある
分生子が球形~類球形
分生子が顕著な粗面
Brevicompacta節の種としてはコロニーの生長が比較的速い
産生する二次代謝産物の種類が類似している
アスペルフェナマートの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりCYA培地でのリバースが帯オリーブ灰色ではなく淡ベージュ色
本種と異なり低温で良好に生育するという特徴を欠く
本種と異なり25°Cでの生長が制限されるという特徴を欠く
本種と異なりNaCl添加培地で生長が速くなるという特徴を欠く
産生する二次代謝産物の種類が異なる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium tularense
Brevicompacta節に含まれる
土壌や空中から分離される
筆状体の形態が類似している
分生子が球形~類球形
コロニーの生長速度が類似している
産生する二次代謝産物の種類が類似している
アスペルフェナマートの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキシリン類やジャンチトレム類などの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium brevicompactum
Brevicompacta節に含まれる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
アスペルフェナマートの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium bialowiezense
Brevicompacta節に含まれる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
アスペルフェナマート、ブレビオン類、キノラクタシンの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium neocrassum
Brevicompacta節に含まれる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
アスペルフェナマートの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium astrolabium
Brevicompacta節に含まれる
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
アスペルフェナマートの産生能を持つ
カルモジュリン、ITS、チューブリン、RPB2、カルモジュリン+ITS+チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される