2018年8月6日 (仮訳)形態形質および分子データによって明らかにされた中国南部産のコショウイグチ属2新種 Zhang, M., Li, T-H. & Song, B. 2017. Two new species of Chalciporus (Boletaceae) from southern China revealed by morphological characters and molecular data. Phytotaxa. Available at: http://www.mapress.com/j/pt/article/view/phytotaxa.327.1.2 [Accessed August 5, 2018]. 【R3-05372】2018/8/6投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国からChalciporus citrinoaurantiusおよびC. hainanensisの2新種を記載した。 前者はレモン色~帯灰橙色の傘および橙色~ばら桃色の管孔、後者は黄色~帯褐橙色の傘および橙黄色~帯褐橙色の管孔などで特徴づけられた。 中国産コショウイグチ属菌の検索表を掲載した。 中国湖南省郴州市宜章県莽山国家森林公園 (新種) Chalciporus citrinoaurantius Ming Zhang & T.H. Li 語源…レモン橙色の(傘の色から) 【よく似た種との区別】 Chalciporus rubinelloides 中国に分布する 管孔の形状が規則的 柄表面が平滑 子実体全体が傷つくと青変する nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり傘が淡黄色~オリーブ黄色~帯灰橙色ではなく淡橙色~帯褐橙色 本種と異なり管孔が帯赤橙色~橙赤色ではなく帯灰赤色~赤色 本種と異なり管孔が垂生する 本種より孔口のサイズが小さい 本種と異なり柄肉が露出すると淡黄色になるのではなく変色しない 本種より担子胞子のサイズが大きい nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chalciporus pseudorubinellus nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種と異なり傘が淡黄色~オリーブ黄色~帯灰橙色ではなく帯黄色~肉桂色 本種と異なり管孔が帯赤橙色~橙赤色ではなく成熟につれて次第に色褪せて橙色または帯黄褐色となる明るいばら赤色 本種と異なり子実体にコショウの味を欠く nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chalciporus rubinellus 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種と異なり傘が淡黄色~オリーブ黄色~帯灰橙色ではなく帯赤色~赤色 本種と異なり管孔が帯赤橙色~橙赤色ではなくばら桃色~ばら赤色 本種と異なり柄が明るい黄色 本種と異なり柄肉が露出すると淡黄色になるのではなく変色しない 本種より担子胞子のサイズが大きい Chalciporus rubinus 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が紡錘形、やや長楕円形~円筒形ではなく楕円形 中国海南省楽東リー族自治県尖峰嶺国家森林公園 (新種) Chalciporus hainanensis Ming Zhang & T.H. Li 語源…海南産の 【よく似た種との区別】 Chalciporus africanus 本種と異なり中国ではなくアフリカなどに分布する 本種と異なり傘が帯灰黄色、オリーブ黄色、帯灰橙色、帯褐橙色ではなく鈍赤色~肉桂色 本種と異なり管孔が僅かに陥入~やや垂生するのではなく垂生する 本種と異なり管孔が幼時黄色、橙黄色~橙色で成熟時帯褐黄色~帯褐橙色なのではなく淡黄色~”oxblood red” 本種より担子胞子の幅が狭い Chalciporus piperatoides(オオコショウイグチ) 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり傘が帯灰黄色、オリーブ黄色、帯灰橙色、帯褐橙色ではなく黄褐色~鈍橙肉桂色 本種と異なり傘表面にやや粘性がある 本種と異なり管孔が僅かに陥入~やや垂生するのではなく垂生する 本種と異なり管孔が幼時黄色、橙黄色~橙色で成熟時帯褐黄色~帯褐橙色なのではなく鈍黄褐色 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり管孔実質がアミロイド Chalciporus piperatus(コショウイグチ) nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなど全世界に分布する 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり傘が帯灰黄色、オリーブ黄色、帯灰橙色、帯褐橙色ではなく黄褐色~橙肉桂色 本種と異なり傘表面が無毛 本種と異なり孔口が幼時帯灰黄色~帯褐黄色でのちに帯褐橙色~帯褐赤色になるのではなく帯赤色~帯褐色 本種と異なり孔口が僅かに青変するのではなく変色性を欠く 本種と異なり子実体に強いコショウの味がある nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chalciporus rubinellus 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種と異なり傘が帯灰黄色、オリーブ黄色、帯灰橙色、帯褐橙色ではなく帯赤色~赤色 本種と異なり管孔が幼時黄色、橙黄色~橙色で成熟時帯褐黄色~帯褐橙色なのではなくばら桃色~明るいばら赤色 本種と異なり肉が白色~帯黄白色ではなく明るい黄色 本種と異なり肉が傷ついても変色しない 本種より担子胞子のサイズが大きい