(仮訳)ノルウェーの高山帯に産したクヌギタケ属2新種
Aronsen, A. & Gulden, G. 2007. Two new species of Mycena from alpine sites in Norway. Mycological Progress. Available at: https://doi.org/10.1007/s11557-006-0518-5 [Accessed June 5, 2018].
【R3-05188】2018/6/5投稿

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3行まとめ

ノルウェーの高山帯で採集された2種の菌を検討し、Mycena aphanesM. exilisとして新種記載した。
前者はFilipedes節に含まれ、傘および柄が黄色または帯黄褐色であることなどで特徴づけられた。
後者はPolyadelphia節に含まれ、ヤナギ属の葉に生じ、傘が淡褐色、襞が直生し、担子器が4胞子性、菌糸にクランプを有することなどで特徴づけられた。
Norway, Hordaland, Ulvik, Finse, Fetene

(新種)

Mycena aphanes Aronsen & Gulden
語源…隠された
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Mycena alexandri
同じFilipedes節に含まれる
形態的に類似している(当初この種に同定されていた)
本種と異なりノルウェーではなく北米などに分布する
本種と異なり高山帯に分布するという特徴を欠く
本種と異なりヤナギ属ではなくマツ属植物などを宿主とする
本種と異なり子実体が桃色を帯びるという特徴を欠く
本種より襞の枚数が多い
本種と異なり襞が帯黄色~淡黄色で時に桃色を帯びるのではなく淡汚帯赤褐色
本種と異なり襞が狭く直生し小歯を有するが垂生しないのではなく、直生し垂生する小歯を有する
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
本種より縁シスチジアの形状が不規則形
本種より縁シスチジアの突起が長い
Mycena vitrea var. galericolor
本種より傘のサイズがずっと大きい
本種と異なり柄の基部が類白色
本種と異なり子実体に窒素臭を有する
本種よりシスチジアのサイズが大きい
本種と異なりシスチジアが強く膨大する
Norway, Hordaland, Ulvik, Finse, near ‘ Finse research centre ’

(新種)

