2021年12月3日 (仮訳)バングラデシュ産Phylloporus属2新種とその形態学的、分子的根拠 Hosen, MI. & Li, T-H. 2017. Two new species of Phylloporus from Bangladesh, with morphological and molecular evidence. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00275514.2017.1312196?journalCode=umyc20 [Accessed December 3, 2021] 【R3-09021】2021/12/3投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ バングラデシュからPhylloporus attenuatusとP. catenulatusの2新種を記載した。 前者は傘がワインレッド~帯褐赤色で襞が青変し、担子胞子が卵状楕円形~楕円形であること、後者は子実体が小型で傘が帯赤褐色、襞が疎で青変し、担子胞子が卵状楕円形~楕円形であることなどで特徴づけられた。 バングラデシュ産Phylloporus属菌の検索表を掲載した。 Bangladesh, Dhaka Division, Tangail, Madhupur National Park (新種) Phylloporus attenuatus Iqbal Hosen 語源…先細りの(柄の形状から) 【よく似た種との区別】 Phylloporus parvisporus アジアに分布する 担子胞子の形態が類似している 本種と異なりバングラデシュではなくマレーシアなどに分布する 本種より子実体のサイズが小さい 本種と異なり襞が変色しない 本種と異なり肉が変色しない 本種より担子胞子の幅が比較的広い Phylloporus guzmanii 森林に生息する 担子胞子の形態が類似している 本種と異なりバングラデシュではなくメキシコなどに分布する 本種と異なりサラノキ属ではなくマツ属およびコナラ属の森林などに生息する 本種と異なり傘がワインレッド~帯褐赤色ではなく暗紫色 本種と異なり襞が淡黄色 本種より襞の間隔が疎 本種と異なり柄が暗紫色 本種と異なりシスチジアが類紡錘状~類瓶形 Bangladesh, Rangpur Division, Thakurgaon, Pirganj, Thumnia Sal Baghan (新種) Phylloporus catenulatus Iqbal Hosen & T.H. Li 語源…鎖生の(傘表皮細胞の形態から) 【よく似た種との区別】 Phylloporus gajari バングラデシュに分布する 形態的に類似している(混同のおそれが十分にある) 子実体のサイズが類似している 子実体の色が類似している 傘が帯赤褐色 襞の間隔が疎 柄が円筒形 5.8S+nrLSU+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種よりバングラデシュにおける分布域が広い 本種と異なり子実体が小型ではなく中型 本種より傘の直径が大きい 本種と異なり傘が淡い帯赤褐色~帯赤褐色でない 本種と異なり傘縁部が持ち上がる 本種と異なり傘表面がやや綿毛状~綿毛状 本種と異なり襞の間隔が明瞭なやや疎でない 本種より小襞が長い 本種より小襞の幅が広い 本種と異なり柄が長いのではなく短い 本種と異なり柄が下方に向かって細まるという特徴を欠く 本種より担子胞子が長い 本種と異なり担子胞子が卵状楕円形~楕円形でない 本種と異なり側シスチジアがほとんどの場合棍棒形で時に紡錘状なのではなく棍棒形~紡錘状 本種と異なり縁シスチジアがほとんどの場合棍棒形で時に紡錘状なのではなく棍棒形~紡錘状 本種と異なり傘表皮が3-4個の膨大した細胞が鎖状に連なり構成される類短細胞被ではなく円筒形の細胞が短い鎖状をなす毛状被 5.8S+nrLSU+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phylloporus imbricatus 子実体の色が類似している 5.8S+nrLSU+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりサラノキ属ではなくモミ属、トウヒ属植物などと関係を持つ 本種より子実体のサイズが大きい 本種より傘の直径が大きい 本種と異なり肉が露出時変色しない 本種より担子胞子のサイズが大きい 5.8S+nrLSU+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phylloporus luxiensis アジアに分布する 5.8S+nrLSU+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりバングラデシュではなく中国などに分布する 本種と異なり傘縁部が内側に屈曲する 本種と異なり襞が傷ついても変色しない 本種と異なり肉が傷ついても変色しない 本種より担子胞子が長い 本種と異なり傘表皮に膨大した細胞を欠く 5.8S+nrLSU+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phylloporus infuscatus アジアに分布する 担子胞子が短く幅狭い 本種と異なりバングラデシュではなくタイなどに分布する 本種と異なりサラノキ属ではなくシイ属植物などと関係を持つ 本種と異なり傘が緑色 本種と異なり肉が黄色~帯黄褐色 Phylloporus manausensis 傘表皮の構造が類似している 本種と異なりバングラデシュではなくブラジルなどに分布する 本種と異なりサラノキ属ではなくNeea属、ヤシ類、トウダイグサ科植物などと関係を持つ 本種と異なり襞が切断したり露出したりしても変色しない 本種と異なり肉が切断したり露出したりしても変色しない 本種より担子胞子のサイズが大きい