(仮訳)日本において河川水および浄水スラッジから分離された新種Phytopythium iriomotenseおよびP. aichiense
Baten, MA. et al., 2015. Two new species, Phytopythium iriomotense sp. nov. and P. aichiense sp. nov., isolated from river water and water purification sludge in Japan. Mycological Progress. …. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-015-1027-1 [Accessed February 5, 2015].
【R3-01532】2015/02/06投稿

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3行まとめ

西表島の川の水から分離された卵菌を検討し、Phytopythium iriomotenseとして新種記載した。
また、愛知県で浄水スラッジから分離された卵菌を検討し、P. aichienseとして新種記載した。
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で両種は遺伝的に異なり、かつ形態的に類似する種とも区別された。
沖縄県西表島

(新種)

Phytopythium iriomotense M.A. Baten & K. Kageyama
語源…西表産の
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【よく似た種との区別】
Phytopythium mercuriale
伸長様式が内生あるいは内部重生
造卵器が球形
造卵器が平滑
雌雄異菌糸性である
菌糸に膨大部を有する
最大生長温度が35℃
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種より遊走子嚢の平均サイズが小さい
本種と異なり遊走子嚢が球形~類球形ではなく類球形~倒卵形
本種と異なり仮軸が”compound”でない
本種より造卵器の平均サイズが大きい
本種と異なり造卵器に2つの卵胞子を含むという特徴を欠く
本種と異なり造卵器が1-2つではなく複数の造精器に囲まれる
本種と異なり卵胞子を欠く
本種と異なり最小生長温度が10℃ではなく5℃
本種と異なり最適生長温度が30℃ではなく25-30℃
本種よりCMA25℃での生長が遅い
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度86%)
Phytopythium oedochilum
遊走子嚢の平均サイズが類似している
造卵器が球形
造卵器が平滑
雌雄異菌糸性である
最小生長温度が10℃
最大生長温度が35℃
最適生長温度が30℃
CMA25℃での生長速度がほぼ同一
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なり遊走子嚢が球形~類球形ではなく類球形・レモン形・倒卵形・卵形
本種と異なり仮軸が”compound”でない
本種と異なり伸長様式が内生あるいは内部重生ではなく外生・内生・内部重生
本種より造卵器の平均サイズが大きい
本種と異なり造卵器に2つの卵胞子を含むという特徴を欠く
本種と異なり造卵器あたりの造精器の数が1-2ではなく1-2(-4)
本種より卵胞子の平均サイズが大きい
本種と異なり卵胞子が充満性または非充満性ではなく非充満性
本種と異なり菌糸に膨大部を欠く
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度86%)
Phytopythium ostracodes
遊走子嚢が球形~類球形
造卵器が球形
造卵器が平滑
造卵器あたりの造精器の数が1-2
最小生長温度が10℃
最大生長温度が35℃
最適生長温度が30℃
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なり仮軸が”compound”でない
本種と異なり伸長様式が内生あるいは内部重生ではなく外生・内生・内部重生
本種と異なり雌雄異菌糸性ではなく雌雄同菌糸性で稀に雌雄異菌糸性
本種より造卵器の平均サイズが大きい
本種と異なり造卵器に2つの卵胞子を含むという特徴を欠く
本種より卵胞子の平均サイズが大きい
本種と異なり卵胞子が充満性または非充満性ではなく充満性またはほぼ充満性
本種と異なり菌糸に膨大部を欠く
本種よりCMA25℃での生長が遅い
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度86%)
Phytopythium megacarpum
造卵器が球形
造卵器が平滑
造卵器あたりの造精器の数が1-2
菌糸に膨大部を有する
最大生長温度が35℃
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なり仮軸が”compound”でない
本種と異なり遊走子嚢を欠く
本種と異なり伸長様式が内生あるいは内部重生ではなく内生
本種と異なり雌雄異菌糸性ではなく雌雄同菌糸性
本種より造卵器の平均サイズが大きい
本種と異なり造卵器に2つの卵胞子を含むという特徴を欠く
本種より卵胞子の平均サイズが大きい
本種と異なり卵胞子が充満性または非充満性ではなく充満性
本種と異なり最小生長温度が10℃ではなく15℃
本種と異なり最適生長温度が30℃ではなく28℃
本種よりCMA25℃での生長が遅い
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度86%)
Phytopythium boreale
造卵器が球形
造卵器が平滑
造卵器あたりの造精器の数が1-2
菌糸に膨大部を有する
CMA25℃での生長速度がほぼ同一
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なり仮軸が”compound”でない
本種と異なり遊走子嚢を欠く
本種と異なり伸長様式が内生あるいは内部重生ではなく内生
本種と異なり雌雄異菌糸性ではなく雌雄同菌糸性で稀に雌雄異菌糸性
本種より造卵器の平均サイズが小さい
本種と異なり造卵器に2つの卵胞子を含むという特徴を欠く
本種より卵胞子の平均サイズが小さい
本種と異なり卵胞子が充満性または非充満性ではなく充満性
本種と異なり最小生長温度が10℃ではなく4℃
本種と異なり最大生長温度が35℃ではなく43℃
本種と異なり最適生長温度が30℃ではなく25-31℃
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度87%)
愛知県

(新種)

Phytopythium aichiense M.A. Baten & K. Kageyama
語源…愛知産の
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【よく似た種との区別】
Phytopythium litorale
伸長様式が内部重生または内部伸長性
二次遊走子嚢を形成する
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種より遊走子嚢の平均サイズが小さい
本種と異なり遊走子嚢が類球形・卵形・レモン形ではなく類球形・卵形・倒洋梨形
本種と異なり造卵器を欠く
本種と異なり造精器を欠く
本種と異なり菌糸に膨大部を有する
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度91%)
Phytopythium sterilum
伸長様式が内部重生または内部伸長性
二次遊走子嚢を形成する
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種より遊走子嚢の平均サイズが小さい
本種と異なり遊走子嚢が類球形・卵形・レモン形ではなく球形または洋梨形
本種と異なり造卵器を欠く
本種と異なり造精器を欠く
本種と異なり菌糸に膨大部を有する
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度91%)
Phytopythium citrinum
二次遊走子嚢を形成する
造卵器が球形
造卵器が平滑
菌糸に膨大部を欠く
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種より遊走子嚢の平均サイズが小さい
本種と異なり遊走子嚢が類球形・卵形・レモン形ではなく類球形・洋梨形・レモン形
本種と異なり伸長様式が内部重生または内部伸長性ではなく内部伸長性
本種より造卵器の平均サイズが小さい
本種より卵胞子の平均サイズが大きい
本種と異なり卵胞子が非充満性ではなく充満性またはほぼ充満性
本種と異なり造精器の柄が分枝しない
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度94%)
Phytopythium delawarense
伸長様式が内部重生または内部伸長性
二次遊走子嚢を形成する
造卵器が球形
造卵器が平滑
卵胞子の平均サイズが同一
卵胞子が非充満性
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種より遊走子嚢の平均サイズが大きい
本種と異なり遊走子嚢が類球形・卵形・レモン形ではなくレモン形・卵形・倒卵形
本種より造卵器の平均サイズが小さい
本種と異なり菌糸に膨大部を有する
本種と異なり造精器の柄が分枝しない
ITSおよびnrLSU+β-チューブリン+coxI+coxIIに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度93%)