(仮訳)中国および韓国産のロウソクゴケモドキ属地衣2新種
Liu, D. et al., 2019. Two New Species of the Genus Candelariella from China and Korea. Mycobiology. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/12298093.2019.1583785 [Accessed May 4, 2019] 【R3-06187】2019/5/2投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

中国および韓国において採集された2種の地衣を検討し、それぞれCandelariella rubrisoliおよびC. subsquamulosaとして新種記載した。
前者は地衣体が小区画状~類鱗片状で崩壊し粉芽となる点、後者は地衣体が緑色~暗緑色で明るい黄色~橙色の粉芽に覆われる点などでそれぞれ特徴づけられた。
また、中国本土新産種としてC. canadensisを報告した。
中国雲南省昆明市東川区花溝村

(新種)

Candelariella rubrisoli D. Liu & J.-S hur
語源…赤土の(採集地の名物から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Candelariella efflorescens
本種と異なり中国ではなく韓国、ヨーロッパ、北米などに分布する
本種と異なり地衣体が不規則な類鱗片状でない
本種と異なり地衣体の片側が通常僅かに斜上するという特徴を欠く
本種より粉芽のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりクレード2に含まれる)
Candelariella reflexa
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体の小鱗片のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Candelariella xanthostigmoides
樹上生地衣である
本種と異なり中国ではなく北米などに分布する
本種より粉芽のサイズが小さい
Candelariella sorediosa
樹皮生地衣である
本種と異なり中国ではなくネパールおよび台湾などに分布する
Candelariella granuliformis
本種と異なり粉芽を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりクレード2に含まれる)
Candelariella biatorina
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり粉芽を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Candelariella subdeflexa
本種と異なり粉芽を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりクレード1に含まれる)
Candelariella lutella
本種と異なり粉芽を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりクレード2に含まれる)
Candelariella deppeanae
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり粉芽を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Candelariella antennaria
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体が明るい黄色でない
本種と異なり地衣体が小区画状~類鱗片状でない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Candelariella blastidiata
本種と異なり地衣体が明るい黄色でない
本種と異なり地衣体が小区画状~類鱗片状でない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりクレード1に含まれる)
Candelariella oleaginescens
本種と異なり地衣体が明るい黄色でない
本種と異なり地衣体が小区画状~類鱗片状でない
Candelariella aurella
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体が明るい黄色でない
本種と異なり地衣体が小区画状~類鱗片状でない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
韓国全羅南道順天市中央路225 順天大学校

(新種)

Candelariella subsquamulosa D. Liu & J.-S hur
語源…類小鱗片状の(地衣体の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Candelariella reflexa
しばしば樹皮に生じる
粉芽を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体のサイズがずっと大きい
本種と異なり地衣体が緑色~暗緑色でない
本種と異なり地衣体が小粒状~類鱗片状ではなく良好に発達するとほぼロゼット状
本種と異なり地衣体縁部が崩壊して粉芽になる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Candelariella efflorescens
韓国に分布する
樹皮生地衣である
本種と異なりヨーロッパ、北米における分布が知られている
本種と異なり珪質岩やコケ上での発生が知られている
本種と異なり地衣体が粉芽に変化するのではなく縁部に沿って粉芽を生じる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりクレード2に含まれる)
Candelariella medians
粉芽を形成する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国ではなく北アフリカ、ヨーロッパ、東南アジア、中国などに分布する
本種と異なり樹皮生ではなく岩上生である
本種と異なり地衣体が”placoid”である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Candelariella xanthostigmoides
粉芽を形成する
本種と異なり地衣体が崩壊して粉芽に変化するという特徴を欠く
本種と異なり粉芽が地衣体が広がる方向に生じるのではなく縁部から内側に向かって広がる

(中国本土新産種)

Candelariella canadensis H. Magn.
mycobank_logoSpecies_Fungorum

(その他掲載種)

Candelariella placodizans (Nyl.) H. Magn.
mycobank_logoSpecies_Fungorum