2024年11月26日 (仮訳)明色の滲出物を有するXylaria属菌に関する新たな洞察:新種Xylaria aurantiorubroguttataおよびX. haemorrhoidalisとX. anisopleuraのタイプ標本に基づく再検討 Forin, N. et al. 2024. New insights on the Xylaria species (Ascomycota, Xylariales) with bright-coloured exudates: Xylaria aurantiorubroguttata sp. nov. and revision of X. haemorrhoidalis and X. anisopleura type collections. IMA fungus. Available at: https://imafungus.biomedcentral.com/articles/10.1186/s43008-024-00168-3 [Accessed November 26, 2024] 【R3-12287】2024/11/26投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ イタリアで採集された菌を検討し、Xylaria aurantiorubroguttataとして新種記載した。 本種は子座に円筒形で長い柄を持つものと球形~類球形で短い柄を持つものの2型があり、未熟時橙色~赤色の滲出物を生じることなどで特徴づけられた。 また、X. haemorrhoidalisとX. anisopleuraのタイプ標本を再検討し、特に前者については記載文とホロタイプの形態が異なることを示した。 Italy, Padova, Botanical Garden (新種) Xylaria aurantiorubroguttata N. Forin, Vizzini, M. Amalf & S. Voyron 語源…橙赤色の滴の(未熟な子座の滲出物から) 【よく似た種との区別】 Xylaria globosa 子座が未熟時明橙色の滲出物の滴を生じる 子座の形状が高度に多様であり、類球形~棍棒形、楕円形、洋独楽形または紡錘形で、やや柄を有するか長い柄を有する ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイタリアではなくグアドループ、エクアドルなど汎熱帯的に分布する 本種より”stromatal crust”が厚い 本種より子嚢殻のサイズが大きい 本種より子嚢胞子が長い 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が胞子の全長よりずっと短く、顕著に斜めまたは対角線状で僅かにS字をなす ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria haemorrhoidalis ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイタリアではなく台湾などに分布する 本種より子座のサイズが小さい 本種と異なり子座が”penzigioid”である 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が明瞭にS字状 ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria spinulosa ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイタリアではなく中国などに分布する 本種と異なり子座が棍棒形 本種と異なり子座が柔らかい長い刺に覆われる 本種と異なり子座から幼時橙色の色素を生じない 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が斜め~S字状 本種と異なり分生子が幼時子座から生じない ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria schweinitzii 子座から琥珀橙色の滴を滲出する 子嚢胞子のサイズが類似している 子嚢胞子が倒卵状~楕円形 ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイタリアではなく台湾、エクアドルなど熱帯に分布する 本種より”stromatal crust”が厚い 本種より子嚢殻のサイズが大きい 本種より子嚢胞子のサイズが僅かに小さい 本種と異なり子嚢胞子に斜めで時に僅かにS字状の発芽溝を有する 本種と異なり子実層基部に帯黄色の細胞外小粒を含む ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria scruposa ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイタリアではなくマルティニークなど汎熱帯的に分布する 本種と異なり子座が円筒状紡錘形~槍形 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が幅狭く斜めで直線状~ほとんどの場合僅かにS字状で胞子の全長の半分にわたる ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria polymorpha(マメザヤタケ) ヨーロッパに分布する ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米における分布が知られている 本種より子座のサイズが大きい 本種と異なり子座が円筒状棍棒形~円筒形~箆形 本種と異なり子座に滲出物を欠く 本種より子嚢殻のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が非常に長く直線状~僅かに斜めである ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Xylaria anisopleura (Mont.) Fr. ヒメツクシタケ (その他掲載種) Xylaria haemorrhoidalis Berkeley & Broome 【よく似た種との区別】 Xylaria aurantiorubroguttata ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり台湾などではなくイタリアに分布する 本種より子座のサイズが大きい 本種と異なり子座が”penzigioid”でない 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が明瞭にS字状でない ITS+ACT+TUB+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される