2025年9月5日 (仮訳)フィンランド産の稀で危機に瀕した多孔菌類の新産種 Niemelä, T., Kotiranta, H. & Penttilä, R. 1992. New records of rare and threatened polypores in Finland. Karstenia. Available at: https://www.funga.fi/Karstenia/Karstenia%2032-2%201992-5.pdf [Accessed September 5, 2025] 【R3-13138】2025/9/5投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ フィンランドから希少で絶滅危惧種の多孔菌類を報告した。 そのうちAntrodia sitchensis、Ceriporiopsis balaenae、およびFunalia trogiiはフィンランド新産種となった。 また、Perenniporia tenuis var. pulchellaは100年以上ぶりにフィンランドで再発見された。 (フィンランド新産種) Antrodia sitchensis (D.V. Baxter) Gilbertson & Ryvarden 【よく似た種との区別】 Antrodia serialis 子実体の形態が類似する(幼時、まだ薄い時) 本種と異なり顕著な芳香を欠く Perenniporia subacida 偽傘の縁が明褐色 孔口がクリーム色 本種と異なり担子胞子がより等径で截断状 本種と異なり担子胞子がメルツァー試薬で強く染色される 本種と異なり担子胞子がコットンブルーで強く染色される 本種と異なり菌糸が強いデキストリノイドである 本種と異なり菌糸がシアノフィリックである Amyloporia crassa 子実体が内部でチョーク状の塊に崩壊する シスチジオールが鋭い 菌糸の配列が類似する 本種と異なり偽傘をほとんど形成しない 本種と異なり偽傘を形成しても褐色にならない 本種と異なり孔口面が白色 本種と異なり子実体に顕著な芳香を欠く 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり子実体の切片をマウントした時に油滴を滲出する 本種と異なり骨格菌糸がKOH下で膨大し、乱雑で透明な物質になって溶解する (その他掲載種) Antrodiella citrinella Niemelä & Ryvarden (その他掲載種) Antrodiella parasitica Vampola 【よく似た種との区別】 Antrodiella semisupina(ニカワオシロイタケ) シスチジオールが薄壁 本種と異なり針葉樹に生息しない 本種と異なり子実体が完全に背着生でない 本種より子実体形成菌糸層が厚い 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子がほぼソーセージ形で腹側が凹む 本種と異なりシスチジオールを欠く 本種より骨格菌糸の幅が広い 本種と異なり骨格菌糸がいくぶん並行に配列する (ヨーロッパ、フィンランド新産種) Ceriporiopsis balaenae Niemelä 【よく似た種との区別】 Ceriporiopsis aneirina 本種と異なり管孔が非常に脆いという特徴を欠く 本種と異なり子実体形成菌糸層が非常に脆いという特徴を欠く Ceriporiopsis resinascens 本種と異なり管孔が非常に脆いという特徴を欠く 本種と異なり子実体形成菌糸層が非常に脆いという特徴を欠く (フィンランド新産種) Funalia trogii (Berkeley) Bondartsev & Singer 【よく似た種との区別】 Trametes hirsuta(アラゲカワラタケ) 本種より子実体が薄い 本種と異なり孔口層が成熟時灰色である 本種より孔口のサイズが小さい Funalia gallica 形態的に類似している(しばしば混同される) 本種より子実体が暗色 本種より孔口のサイズがずっと大きい 本種より肉が特に暗色 本種より担子胞子のサイズが大きい (その他掲載種) Perenniporia tenuis var. pulchella (Schweinitz) Gilbertson & Ryvarden 【よく似た種との区別】 Perenniporia medulla-panis(ウスキアナタケ) 担子胞子が強いIKI+赤色 担子胞子が強いCB陽性 本変種と異なり子実体がほぼ白色 本変種と異なり管孔深部が微かに鮭肉色または橙色を帯びる 本変種と異なり骨格菌糸が非デキストリノイド 本変種と異なり骨格菌糸がCB陰性またはごく微かにCB陽性 Perenniporia subacida 本変種と異なり子実体が新鮮時クリーム白色で乾燥時黄褐色に変化する 本変種と異なり子実体が硬い木質で重く感じるのではなく軟らかいコルク質で軽量である 本変種より担子胞子のサイズが小さい 本変種より菌糸の幅が広い 本変種と異なり菌糸がかなり厚壁 本変種と異なり菌糸に非常に幅広いルーメンを有する Perenniporia tenuis 本変種と異なり骨格菌糸が凝集する 本変種より骨格菌糸の幅が狭い 本変種と異なり骨格菌糸が波打つ 本変種と異なり担子胞子がIKIで微かに赤色を帯びるかほぼ呈色しないのではなく強い赤褐色に染まる (その他掲載種) Piloporia sajanensis (Parmasto) Niemelä (その他掲載種) Polyporus pseudobetulinus (Murashkinsky ex Pilát) Thorn, Kotiranta & Niemelä カンバタケモドキ (その他掲載種) Skeletocutis lilacina A. David & Jean Keller (その他掲載種) Tyromyces canadensis (Overholts ex J. Lowe) J. Lowe 【よく似た種との区別】 Tyromyces chioneus(オシロイタケ) 肉の菌糸がほぼ識別不能なほど類似している