(仮訳)インドの半島部に産したチャヒラタケ属2新種
Kumar, AM., Vrinda, KB. & Pradeep, CK. 2018. Two new species of Crepidotus (Basidiomycota, Agaricales) from peninsular India. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.372.1.5 [Accessed March 16, 2020] 【R3-07140】2020/3/16投稿

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3行まとめ

インド、ケララ州からCrepidotus volubilisおよびC. palodensisの2新種を記載した。
前者は腐朽した枝や材などに生じ、傘が白色~橙白色で密に粉に覆われ、担子胞子が類球形~楕円形疣状、縁シスチジアが棍棒形~円筒状棍棒形であることなどで特徴づけられた。
後者は子実体が純白色~帯褐橙色で担子胞子が長形~円筒形疣状、縁シスチジアが多形、菌糸にクランプを有することなどで特徴づけられた。
India, Kerala State: Thiruvananthapuram district, Palode, JNTBGRI campus

(新種)

Crepidotus volubilis C.K. Pradeep & A.M. Kumar
語源…巻く(傘表皮がコイル状であることから)
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【よく似た種との区別】
Crepidotus palmarum
子実体のサイズが類似している
子実体の色が類似している
子実体の表面性状が類似している
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
本種と異なりインドではなくブラジルなどに分布する
本種と異なりヤシと明瞭な関係を有する
本種と異なり縁シスチジアが棍棒状頭状
本種と異なり傘表皮が未分化の”epicutis”からなる
Crepidotus cesatii
本種と異なりインドではなく米国などに分布する
本種と異なり傘が純白色
本種と異なり傘表面が粉状ではなく長軟毛状
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子が類球形~楕円形ではなく広楕円形
本種と異なり縁シスチジアがねじれて叉状分岐する鹿角状
本種と異なり傘表皮が”cuticular”である
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード1ではなく5に含まれる)
Crepidotus circinatus
本種と異なり傘が帯黄褐色
本種と異なり傘表面が粉状ではなく長軟毛状
本種と異なり縁シスチジアが紡錘状、棍棒形、瓶形で頂部が叉状あるいは分枝する
Crepidotus regularis(スエヒロチャヒラタケ)
本種と異なり傘が白色
本種と異なり傘表面が粉状ではなく繊維状
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が類球形~楕円形ではなく卵状~楕円形
本種と異なり縁シスチジアが叉状分岐する便腹形
Crepidotus thermophilus
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりインドではなく米国、プエルトリコなどに分布する
本種と異なり柄が中心生
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が類球形~楕円形ではなく楕円形
本種と異なり縁シスチジアが膨大する
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Crepidotus caspari
本種より担子胞子のサイズが比較的大きい
本種と異なり縁シスチジアが広瓶形
Crepidotus cinnabarinus(ヒイロチャヒラタケ)
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりインドではなく米国などに分布する
本種と異なり子実体が緋朱赤色
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
India, Kerala State: Thiruvananthapuram district, Palode, JNTBGRI campus

(新種)

Crepidotus palodensis C.K. Pradeep & A.M. Kumar
語源…パロード産の
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【よく似た種との区別】
Crepidotus variabilis(コナカブリ)
子実体のサイズが類似している
子実体の色が類似している
子実体の形状が類似している
担子胞子が楕円形~円筒形
担子胞子表面が疣状
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード2に含まれる)
本種と異なりインドではなくノルウェー、日本などに分布する
本種と異なりヤナギ属植物への特異性を有する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり縁シスチジアがほとんどの場合分枝し角張る
本種と異なり傘表皮が平行菌糸被からなる
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Crepidotus martini
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード2に含まれる)
本種と異なりインドではなくパナマ、日本などに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実体が類白色~帯褐色
本種と異なり子実体表面に吸水性を有する
本種と異なり子実体表面に半透明条線を有する
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子が豆形~楕円形
本種と異なり担子胞子表面が点状
本種と異なり縁シスチジアが便腹形~円筒形
本種と異なり傘表皮が”epicutis”である
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Crepidotus epibryus(コナカブリモドキ)
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード2に含まれる)
本種と異なりインドではなくロシアなどに分布する
本種と異なり担子胞子表面が皺状の疣状
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される