(仮訳)Prunus属樹木の壊死した材に関連するPhaeoacremonium属新種
Damm, U. et al. 2008. Novel Phaeoacremonium species associated with necrotic wood of Prunus trees. Persoonia. Available at: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2865348/ [Accessed November 14, 2024] 【R3-12251】2024/11/14投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

南アフリカで採集されたPrunus属樹木の材から分離されたPhaeoacremonium属14種を検討した。
そのうちP. fuscumなど5種を新種記載し、これまでブドウの病原菌として知られていた多くの種がサクラ属樹木も宿主とすることを示した。
接種試験では特にTogninia parasiticaがアンズやプラムに対して強い病原性を示した。
South Africa, Limpopo province, Mookgopong

(新種)

Phaeoacremonium fuscum L. Mostert, Damm & Crous
語源…暗褐色の(コロニーの色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeoacremonium inflatipes
コロニーが灰褐色
コロニーの生長速度の範囲が重なる
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium iranianum
南アフリカに分布する
同じサクラ属樹木を宿主とする
コロニーが灰褐色
コロニーの生長速度の範囲が重なる
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium krajdenii
コロニーが灰褐色
コロニーの生長速度の範囲が重なる
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium sphinctrophorum
コロニーが灰褐色
コロニーの生長速度の範囲が重なる
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium venezuelense
コロニーが灰褐色
菌糸体が橙褐色
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィアライドが主にタイプIおよびタイプIIではなく主にタイプIIIである
本種と異なりフィアライドがしばしば淡橙褐色ではなく無色
本種と異なり最大生長温度が37°Cではなく40°C
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, Western Cape province, Bonnievaleg

(新種)

Phaeoacremonium pallidum Damm, L. Mostert & Crous
語源…淡色の(コロニーの色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeoacremonium angustius
フィアライドが主にタイプIIである
タイプIIフィアライドが舟形または類円筒形
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なりOA培地でのコロニーが白色でない
本種と異なり生育適温が20°Cでない
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Togninia vibratilis
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィアライドをタイプIからIIIまで全て有するのに対してタイプIおよびIIを有する
本種と異なり生育適温が20°Cでない
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, Limpopo province, Mookgopong

(新種)

Phaeoacremonium prunicolum L. Mostert, Damm & Crous
語源…サクラ属に生息する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeoacremonium novae-zealandiae
MEA培地でのコロニーがオリーブ灰色
nrSSUおよびTUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子が短い
本種と異なりOA培地で黄色色素を産生する
nrSSUおよびTUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, Western Cape province, Montagu

(新種)

Togninia africana Damm, L. Mostert & Crous
語源…アフリカの
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeoacremonium angustius
フィアライドが主にタイプI
コロニーが淡色
OA培地で黄色色素を産生する
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりOA培地でのコロニーが帯オリーブ黄褐色ではなく黄白色~灰赤色
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium subulatum
南アフリカに分布する
同じサクラ属樹木を宿主とする
タイプIIおよびIIIフィアライドが頂部に向かって先細りになる
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Togninia viticola
南アフリカに分布する
同じサクラ属樹木を宿主とする
子嚢殻のサイズが類似している
子嚢胞子が楕円形
nrSSUおよびTUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢殻頸部が1つではなく1-3つ
本種と異なり子嚢胞子が主に直線状ではなく屈曲することもある
nrSSUおよびTUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, Limpopo province, Mookgopong

(新種)

Togninia griseo-olivacea Damm, L. Mostert & Crous
語源…灰オリーブ色(コロニーの色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeoacremonium australiense
南アフリカに分布する
同じサクラ属樹木を宿主とする
コロニーの中央部が帯褐色で黄褐色のリングをあらわす
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりOA培地で黄色色素を産生する
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Togninia novae-zealandiae
コロニーの中央部が帯褐色で黄褐色のリングをあらわす
nrSSUおよびTUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢が長い
本種と異なりOA培地で黄色色素を産生する
nrSSUおよびTUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Togninia parasitica
南アフリカに分布する
同じサクラ属樹木を宿主とする
コロニーの中央部が帯褐色で黄褐色のリングをあらわす
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢胞子が楕円形~腎臓形ではなく通常ソーセージ形
本種より分生子柄が長い
本種と異なりフィアライドが主にタイプIIIである
本種と異なり菌糸に顕著な疣を有するという特徴を欠く
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Togninia argentinensis
子嚢が短い
子嚢胞子が短い
子嚢胞子が楕円形~長楕円形
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Togninia austroafricana
子嚢胞子が楕円形~長楕円形
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Togninia fraxinopennsylvanica
南アフリカに分布する
同じサクラ属樹木を宿主とする
子嚢のサイズが類似している
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が楕円形~長楕円形
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢殻の平均サイズが大きい
本種より子嚢殻頸部が長い
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(南アフリカ新産種)

Phaeoacremonium australiense L. Mostert, Summerbell & Crous
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeoacremonium griseo-olivacea
南アフリカに分布する
同じサクラ属樹木を宿主とする
コロニーの中央部が帯褐色で黄褐色のリングをあらわす
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりOA培地で黄色色素を産生しない
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(南アフリカ新産種)

Phaeoacremonium iranianum L. Mostert, Gräfenhan, W. Gams & P.W. Crous
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeoacremonium fuscum
南アフリカに分布する
同じサクラ属樹木を宿主とする
コロニーが灰褐色
コロニーの生長速度の範囲が重なる
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(南アフリカ新産種)

Togninia fraxinopennsylvanica (T.E. Hinds) Georg Hausner, Eyjólfsdóttir & J. Reid
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Togninia griseo-olivacea
南アフリカに分布する
同じサクラ属樹木を宿主とする
子嚢のサイズが類似している
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が楕円形~長楕円形
TUB+ACTに基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢殻の平均サイズが小さい
本種より子嚢殻頸部が短い
TUB+ACTに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(南アフリカ新産種)

Phaeoacremonium griseorubrum L. Mostert, Summerbell & Crous
mycobank_logoSpecies_Fungorum