(仮訳)ドミニカ共和国産キツネノカラカサ属の2新種および1新産種
Justo, A., Angelini, C. & Bizzi, A., 2015. Two new species and a new record of Lepiota (Basidiomycota, Agaricales) from the Dominican Republic. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-015-1080-9 [Accessed December 8, 2015].
【R3-02451】2015/12/08投稿

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3行まとめ

ドミニカ共和国で採集されたキツネノカラカサ属菌を検討し、L. squamulodiffractaおよびL. sosuensisの2新種を記載した。
前者はLepiota節で傘に無数の微細な鱗片と溝線~条線を有し、後者は子実体全体が白色であることや担子胞子の呈色反応などで特徴づけられた。
また、ドミニカ共和国新産種としてL. subgranulosaを報告した。
Dominican Republic. Prov. Puerto Plata, Sosúa, Puerto Chiquito

(新種)

Lepiota squamulodiffracta Justo, Bizzi & Angelini
語源…小鱗片が分散した(傘表面の性状から)
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【よく似た種との区別】
Lepiota metulispora
傘縁部に溝線~条線を有する
担子胞子がペンギン形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりドミニカ共和国ではなく中国などに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より傘の直径が小さい
本種ほど傘に明瞭な溝線~条線を有さない
本種と異なり傘表面に微細な小鱗片が散在するという特徴を欠く
本種より担子胞子の幅が比較的広い
本種より担子胞子のQ値平均が小さい
本種より傘を被覆する菌糸の細胞が短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lepiota attenuata
担子胞子がペンギン形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりドミニカ共和国ではなく中国などに分布する
本種ほど傘に明瞭な溝線~条線を有さない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度93%)
Lepiota magnispora(ワタカラカサタケ)
担子胞子がペンギン形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国、ベルギー、オランダ、カナダ、ドイツ、中国などに分布する
本種ほど傘に明瞭な溝線~条線を有さない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lepiota cortinarius
担子胞子がペンギン形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりドミニカ共和国ではなく中国、イタリアなどに分布する
本種ほど傘に明瞭な溝線~条線を有さない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lepiota thrombophora
担子胞子がペンギン形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりドミニカ共和国ではなく中国などに分布する
本種ほど傘に明瞭な溝線~条線を有さない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lepiota clypeolaria f. umbrinisquamosa
傘縁部に溝線~条線を有する
本種と異なり傘の溝線または条線が傘中央部に達しない
Lepiota clypeolaria
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国、カナダ、ドイツ、中国などに分布する
本種より傘が一般的に淡色
本種と異なり傘の面積の多くをパッチ状の被膜が覆う
本種ほど傘に明瞭な溝線~条線を有さない
本種と異なり柄に羊毛状の被膜の名残を伴う
本種と異なり担子胞子がペンギン形ではなく両側が凸
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lepiota aspericeps
本種と異なりドミニカ共和国ではなくフロリダなどに分布する
本種より傘の直径が小さい
本種より傘の小鱗片が淡色
本種と異なり柄に膜状のつばが留まる
本種より担子胞子のサイズが比較的小さい
本種と異なり担子胞子がペンギン形でない
Lepiota mississippiensis
同じLepiota節に含まれる可能性がある
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国南部などに分布する
本種より子実体のサイズがずっと小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘に明瞭な溝線~条線を有するのではなく微かな条線を縁部に有するのみである
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子がペンギン形でない
Lepiota maculans
同じLepiota節に含まれる
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国などに分布する
本種と異なり子実体が色褪せて鮭肉色となる
Lepiota floralis
カリブ海地域に分布する
傘に橙褐色~褐色の小鱗片を有する
本種より傘の小鱗片のサイズがずっと小さい
本種ほど傘の小鱗片が散在しない
本種と異なり傘に溝線~条線を有さない
本種と異なり柄が橙褐色~褐色
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
Lepiota zamurensis
傘に中央に達するほどの溝線を有する
本種と異なり子実体が灰褐色
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
Lepiota bakeri
傘表面に微細な橙褐色の小鱗片を有する
傘縁部に溝線を有することがある
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
Lepiota eurysperma
熱帯域に分布する
本種と異なりドミニカ共和国ではなくアジアなどに分布する
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
本種と異なり担子胞子がペンギン形でない
Lepiota microcarpa
熱帯域に分布する
本種と異なりドミニカ共和国ではなくアジアなどに分布する
本種より傘の直径が小さい
Lepiota pongduadensis
熱帯域に分布する
本種と異なりドミニカ共和国ではなくアジアなどに分布する
本種と異なり傘の小鱗片が顕著な放射状条線をなす
本種と異なり柄に白色繊維状~綿毛状の小鱗片を有する
Dominican Republic. Prov. Puerto Plata, Sosúa, Puerto Chiquito

(新種)

Lepiota sosuensis Justo, Bizzi & Angelini
語源…ソスア産の
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【よく似た種との区別】
Lepiota vellingana
子実体全体が白色で桃色を帯びる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード2aに含まれる)
本種と異なりドミニカ共和国ではなくパキスタンなどの分布する
本種より傘に顕著な鱗片を有する
本種と異なり傘を被覆する菌糸の末端要素にクランプを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度87%)
Lepiota apatelia
担子胞子がメタクロマティックである
本種と異なりドミニカ共和国ではなくオランダなどに分布する
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2aではなく3に含まれる)
Lepiota castaneidisca
担子胞子がメタクロマティックである
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国などに分布する
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2aではなく3に含まれる)
Lepiota cristatoides
担子胞子がメタクロマティックである
本種と異なりドミニカ共和国ではなくオランダなどに分布する
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2aではなく3に含まれる)
Lepiota hymenoderma
担子胞子がメタクロマティックである
本種と異なりドミニカ共和国ではなくオランダなどに分布する
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2aではなく3に含まれる)
Lepiota luteophylla
担子胞子がメタクロマティックである
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国などに分布する
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2aではなく3に含まれる)
Lepiota neophana
担子胞子がメタクロマティックである
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国などに分布する
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2aではなく3に含まれる)
Lepiota phaeoderma
担子胞子がメタクロマティックである
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国などに分布する
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2aではなく3に含まれる)
Lepiota scaberula
担子胞子がメタクロマティックである
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国などに分布する
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2aではなく3に含まれる)
Lepiota thiersii
担子胞子がメタクロマティックである
本種と異なりドミニカ共和国ではなく米国などに分布する
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2aではなく3に含まれる)
Lepiota farinolens
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード2aに含まれる)
本種と異なりドミニカ共和国ではなくフランスなどに分布する
本種と異なり子実体全体が白色ではなく帯褐桃色~褐色
本種と異なり子実体に強い穀粉臭がある

(ドミニカ共和国新産種)

Lepiota subgranulosa Murrill
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【よく似た種との区別】
Lepiota pilodes
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード2cに含まれる)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lepiota pseudoignicolor
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘の直径が大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
Lepiota fraterna
担子胞子の形態が類似している
本種と異なり傘が赤褐色
本種と異なり柄に膜状のつばを有する
本種より傘を被覆する菌糸の細胞が小さい
Lepiota cristata var. macrospora
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり担子胞子がデキストリノイドでない
本種と異なり担子胞子がメタクロマティックである
Lepiota alopochroa
熱帯域に分布する
本種より傘を被覆する菌糸の細胞がずっと長い
Lepiota citrophylla
熱帯域に分布する
本種より傘を被覆する菌糸の細胞がずっと長い