(仮訳)Tubakia属の再評価およびコナラ属を宿主とする3新種と6新組み合わせ
Harrington, TC. & McNew, DL. 2017. A re-evaluation of Tubakia, including three new species on Quercus and six new combinations. Antonie van Leeuwenhoek. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s10482-017-1001-9 [Accessed January 15, 2025] 【R3-12438】2025/1/15投稿

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3行まとめ

Tubakia属の再評価を実施し、米国からコナラ属樹木を宿主とするT. halliiなど3新種を記載した。
北米において本属菌は広く定義された単一の種として扱われていたが、実際には複数種からなることを示したほか、本属の遺伝的多様性の中心が東アジアであることを示唆した。
また、T. americanaなど6新組み合わせを提唱した。
Kirbyville, Missouri, USA

(新種)

Tubakia hallii T.C. Harrington & D. McNew
語源…森林遺伝学者の故Richard B. Hall氏に献名
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【よく似た種との区別】
Tubakia iowensis
米国に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
形態的に類似している(識別困難である)
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種ほど分布が広くない
本種と異なり宿主が主にQuercus macrocarpaに限定される
本種と異なり葉および葉脈に斑点および壊死を引き起こすのではなく葉脈に壊死を引き起こす
本種と異なり盾形分生子殻が越冬葉の葉柄上に生じる
本種より盾型子座壁のサイズが小さい傾向がある
本種と異なりMYEA培地で分生子を形成する傾向にあるのではなく稀である
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia macnabbii
米国に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種より盾形分生子殻由来の分生子のサイズが僅かに小さい
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Jackson Co., Missouri, USA

(新種)

Tubakia macnabbii T.C. Harrington & D. McNew
語源…森林病理学者の故H. Sande McNabb氏に献名
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【よく似た種との区別】
Tubakia dryina
米国に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりドイツ、イタリア、ニュージーランド、オランダ、中国における分布が知られている
本種と異なり盾形分生子殻が葉脈および葉組織ではなく小枝に生じる
本種より盾形分生子殻由来の分生子のサイズが小さい
本種と異なりコロニーに環紋をあらわす
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia hallii
米国に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種より盾形分生子殻由来の分生子のサイズが僅かに大きい
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia iowensis
米国に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種より盾形分生子殻由来の分生子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり培養下で容易に分生子を形成するという特徴を欠く
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia tiffanyae
米国に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子の幅が広い
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia japonica
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国、イタリアではなく日本などに分布する
本種より分生子のサイズが大きい
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia seoraksanensis
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国、イタリアではなく韓国などに分布する
本種より分生子のサイズが大きい
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia gloeosporioides
米国に分布する
形態的に類似している(培養なしで識別不能)
盾形分生子殻の形態が類似している
分生子の形態が類似している
本種と異なりコナラ属ではなくSassafras属植物などを宿主とする
本種と培養性状が異なる
Tubakia liquidambaris
米国に分布する
盾形分生子殻の形態が類似している
分生子の形態が類似している
本種と異なりコナラ属ではなくフウ属植物などを宿主とする
本種と培養性状が明らかに異なる
Tubakia nyssae
米国に分布する
形態的に類似している
本種と異なりコナラ属ではなくヌマミズキ属植物などを宿主とする
Ames, Iowa, USA

(新種)

Tubakia tiffanyae T.C. Harrington & D. McNew
語源…菌学者の故Lois H. Tiffany氏に献名
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【よく似た種との区別】
Tubakia macnabbii
米国に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子の幅が狭い
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Tubakia americana (Höhnel) T.C. Harrington & D. McNew
旧名:Actinopelte americana Höhnel
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【よく似た種との区別】
Tubakia dryina
米国に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で近縁
本種より菌糸体が培養下においてずっと暗色である
ITSおよびTEF1ーαに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Tubakia gloeosporioides (Tehon) T.C. Harrington & D. McNew
旧名:Actinothyrium gloeosporioides Tehon
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【よく似た種との区別】
Tubakia macnabbii
米国に分布する
形態的に類似している(培養なしで識別不能)
盾形分生子殻の形態が類似している
分生子の形態が類似している
本種と異なりSassafras属などではなくコナラ属植物を宿主とする
本種と培養性状が異なる

(新組み合わせ)

Tubakia liquidambaris (Tehon & G.L. Stout) T.C. Harrington & D. McNew
旧名:Leptothyrella liquidambaris Tehon & G.L. Stout
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【よく似た種との区別】
Tubakia macnabbii
米国に分布する
盾形分生子殻の形態が類似している
分生子の形態が類似している
本種と異なりフウ属などではなくコナラ属植物を宿主とする
本種と培養性状が明らかに異なる

(新組み合わせ)

Tubakia nyssae (Tehon) T.C. Harrington & D. McNew
旧名:Pirostoma nyssae Tehon
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【よく似た種との区別】
Tubakia macnabbii
米国に分布する
形態的に類似している
本種と異なりヌマミズキ属などではなくコナラ属植物を宿主とする

(新組み合わせ)

Tubakia stellata (M.L. Farr) T.C. Harrington & D. McNew
旧名:Actinopelte stellata M.L. Farr
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(新組み合わせ)

Tubakia supraseptata (S. Kaneko & Ts. Kobayashi) T.C. Harrington & D. McNew
旧名:Apiognomonia supraseptatai S. Kaneko & T. Kobayashi
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