(仮訳)形態および分子の証拠に基づきPerenniporia属から分けられた多孔菌の新属Yuchengia
Zhao, C-L., Cui, B-K. & Steffen, KT., 2013. Yuchengia, a new polypore genus segregated from Perenniporia (Polyporales) based on morphological and molecular evidence. Nordic Journal of Botany. Available at: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1756-1051.2012.00003.x/full [Accessed May 13, 2014].
【R3-00709】2014/05/14投稿

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3行まとめ

形態学的検討および分子系統解析の結果に基づき、Perenniporia narymicaに対して新属Yuchengiaを提唱した。
ITS+LSUに基づく分子系統解析で、本属菌はコア・ポリポロイドクレードの内部に単系統群を形成し、狭義のPerenniporia属菌と区別された。
本属菌はPerenniporia属菌といくつかの形態形質を共有したが、担子胞子がデキストリノイドでない、骨格菌糸がアミロイドでシアノフィリックでない、などの違いがあった。

(新組み合わせ)

Yuchengia narymica (Pilat) B.K. Cui, C.L. Zhao & Steffen
旧名:Perenniporia narymica (Pilat) Pouzar(基礎異名はTrametes narymica Pilat)
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【よく似た種との区別】
Perenniporia amylodextrinoidea
骨格菌糸がアミロイドである
本種と異なり担子胞子が截断状
本種と異なり担子胞子がデキストリノイドである
Perenniporia hattorii
骨格菌糸がアミロイドである
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が截断状
本種と異なり担子胞子がアミロイドである
Perenniporia medulla-panis(ウスキアナタケ)
子実体が背着生
孔口の形態が類似している
本種と異なり孔口面がクリーム色~帯クリーム黄褐色ではなく白色
本種と異なり担子胞子が截断状
本種と異なり担子胞子がデキストリノイドである
本種と異なり骨格菌糸が分枝する
LSUおよびITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Perenniporia subacida(キンイロアナタケ)
形態的に類似している
担子胞子が截断状でない
担子胞子がデキストリノイドでない
骨格菌糸が分枝しない
本種と異なり子実体が一年生ではなく顕著な多年生である
本種と異なり孔口面がクリーム色~帯クリーム黄褐色ではなく象牙色~帯黄色
本種と異なり菌糸構成が2菌糸型ではなく3菌糸型
本種と異なり骨格菌糸が強いデキストリノイドである
本種と異なり骨格菌糸がシアノフィリックである
本種と異なり骨格菌糸がKOHに溶解性を示さない
LSUおよびITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudopiptoporus spp.
骨格菌糸がアミロイドである
本種と異なり子実体が背着生ではなく傘状
本種と異なり担子胞子が無色ではなく淡い藁色
本種と異なり担子胞子がデキストリノイドである
本種と異なり実質の菌糸構成が3菌糸型ではなく1菌糸型
Antrodia carbonica
骨格菌糸がアミロイドである
本種と異なり白色腐朽ではなく褐色腐朽を起こす
本種と異なり担子胞子が顕著な厚壁ではなく薄壁
本種と異なり担子胞子がシアノフィリックでない
LSUおよびITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia xantha(チョークアナタケ)
骨格菌糸がアミロイドである
本種と異なり白色腐朽ではなく褐色腐朽を起こす
本種と異なり担子胞子が顕著な厚壁ではなく薄壁
本種と異なり担子胞子がシアノフィリックでない
LSUおよびITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される