(仮訳)Rapanea melanophloeosにおける傷部は4新種を含む多様なオフィオストマ目菌類の生息環境を提供する
Musvuugwa, T., et al. 2016. Wounds on Rapanea melanophloeos provide habitat for a large diversity of Ophiostomatales including four new species Rapanea melanophloeos. Antonie van Leeuwenhoek. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s10482-016-0687-4 [Accessed July 6, 2016].
【R3-03084】2016/07/07投稿

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3行まとめ

南アフリカにおいてRapanea melanophloeosに生じた傷から分離されたオフィオストマ目菌類を検討し、5種を同定した。
そのうちSporothrix itsvoS. rapaneaeなど4種を新種記載した。
また、5種中4種がS. schenckii-O. stenoceras種複合体に含まれた一方、残りの1種はオフィオストマ目クレードの基部に位置し、異なる属に分けられる可能性も示唆された。
South Africa, Western Cape Province, Harold Porter National Botanical Garden, Betty’s Bay

(新種)

Sporothrix itsvo Musvuugwa, LL. Dreyer & F. Roets
語源…原住民のショナ語で「腎臓」の意(子嚢胞子の形状から)
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【よく似た種との区別】
Sporothrix aemulophila
同所的に分布する(南アフリカ)
同じRapanea melanophloeosを宿主とする
子嚢果に孔口毛を有する
MEA培地での生長形態が類似している
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢殻の基部に装飾菌糸を欠く
本種と異なり子嚢胞子が腎臓形ではなくソーセージ形
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sporothrix rapaneae
南アフリカに分布する
同じRapanea melanophloeosを宿主とする
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, Western Cape Province, Groenkop

(新種)

Sporothrix rapaneae Musvuugwa, LL. Dreyer & F. Roets
語源…タイミンタチバナ属の
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【よく似た種との区別】
Sporothrix itsvo
南アフリカに分布する
同じRapanea melanophloeosを宿主とする
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma candidum
孔口毛を有する
最適生長温度が同一
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢殻基部に装飾を有する
本種と形態的構造の平均サイズが異なる
本種と異なりMEA培地で子嚢果を形成する
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sporothrix aemulophila
同所的に分布する(南アフリカ)
同じRapanea melanophloeosを宿主とする
孔口毛を有する
子嚢胞子がソーセージ形
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と形態的構造の平均サイズが異なる
本種と異なり最適生長温度が25°Cではなく30°C
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, KwaZulu-Natal Province, Weza Forest Reserve

(新種)

Sporothrix uta Musvuugwa, LL. Dreyer & F. Roets
語源…原住民のショナ語で「三日月形」や「弓形」の意(子嚢胞子の形状から)
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【よく似た種との区別】
Ophiostoma aurorae
南アフリカに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりRapanea melanophloeosではなくPinus patulaの根を食べるHylastes angustatusなどから分離される
本種と異なり子嚢殻の基部に淡灰色の菌糸を伴う
本種と異なり子嚢胞子がソーセージ形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma fusiforme
材生息菌である
Sporothrix属アナモルフを有する
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなくアゼルバイジャン、オーストリアなどに分布する
本種と異なりRapanea melanophloeosではなくPopulus nigraおよびQuercus petraeaなどから分離される
本種と異なり子嚢殻基部に装飾菌糸を有する
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma lunatum
材生息菌である
Sporothrix属アナモルフを有する
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなくオーストリアなどに分布する
本種と異なりRapanea melanophloeosではなくCarpinus betulusおよびLarix deciduaなどから分離される
本種と異なり子嚢殻基部に装飾菌糸を有する
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma abietinum
材生息菌である
Sporothrix属アナモルフを有する
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりRapanea melanophloeosではなくマツ属植物などに分布する
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, KwaZulu-Natal Province, Weza Forest Reserve

(新種)

Ophiostoma noisomeae Musvuugwa, LL. Dreyer & F. Roets
語源…異臭の(コロニーの臭いから)
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【よく似た種との区別】
Sporothrix lignivora
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
ITSおよびITS+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(β-チューブリン遺伝子のイントロンの構成が異なる)