(仮訳)インド産ウラベニガサ属の2新種およびPluteus chrysaegisの追加的観察
Pradeep, CK. et al., 2012. Two new species of Pluteus (Pluteaceae, Agaricales) from India and additional observations on Pluteus chrysaegis. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-011-0801-y [Accessed June 6, 2014].
【R3-00784】2014/06/06投稿

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3行まとめ

インド・ケララ州でヤシ類に発生した2種のウラベニガサ属菌を、Pluteus brunneosquamulosusおよびP. velutinusとして新種記載した。
前者はCelluloderma節、後者はHispidoderma節に含まれ、後者は日本(北海道岩見沢市)で広葉樹に発生した菌と同種であることが示された。
また、形態および分子の証拠から、インド産のP. chrysaegisとアフリカ産のP. conizatus var. africanusを同種とした。
India, Kerala state, Trivandrum district, Palode, TBGRI campus

(新種)

Pluteus brunneosquamulosus Pradeep & Vrinda
語源…褐色の小鱗片の
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【よく似た種との区別】
Pluteus pulverulentus
子実体が褐色~オリーブ褐色系
子実体が顕著な黄色・橙色・赤色を帯びない
本種と担子胞子の形態が異なる
本種とシスチジアの形態が異なる
Pluteus eliae (sensu Homola)
子実体が褐色~オリーブ褐色系
子実体が顕著な黄色・橙色・赤色を帯びない
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表皮に亀裂を生じない
本種と担子胞子の形態が異なる
本種より縁シスチジアの幅が広い
本種と異なり縁シスチジアが狭瓶形ではなく棍棒形~狭棍棒形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度95%、31塩基の差異)
Pluteus fluminensis
同じCelluloderma節に含まれる
子実体が顕著な黄色・橙色・赤色を帯びない
本種と担子胞子の形態が異なる
本種とシスチジアの形態が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりcinereofuscusクレードに含まれる)
Pluteus cinereofuscus
同じCelluloderma節に含まれる
子実体が褐色~オリーブ褐色系
子実体が顕著な黄色・橙色・赤色を帯びない
本種と担子胞子の形態が異なる
本種とシスチジアの形態が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりcinereofuscusクレードに含まれる)
Pluteus pallescens
同じCelluloderma節に含まれる
子実体が褐色~オリーブ褐色系
子実体が顕著な黄色・橙色・赤色を帯びない
本種と担子胞子の形態が異なる
本種とシスチジアの形態が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりcinereofuscusクレードに含まれる)
Pluteus rimosus
子実体が褐色~オリーブ褐色系
子実体が顕著な黄色・橙色・赤色を帯びない
本種と異なり傘表面にキツネノカラカサ属のような鱗片を欠く
本種と担子胞子の形態が異なる
本種とシスチジアの形態が異なる
Pluteus tucumanus
子実体が褐色~オリーブ褐色系
子実体が顕著な黄色・橙色・赤色を帯びない
本種と担子胞子の形態が異なる
本種とシスチジアの形態が異なる
Pluteus albolineatus
子実体が褐色~オリーブ褐色系
子実体が顕著な黄色・橙色・赤色を帯びない
本種と異なり傘表面にキツネノカラカサ属のような鱗片を欠く
本種と担子胞子の形態が異なる
本種とシスチジアの形態が異なる
India, Kerala state, Trivandrum district, Palode, TBGRI campus

(新種)

Pluteus velutinus Pradeep, Justo & Vrinda
ビロードチャウラベニガサ
語源…ビロード状の
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【よく似た種との区別】
Pluteus granulatus
形態形質全般、特に傘の形態が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じplautus/longistriatusクレードに含まれる)
本種と異なりインドおよび日本ではなくヨーロッパに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pluteus depauperatus
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり担子胞子が楕円形~広楕円形ではなく楕円形~長楕円形
本種と異なり側シスチジアが棍棒形・紡錘形・狭瓶形・狭小嚢形ではなく小嚢形~瓶形
本種と異なり側シスチジアに頂部の狭窄や指状突起を欠く
Pluteus dryophiloides
本種より側シスチジアの幅がずっと広い
本種と異なり側シスチジアが棍棒形・紡錘形・狭瓶形・狭小嚢形ではなく主に小嚢形
本種と異なり側シスチジアに頂部の狭窄や指状突起を欠く
Pluteus exiguus
形態的に類似している(本種がこの種に仮同定されたことがある)
本種と異なりインドおよび日本ではなくヨーロッパに分布する
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘表面が顕著な鱗片状
本種と異なり側シスチジアが非常に疎らかあるいは欠く
本種と異なり縁シスチジアが瓶形・狭小嚢形・卵形ではなく棍棒形
本種と異なり縁シスチジアの頂部が鈍頭ではなく顕著に狭まるか突起を持つ

(その他掲載種)

Pluteus chrysaegis (Berk. & Broome) Petch
Pluteus conizatus var. africanusを本種のシノニムとした。
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【よく似た種との区別】
Pluteus castri
同じHispidoderma節に含まれる
傘表皮の要素がHispidoderma節の菌としては比較的短い
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じleoniusクレードに含まれる)
本種と異なりスリランカ・インド・コンゴ民主共和国ではなくロシアおよび日本に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pluteus conizatus
スリランカに分布する
本種と明らかに肉眼的・顕微鏡的形態が異なる