Mycena exilis Aronsen & Gulden
語源…小型の、薄い、細長い
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Mycena lohwagii
傘が褐色を帯びる
担子器が4胞子性
担子胞子のサイズの範囲が重なる
菌糸にクランプを有する
本種と異なりヤナギ属植物ではなくシダなどを宿主とする
本種と異なり葉ではなく根茎などに発生する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘が主に褐色で時に微かに桃色を帯びることがあるのではなく類白色~淡褐色で通常中央部が暗褐色、縁部が類白色
本種より襞の枚数が多い
本種と異なり襞が狭く直生または稀に垂生するのではなく直生~垂生する
本種と異なり柄が淡褐色ではなく淡黄褐色で頂部が白色
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
Mycena alniphila
落葉に発生する
傘が褐色を帯びる
襞の枚数の範囲が重なる
担子器が4胞子性
担子胞子のサイズの範囲が重なる
縁シスチジアのサイズの範囲が重なる
菌糸にクランプを有する
本種と異なりヤナギ属ではなくハンノキ属植物などを宿主とする
本種と異なり傘が主に褐色で時に微かに桃色を帯びることがあるのではなく淡褐色
本種と異なり襞が類白色~ベージュ色で時に僅かに肉色を帯びるのではなく淡クリーム色
本種と異なり襞が狭く直生するのではなく直生する
本種と異なり柄が淡褐色ではなく淡い帯灰褐色
本種と異なり柄表皮の末端細胞がほとんど膨大しない
本種より柄表皮の菌糸の幅が狭い
Mycena pinophila
落葉に発生する
傘が褐色を帯びる
襞の枚数の範囲が重なる
担子器が4胞子性
担子胞子のサイズの範囲が重なる
菌糸にクランプを有する
本種と異なりヤナギ属ではなくマツ属植物などを宿主とする
本種と異なり傘が主に褐色で時に微かに桃色を帯びることがあるのではなく暗い帯灰褐色
本種と異なり襞が狭く直生または稀に垂生するのではなく直生~小歯を有し僅かに垂生する
本種と異なり柄が褐色ではなく上部が類白色、下部が帯灰褐色
本種より縁シスチジアの幅がずっと広い
本種より傘表皮の菌糸がずっと幅広い
本種より柄表皮の菌糸がずっと幅広い
Mycena calangianuensis
傘が褐色を帯びる
担子器が4胞子性
担子胞子のサイズの範囲が重なる
縁シスチジアのサイズの範囲が重なる
菌糸にクランプを有する
本種と生息環境が異なる
本種と異なりヤナギ属ではなくイグサ属植物などを宿主とする
本種と異なり葉ではなく茎などに発生する
本種と異なり傘が主に褐色で時に微かに桃色を帯びることがあるのではなく類白色で褐色を帯び、中央部が暗色
本種より襞の枚数が多い
本種と異なり襞が狭く直生または稀に垂生するのではなく直生~垂生する
本種と異なり柄が褐色ではなく白色
本種より柄表皮の菌糸の幅が狭い
Mycena smithiana
ヨーロッパに分布する
落葉に発生する
形態的に類似している(当初この種に同定されていた)
襞の枚数の範囲が重なる
縁シスチジアのサイズの範囲が重なる
柄表皮の末端細胞が類球形~棍棒形
本種と異なり北米などにおける分布が知られている
本種と異なり高山帯に分布するという特徴を欠く
本種と異なりヤナギ属ではなくコナラ属植物などを宿主とする
本種と異なり子実体が群生ではなく群生または単生する
本種と異なり傘が主に褐色で時に微かに桃色を帯びることがあるのではなく淡桃色~淡汚桃色または”isabelline pink”~やや帯褐桃色
本種と異なり襞が狭く直生するのではなく直生する
本種と異なり柄が褐色ではなく帯褐桃色で白色~灰色になる
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の幅が僅かに狭い
本種と異なり担子器が4胞子性でない
本種より傘表皮の菌糸がやや幅広い
本種より柄表皮の菌糸の幅が狭い
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Mycena terena
同じPolyadelphia節に含まれる
同所的に分布する(ノルウェー)
同じヤナギ属植物を宿主とする
葉に発生する
本種と異なり傘が主に褐色で時に微かに桃色を帯びることがあるのではなく類白色~淡灰色
本種と異なり縁シスチジア表面が疣状または円筒形の突起に覆われるのではなく平滑
Mycena juncicola
子実体が桃色~肉色を帯びる
本種と異なり傘が主に褐色で時に微かに桃色を帯びることがあるのではなく帯ワイン色または淡桃色
本種と異なり襞が狭く直生または稀に垂生するのではなく広く直生する
本種と異なり柄の頂部が帯ワイン色
本種と異なり柄基部表面にパッチ状繊維を伴う
本種と縁シスチジアの形状が異なる
Mycena culmigena
子実体が桃色~肉色を帯びる
本種と異なり傘が主に褐色で時に微かに桃色を帯びることがあるのではなく帯灰ワイン色または帯紫色
本種と異なり襞が類白色~ベージュ色で時に僅かに肉色を帯びるのではなく淡い帯灰ワイン色
本種と異なり襞が狭く直生または稀に垂生するのではなく広く直生する
本種と異なり柄基部に盤を有する
Mycena catalaunica
落葉に発生する
子実体が桃色~肉色を帯びる
本種と異なりヤナギ属ではなくコナラ属植物などを宿主とする
本種より襞の枚数が少ない
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形
本種と異なり柄表皮の末端細胞が大型で膨大する
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Mycena elongata
傘が桃色を帯びる
本種と異なりノルウェーではなくブラジルなどに分布する
本種と異なり柄表皮の菌糸表面が平滑
本種と異なり柄シスチジア表面が平滑
Mycena tuberifera
傘が桃色を帯びる
本種と異なりノルウェーではなくブラジルなどに分布する
本種と異なり柄表皮の菌糸表面が平滑
本種と異なり柄シスチジア表面が平滑