(仮訳)タイ産のコーヒー豆から分離されたコウジカビ属Nigri節の2新種
Noonim, P. et al., 2008. Two novel species of Aspergillus section Nigri from Thai coffee beans. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. Available at: https://doi.org/10.1099/ijs.0.65694-0 [Accessed July 26, 2018].
【R3-05341】2018/7/26投稿

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3行まとめ

タイにおいてコーヒー豆から分離されたAspergillus aculeatinusおよびA. sclerotiicarbonariusの2新種を記載した。
前者は分生子が小型で類球形~楕円形であり、ネオキサリン類、アクレアシン、セカロン酸類などの二次代謝産物を産生した。
後者は菌核を豊富に形成したほか、未解明のインドールアルカロイド類を産生した一方、オクラトキシンAを産生しなかった。
Sawi District, Chumporn Province, Thailand

(新種)

Aspergillus sclerotiicarbonarius Noonim, Frisvad, Varga & Samson
語源…菌核の[石炭の/Aspergillus carbonarius] mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aspergillus carbonarius
菌核の形態が類似することがある
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり紙から分離されることがある
本種と異なり分生子が暗褐色ではなく炭黒色
本種と異なりオクラトキシンAの産生が知られている
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus sclerotioniger
同じコーヒーノキ属植物を宿主とする
菌核の形態が類似している
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなくインドなどに分布する
本種と異なりロブスタコーヒーノキではなくアラビカコーヒーノキなどを宿主とする
本種と異なり菌糸体が白色ではなく黄色
本種と異なりオクラトキシンAの産生が知られている
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus ibericus
分生子表面の装飾が類似している
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなくポルトガルなどに分布する
本種と異なりコーヒーノキではなくブドウなどを宿主とする
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Muang District, Chiangmai Province, Thailand

(新種)

Aspergillus aculeatinus Noonim, Frisvad, Varga & Samson
語源…刺状の/Aspergillus aculeatus+~に属する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aspergillus aculeatus
ITS、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり土壌から分離されることがある
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が類球形~楕円形でない
ITS、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus japonicus
ITS、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が類球形~楕円形でない
ITS、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus uvarum
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイおよび日本ではなくイタリアどに分布する
本種と異なりコーヒーノキではなくブドウなどを宿主とする
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される