(仮訳)卵状の担子胞子を有するHydnum属2新種:H. ovoideisporumおよびH. vesterholtii
Olariaga, I. et al., 2012. Two new species of Hydnum with ovoid basidiospores: H. ovoideisporum and H. vesterholtii. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3852/11-378 [Accessed March 15, 2021] 【R3-08231】2021/3/15投稿

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3行まとめ

ヨーロッパからHydnum ovoideisporumおよびH. vesterholtiiの2新種を記載した。
前者は石灰質土壌に生じ、傘が濃橙色であり、後者は子実体が細長く、傘が淡黄褐色~黄褐色であることなどで特徴づけられた。
ヨーロッパ産本属菌の予備的な検索表を掲載した。
Spain, Araba Province, Gaubea-Valdegobía, Barrio

(新種)

Hydnum ovoideisporum Olariaga, Grebenc, Salcedo & M.P. Martín | Barrio, España
語源…卵状の胞子の(担子胞子の形状から)
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【よく似た種との区別】
Hydnum rufescens(イタチハリタケ)
ヨーロッパに分布する
肉眼的形態が類似している(この種複合体の分類群と混同されている)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より傘が淡色のことがある
本種と異なり針が通常垂生しないのではなく垂生する
本種と異なり針が円錐形ではなく箆状のことがある
本種と異なり担子胞子が卵状ではなく球形~類球形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hydnum vesterholtii
スペインに分布する
マツ属植物の樹下に生じる
子実体の形状が細長い
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子が卵状
担子胞子のQm値が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフランス、イタリア、アンドラにおける分布が知られている
本種と異なり傘が濃橙色ではなく淡黄褐色~黄褐色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hydnum repandum(カノシタ)
担子胞子が卵状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり子実体が肉質でがっしりとしている
本種と異なり傘が濃橙色ではなくしばしば淡い帯桃橙色
本種と異なり傘が内側に巻く
本種と異なり針が通常垂生しないのではなく垂生する
本種より柄の幅が広い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hydnum repandum var. serotinum
子実体の形態が類似している
本種と異なり傘が濃橙色ではなく帯赤色または黄褐色
本種と異なり担子胞子が卵状ではなく類球形
France, Pyrénées-Atlantiques Province, Foreˆt d’Issaux, from Col du Labays to Pierre Saint Martin

(新種)

Hydnum vesterholtii Olariaga, Grebenc, Salcedo & M.P. Martín
語源…デンマークの菌類学者、Jan Vesterholt氏に献名
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【よく似た種との区別】
Hydnum ovoideisporum
スペインに分布する
マツ属植物の樹下に生じる
子実体の形状が細長い
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子が卵状
担子胞子のQm値が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフランス、イタリア、アンドラにおける分布が知られていない
本種と異なり傘が淡黄褐色~黄褐色ではなく濃橙色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される