(仮訳)Polygonatum multiflorumの稈に発生するヒトヨタケ類の新種Coprinopsis nevillei
Garcia, G. & Vellinga, EC. 2010. Une nouvelle espèce de coprin sur tiges de Polygonatum multiflorum: Coprinopsis nevillei sp. nov. Bulletin de la Fédération des Associations Mycologiques Méditerranéennes, Nouvelle Série. Available at: http://nature.berkeley.edu/brunslab/ev/papers/Garcia%20&%20Vellinga%20%28Coprinopsis%20nevillei%29.pdf [Accessed June 10, 2014].
【R3-00829】2014/06/21投稿

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3行まとめ

湿室法でPolygonatum multiflorumの茎から発生した菌を、Coprinopsis nevilleiとして新種記載した。
本種を草本の茎に発生する多数のヒトヨタケ類と比較し、相違点を列挙した。
ITS領域に基づく分子系統解析で、本種はCoprinopsis属およびナヨタケ科のその他の分類群全てと区別された。
France, Hérault, Le Soulié, Château  de Caraman

(新種)

Coprinopsis nevillei Guy Garcia & Vellinga
語源…Pierre Nevilleに献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Coprinopsis ammophilae
本種と異なり砂丘に発生する
本種と異なり枯死して埋もれた草本の根と関係を持つ
本種と異なり群生し、時に束生する
本種と異なり柄が顕著に短い
本種と異なり小型の綿毛状被膜を有する
Coprinopsis calospora
本種と異なりフランスではなくオランダに分布する(実際は熱帯の菌だとする説もある)
本種と異なりユッカ属植物の根元に発生する
本種と異なり担子胞子が結節状
Coprinopsis cinerea(ウシグソヒトヨタケ)
本種と異なり糞など様々な基質から発生する
本種より子実体ががっしりとしている
本種よりシスチジアのサイズが大きい(ただし、小さいサイズのシスチジアを持つ標本の報告もある)
Coprinopsis geesterani
本種と異なり柄表面の全体が平滑ではなく繊維状~綿毛状
本種より担子胞子のサイズが小さい
Coprinopsis krieglsteineri
本種と異なり傘の縁部に通常被膜が垂れ下がる
本種と異なり非常に繊細で密なクモの巣状の被膜を有する
本種と異なり柄表面の被膜の菌糸にしばしば指状突起を持つ
Coprinopsis lagopus(ザラエノヒトヨタケ)
子実体の形態が類似している
本種と異なり草本の茎ではなくウッドチップ、堆肥や様々な植物残渣に発生する
本種より子実体のサイズがずっと大きい
本種と異なり被膜の菌糸に付着物(結晶)を伴わない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Coprinopsis lagopus var. vacillans
草本の茎に発生する
本種よりシスチジアのサイズがずっと大きい
本種より被膜の要素が短い
本種と異なり被膜の菌糸に付着物(結晶)を伴わない
Coprinopsis neolagopus(コツブザラエノヒトヨタケ)
草本の茎に発生する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフランスではなく日本に分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Coprinopsis ochraceolanata
被膜の菌糸に付着物を伴う
本種と異なり草本の茎ではなく材に発生する
本種と異なり被膜の菌糸が帯黄色
Coprinopsis pseudoradiata
本種と異なり草本の茎ではなく糞に発生する
本種より担子胞子のサイズが小さい
Coprinopsis scobicola
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり草本の茎ではなく堆肥やおが屑に発生する
本種と異なり子実体が束生する
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
本種より担子胞子の幅が広い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Coprinopsis candidolanata(シラゲウシグソヒトヨタケ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり草本の茎ではなく糞に発生する
本種と異なり被膜の菌糸に2型がある
本種と異なり被膜の菌糸が密に指状突起に覆われる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Coprinopsis argentea
草本の茎に発生する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の形状が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなくトウモロコシの粒様
本種より被膜の菌糸の幅がやや広い
Coprinopsis austrofriesii
草本に発生する
本種と異なりフランスではなくベネズエラに分布する
本種と異なり担子胞子が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなく卵形
本種より側シスチジアが長い
Coprinopsis friesii(ヒメヒトヨタケ)
草本の茎に発生する
本種と異なりアマドコロ属ではなくイグサ属、ガマ属、スゲ属などの植物の茎に発生する
本種と異なり担子胞子が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなく卵形~菱形
本種と異なり被膜の菌糸に指状突起を持つ
本種と異なり被膜の菌糸が薄壁ではなく厚壁
Coprinopsis gonophylla
本種と異なり焼け跡に発生する
本種と異なり担子胞子が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなく類球形~卵形
本種と異なり被膜の菌糸に指状突起を持つ
Coprinopsis herbivora
草本の茎に発生する
本種と異なりフランスではなくアルゼンチンに分布する
本種と異なり担子胞子が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなく卵形
Coprinopsis herinkii
草本に発生する
本種と異なり草本の茎ではなく葉に発生する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなく球形~類角形
Coprinopsis kubickae
草本に発生する
担子胞子の長さの範囲が重なる
本種と異なりアマドコロ属ではなくイグサ属植物に発生する
本種と異なり担子胞子が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなく類球形~レンズ形
Coprinopsis phlyctidospora(ザラミノヒトヨタケ)
本種と異なり草本の茎ではなく材、枯れ枝、焼け跡の土壌などに発生する
本種と異なり担子胞子が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなく卵形
本種と異なり担子胞子が疣状粗面
本種と異なり被膜の菌糸に指状突起を持つ
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Coprinopsis psychromorbida
草本に発生する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなく卵形~楕円形
本種と異なり被膜の菌糸が黄褐色
本種と異なり被膜の菌糸が薄壁ではなく厚壁
Coprinus saichiae
草本に発生する
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり被膜の菌糸が珊瑚状
本種と異なり被膜の菌糸が薄壁ではなく厚壁
Coprinopsis tigrinella
草本に発生する
本種と異なりヨシ属など様々な植物に発生する
本種と異なり被膜の菌糸に先端が丸い褐色の突起を持つ
Coprinopsis urticicola(コツブノヒメヒトヨタケ)
草本の茎に発生する
本種と異なりヨシ属やスゲ属植物に発生する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり被膜の菌糸に指状突起を持つ
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Coprinus picosporus
本種と異なり担子胞子が楕円形(稀に類卵形・類扁桃形)ではなく球形~短い扁桃形
本種と異なり被膜の菌糸が指状突起を持つ~珊瑚状
Coprinus pusio
肉眼的形態がかなり類似している
被膜の菌糸が平滑
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり菌糸にクランプを欠く