(仮訳)イタリアのアルプスに産した新種Otidea saliceticola
Carbone, M., Cartabia, M. & Alvarado, P. 2017. Otidea saliceticola (Pezizales) a new species from the Italian Alps. Ascomycete.org. Available at: https://ascomycete.org/Portals/0/Archives/AscomyceteOrg%2009-06%20215-224.pdf [Accessed July 17, 2024] 【R3-11891】2024/7/17投稿

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3行まとめ

イタリア、ピエモンテ州のアルプス山脈で採集された菌を検討し、Otidea saliceticolaとして新種記載した。
本種は子嚢盤が小型で褐色、基部に新鮮時白色の菌糸体を伴い、近縁種とは子嚢胞子のサイズや形状が異なっていた。
分子系統解析では、本種はbufoniaクレードの種と類縁関係にあった。
Italy, Baceno (VB), Alpe Devero

(新種)

Otidea saliceticola Cartabia, M. Carbone & P. Alvarado
語源…ヤナギ属に生息する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Otidea bufonia(ウズマキワンタケ)
イタリアに分布する
形態的に類似している(この種の小型のものに類似している)
子嚢盤が褐色
托髄層の菌糸隔壁に樹脂状の褐色の滲出物を伴う
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィンランドにおける分布が知られている
本種と異なりコナラ属、マツ属、トウヒ属、モミ属、ハンノキ属、カバノキ属の樹下などに発生する
本種より子嚢盤のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のQ値が大きい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Otidea mirabilis
イタリアに分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり針葉樹の樹下などに発生する
本種より子嚢盤のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のQ値が大きい
本種と異なり托髄層の菌糸隔壁に樹脂状の褐色の滲出物を伴うのではなく伴わないか結晶状滲出物を伴う
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Otidea smithii(ニセジョウゴタケ)
子嚢胞子のQ値が比較的小さい
托髄層の菌糸隔壁に樹脂状の褐色の滲出物を伴うことがある
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなく北米西部のみに分布する
本種と異なり子嚢盤が褐色ではなく暗紫褐色
本種と異なり子嚢胞子が多様な形状をとるのではなく楕円形~類紡錘形である
本種と異なり托髄層の菌糸隔壁に樹脂状の褐色の滲出物を伴うことが稀である
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Otidea brunneoparva
子嚢盤が小型
子嚢盤が褐色
本種と肉眼的形態が明らかに異なる
本種と顕微鏡的形態が明らかに異なる
本種と遺伝的プロファイルが明らかに異なる