2017年10月29日 (仮訳)イラン、オルーミーイェ湖国立公園の高塩分土壌から分離されたコウジカビ属の2新種 Arzanlou, M. et al., 2016. Two novel Aspergillus species from hypersaline soils of The National Park of Lake Urmia, Iran. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/10.1007/s11557-016-1230-8 [Accessed October 28, 2017]. 【R3-04526】2017/10/29投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ イランにおいて土壌から分離された2種の菌を検討し、Aspergillus iranicusおよびA. urmiensisとして新種記載した。 前者はTerrei節に含まれ、シトリニン、グレガチン類、およびテレキノンを産生する点や分生子の色などで特徴づけられた。 後者はFlavipedes節に含まれ、コロニーが黄褐色、頂嚢が球形~類球形で、既知のコウジカビ属の二次代謝産物に一致しない物質を複数産生した。 Iran, Urmia, Aspear Island (新種) Aspergillus iranicus Arzanlou, Houbraken & Samadi 語源…イランの 【よく似た種との区別】 Aspergillus carneus 同じTerrei節に含まれる “accessory conidia”を有する シトリニン産生能を有する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなく米国などに分布する 本種と異なり空中から分離される 本種と異なり分生子が集まると白色ではなく帯ワイン黄褐色 BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus niveus 同じTerrei節に含まれる “accessory conidia”を有する シトリニン産生能を有する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子が集まると白色ではなく黄色を帯びる BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus allahabadii 同じTerrei節に含まれる 土壌菌である シトリニン産生能を有する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなくインドなどに分布する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus neoindicus 同じTerrei節に含まれる 土壌菌である シトリニン産生能を有する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり菌糸体が白色ではなく黄緑色 本種と異なりイランではなくインドなどに分布する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Iran, Urmia, Jade Darya (seaside) (新種) Aspergillus urmiensis Arzanlou, Houbraken & Samadi 語源…オルーミーイェ産の 【よく似た種との区別】 Aspergillus templicola 土壌菌である BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなくタイ、メキシコ、ルーマニア、中国などに分布する 本種と異なりハウスダストなどから分離される 本種と異なり頂嚢が球形ではなく主に長形 BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus luppii 同じFlavipedes節に含まれる 土壌菌である BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなくフランスなどに分布する 本種よりCYA37°Cでの生長が遅い BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus movilensis 同じFlavipedes節に含まれる 土壌菌である BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなくルーマニアなどに分布する 本種よりCYA37°Cでの生長が遅い BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus polyporicola 同じFlavipedes節に含まれる BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなくハワイなどに分布する 本種と異なりEarliella scabrosaの子実体などから分離される 本種よりCYA37°Cでの生長が遅い BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus spelaeus 同じFlavipedes節に含まれる BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなくスペインなどに分布する 本種よりCYA37°Cでの生長が遅い BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus ardalensis 同じFlavipedes節に含まれる 土壌菌である BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなくスペインなどに分布する 本種より頂嚢の直径が小さい BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus neoflavipes 同じFlavipedes節に含まれる BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなくタイなどに分布する 本種と異なり有性世代が知られている 本種と異なりCYA培地でのコロニーが明黄色 BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus micronesiensis 土壌菌である BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなくミクロネシア、チェコ、メキシコ、米国、インド、ハイチなどに分布する 本種と異なりハウスダスト、空中、乳製品などから分離されている 本種と異なりヒューレ細胞を欠くのではなく通常有する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus iizukae 同じFlavipedes節に含まれる 土壌菌である BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイランではなく日本などに分布する 本種と異なりヒューレ細胞を欠くのではなく通常有する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Aspergillus micronesiensis Visagie, Hirooka & Samson ※Aspergillus frequensおよびA. sunderbanii(無効学名)を本種のシノニムとした。 【よく似た種との区別】 Aspergillus urmiensis 土壌菌である BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりミクロネシア、チェコ、メキシコ、米国、インド、ハイチなどではなくイランに分布する 本種と異なりハウスダスト、空中、乳製品などから分離されるという特徴を欠く 本種と異なりヒューレ細胞を通常有するのではなく欠く BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus neoflavipes BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Aspergillus templicola Visagie, Hirooka & Samson ※Aspergillus mangaliensisを本種のシノニムと見なした。 【よく似た種との区別】 Aspergillus urmiensis 土壌菌である BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりタイ、メキシコ、ルーマニア、中国などではなくイランに分布する 本種と異なりハウスダストなどから分離されるという特徴を欠く 本種と異なり頂嚢が主に長形ではなく球形 BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される