(仮訳)メキシコ東部の熱帯オーク林に産したLactifluus属2新種
Montoya, L. et al., 2019. Two new species of Lactifluus (Fungi, Russulales) from tropical Quercus forest in eastern Mexico. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/38359/ [Accessed October 28, 2019] 【R3-06718】2019/10/28投稿

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3行まとめ

メキシコ、ベラクルス州の熱帯林においてコナラ属の樹下に発生した2種の菌を検討し、Lactifluus lorenaeおよびL. mexicanusとして新種記載した。
前者は子実体が白色で橙褐色に変色し、やや塩素臭があり、担子胞子が広楕円形であることなどで特徴づけられた。
後者は傘表面が皺状で襞が密~非常に密、柄が桃色を帯びることなどで特徴づけられた。
Mexico, Veracruz State, Alto Lucero Co., 12 km SW Palma Sola (road Veracruz-Nautla)

(新種)

Lactifluus lorenae Montoya, Caro, Ramos & Bandala
語源…Lorena E. Sánchez Higueredo博士に献名
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【よく似た種との区別】
Lactifluus piperatus(ツチカブリ)
同じPiperati節に含まれる
子実体が類白色
襞の間隔が密
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なり子実体が傷つくと橙褐色に変色するという特徴を欠く
本種と異なり子実体の臭いが塩素臭にやや類似するのではなく僅かに酸っぱく、乾燥時に顕著な蜂蜜またはリンゴのような臭いがある
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種より側シスチジアが顕著に長い
本種より傘表皮が薄い
本種と異なり傘下表皮において上皮シスチジアが乏しいのではなく豊富
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mexico, Veracruz State, Alto Lucero Co., 12 km SW Palma Sola (road Veracruz-Nautla)

(新種)

Lactifluus mexicanus Montoya, Caro, Bandala & Ramos
語源…メキシコの
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【よく似た種との区別】
Lactifluus dissitus
同じLactifluus節に含まれる
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなくインドなどに分布する
本種より襞の間隔が疎
本種より側シスチジアのサイズが明瞭に大きい
本種より縁シスチジアのサイズが明瞭に大きい
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactifluus longipilus
同じLactifluus節に含まれる
同じLactifluus節に含まれる
襞の間隔が密
子実体に魚介臭がある
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなくタイなどに分布する
本種より傘表面がビロード状を呈する
本種と異なり柄が帯桃橙色で桃褐色を帯びるのではなく帯褐橙色
本種より担子胞子の装飾の丈が高い
本種より側薄壁シスチジアが長い
本種より傘下表皮の細胞が長い
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactifluus corrugis(チリメンチチタケ)
北米に分布する
子実体全体の色がある程度類似している
傘表面がビロード状
本種と異なり熱帯ではなくより温帯に分布する
本種と異なりメキシコではなく米国などに分布する
本種より子実体が暗色の傾向がある
本種より傘表面が明瞭な皺状
本種より柄が暗色の傾向がある
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
本種より側シスチジアのサイズが大きい
本種より縁シスチジアが長い
本種より傘表皮の末端細胞が長い