(仮訳)形態およびDNA配列データに基づく中国南部産のSteccherinum属2新種
Dong, J-H., Wu, Y-X. & Zhao, C-L. 2022. Two new species of Steccherinum (Polyporales, Basidiomycota) from southern China based on morphology and DNA sequence data. Mycoscience. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/advpub/0/advpub_MYC567/_article/-char/ja/ [Accessed March 13, 2022] 【R3-09320】2022/3/13投稿

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3行まとめ

中国雲南省で採集された2種の白色腐朽菌を検討し、Steccherinum hirsutumおよびS. yunnanenseとして新種記載した。
前者は一年生で有柄、子実層面が赤色~緋色で歯牙状、担子胞子が非シアノフィリックで、2菌糸型でクランプを有することなどで特徴づけられた。
後者は背着生で子実層面が歯牙状、担子胞子が無色楕円形平滑薄壁、シスチジアに顕著な結晶を伴い、2菌糸型でクランプを有することなどで特徴づけられた。
中国雲南省普洱市景東イ族自治県無量山国家級自然保護区

(新種)

Steccherinum hirsutum Y.X. Wu & C.L. Zhao
語源…粗長毛のある(傘表面の性状から)
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【よく似た種との区別】
Steccherinum ochraceum(ニクハリタケ)
中国に分布する
子実体形成菌糸層が2菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層面が赤色~緋色ではなく淡黄褐色~鮭肉色
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
本種と異なり骨格菌糸シスチジアを有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Steccherinum bourdotii
中国に分布する
子実体形成菌糸層が2菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層面が赤色~緋色ではなくクリーム色~淡黄褐色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく類球形
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
本種と異なり骨格菌糸シスチジアを有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Steccherinum undigerum
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が黄褐色
本種と異なり子実層面が歯牙状ではなく管孔状
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく類球形~楕円形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国雲南省普洱市景東イ族自治県無量山国家級自然保護区

(新種)

Steccherinum yunnanense Y.X. Wu & C.L. Zhao
語源…雲南産の
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【よく似た種との区別】
Etheirodon fimbriatum(ヒモツキコメバタケ)
中国に分布する
担子胞子が小型
シスチジアが円筒形
シスチジアに結晶を伴う
骨格菌糸シスチジアが棍棒形で鈍頭
子実体形成菌糸層が2菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が半背着生ではなく背着生
本種と異なり子実層面が帯桃色~淡紫色
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Steccherinum litschaueri
担子胞子が小型
シスチジアが円筒形
シスチジアに結晶を伴う
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種よりシスチジアのサイズが大きい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Steccherinum robustius
中国に分布する
子実体が半背着生
担子胞子が小型
シスチジアが円筒形
シスチジアに結晶を伴う
骨格菌糸シスチジアが棍棒形で鈍頭
子実体形成菌糸層が2菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体の不稔縁部が縁毛状でない
本種と異なり子実層面が淡橙色~帯赤橙色
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される