2022年1月9日 (仮訳)Arthonia parietinaria – 普通種であるがしばしば誤認されるXanthoria parietinaグループを宿主とする地衣生菌 Fleischhacker, A. et al., 2016. Arthonia parietinaria – A common but frequently misunderstood lichenicolous fungus on species of the Xanthoria parietina-group. Fungal Biology. Available at: https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1878-6146(16)30074-5 [Accessed January 9, 2022] 【R3-09131】2022/1/9投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ(モロッコ、カナリア諸島)など多くの地域で採集された、Xanthoria parietinaグループに発生する菌をArthonia parietinariaとして新種記載した。 本種は一般的に同じダイダイゴケ科地衣に生じるA. molendoiまたはA. epiphysciaと同定されてきたが、別種であることが明らかになった。 両種とは子嚢果の感染斑あたりの数や色などの形態に違いがあり、分子系統解析でも区別された。 Austria, Steiermark (Styria), Oststeirisches Hugelland, Graz, eastern ‘Ragnitzbach’ at lower end of Dr Hanischweg (新種) Arthonia parietinaria Hafellner & A. Fleischhacker 語源…Xanthoria parietinaの 【よく似た種との区別】 Arthonia molendoi オーストリア、リヒテンシュタイン、スペイン、カナリア諸島に分布する 同じXanthoria属地衣を宿主とする 形態的に類似している(従来この種に同定されてきた) 子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 子嚢胞子が無色で成熟すると僅かに有色 nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より高標高域に分布する 本種と異なりXanthoria parietinaグループではなくX. elegansおよびCaloplaca saxicolaグループなどを宿主とする 本種より感染斑が小さい 本種より感染斑あたりの子嚢果の平均数が少ない 本種と異なり子嚢果がマットブラック(鈍黒色)ではなく純粋な黒色 本種と異なり子実層が淡い帯灰青色ではなく淡い帯褐色 本種と異なり子実上層が青色を帯びた暗褐色ではなく暗オリーブ色を帯びた帯黒褐色 本種と異なり子実上層がK+栗色ではなくK陰性 本種と異なり子実下層が帯褐色ではなく淡い帯黄色~褐色 nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthonia epiphyscia オーストリア、ノルウェーに分布する 形態的に類似している(従来この種に同定されてきた) 子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 子嚢胞子が無色 本種より感染斑が小さい 本種より感染斑あたりの子嚢果の平均数が少ない 本種と異なり子嚢果がマットブラック(鈍黒色)ではなく純粋な黒色 本種と異なり子実層が淡い帯灰青色ではなく淡い帯褐色 本種と異なり子実上層が青色を帯びた暗褐色ではなく暗オリーブ色を帯びた褐色 本種と異なり子実上層がK+栗色ではなくK陰性 本種と異なり子実下層が帯褐色ではなくオリーブ褐色 Arthonia destruens 同じXanthoria属地衣を宿主とする 子嚢果が鈍黒色 本種より感染斑あたりの子嚢果の平均数が少ない 本種と異なり子実層が淡い帯灰青色ではなく帯黄色 本種と異なり子実上層が青色を帯びた暗褐色ではなく黄色を帯びた帯褐色 本種と異なり子実上層がK+栗色ではなくK+紫色 本種と異なり子実下層が帯褐色ではなく黄色を帯びた褐色 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子が無色ではなくまもなく褐色になる Arthonia destruens var. nana 同じXanthoria属地衣を宿主とする 子嚢果が鈍黒色 本種と異なりヒマラヤなどに分布する 本種と異なりXanthoria parietinaグループではなくX. fallaxなどを宿主とする 本種より感染斑あたりの子嚢果の平均数が少ない 本種と異なり子実層が淡い帯灰青色ではなく帯黄色 本種と異なり子実上層が青色を帯びた暗褐色ではなく黄色を帯びた帯褐色 本種と異なり子実上層がK+栗色ではなくK+紫色 本種と異なり子実下層が帯褐色ではなく黄色を帯びた褐色 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子が無色ではなくまもなく褐色になる Arthonia sytnikii 同じXanthoria属地衣を宿主とする 子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 子嚢胞子が無色 本種と異なりXanthoria parietinaグループではなくX. ligulataなどを宿主とする 本種と異なりニュージーランド、南アフリカなどに分布する 本種より感染斑あたりの子嚢果の平均数が少ない 本種と異なり子嚢果がマットブラック(鈍黒色)ではなく純粋な黒色 本種と異なり子実上層が青色を帯びた暗褐色ではなく暗オリーブ色を帯びる褐色 本種と異なり子実上層がK+栗色ではなくK陰性またはK+帯緑色 本種と異なり子実下層が帯褐色ではなく無色 Arthonia anjutae 同じダイダイゴケ科地衣を宿主とする 本種と異なりXanthoria属ではなくTeloschistes属地衣などを宿主とする 本種と異なりオーストラリアなどに分布する 本種と異なり子嚢果がマットブラック(鈍黒色)ではなく純粋な黒色 本種と異なり子実上層が青色を帯びた暗褐色ではなく暗褐色 本種と異なり子実上層がK+栗色ではなくK陰性またはK+帯緑オリーブ色 本種と異なり子実下層が帯褐色ではなく暗褐色 本種と異なり子嚢胞子が無色ではなく初期から有色で最終的には暗褐色 本種より子嚢胞子のサイズが大きい