2020年1月26日 (仮訳)アジア発:菌類群集の生物地理学により明らかになったLaccaria amethystina複合種の多様化のアジア起源、および紫色のキツネタケ属菌の2新種 Vincenot, L. et al., 2017. Out of Asia: Biogeography of fungal populations reveals Asian origin of diversification of the Laccaria amethystina complex, and two new species of violet Laccaria. Fungal Biology. Available at: https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1878614617301046 [Accessed January 26, 2020] 【R3-06990】2020/1/26投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ SSRマイクロサテライトマーカーを用いた集団遺伝学的手法により、Laccaria amethystina複合種の地理的起源の中心が現生の中国の群集に最も近縁であることを示した。 また、その解析結果を基に、中国雲南省産のL. moshuijunおよび日本(富士山・十勝岳)産のL. japonicaの2新種を記載した。 これら3種は肉眼的形態が互いに非常に類似していたが、担子胞子の形状や縁シスチジアの有無などが異なっていた。 中国雲南省楚雄市禄豊付近 (新種) Laccaria moshuijun Popa & Yang 語源…雲南省での呼称より(墨水菌?) 【よく似た種との区別】 Laccaria japonica 東アジアに分布する 形態的に非常に類似している ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本に分布する 本種と異なり撹乱地に生じる傾向がある 本種と異なり子実体が青色を帯びるという特徴を欠く 本種と異なり担子胞子が球形ではなく類球形 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形、屈曲状二叉分岐または三叉分岐~頭状ではなく円筒形、棍棒形~屈曲状 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria amethystina(ウラムラサキ) 形態的に非常に類似している 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種と宿主範囲が僅かに異なる 本種と異なり縁シスチジアを欠く Laccaria amethysteo-occidentalis 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種と異なり縁シスチジアを欠く 富士山 (新種) Laccaria japonica Popa & Nara 語源…日本の 【よく似た種との区別】 Laccaria moshuijun 東アジアに分布する 形態的に非常に類似している ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本ではなく中国に分布する 本種と異なり撹乱地に生じる傾向が知られていない 本種と異なり子実体が青色を帯びる 本種と異なり担子胞子が類球形ではなく球形 本種と異なり縁シスチジアが円筒形、棍棒形~屈曲状ではなく棍棒形、屈曲状二叉分岐または三叉分岐~頭状 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria amethystina(ウラムラサキ) 形態的に非常に類似している 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種と宿主範囲が僅かに異なる 本種と異なりin vitroで培養不能 Laccaria amethysteo-occidentalis 形態的に非常に類似している 本種と異なり日本ではなく北米などに分布する