2014年1月5日 (仮訳)スペインでユーカリ属の樹下に見出されたDiscinella terrestris種複合体中の2独立種、新組み合わせPhaeohelotium undulatumおよび新種Phaeoh. succineoguttulatum:分類、分子生物学、生態および分布 Baral, H. et al., 2013. Phaeohelotium undulatum comb. nov. and Phaeoh. succineoguttulatum sp. nov., two segregates of the Discinella terrestris aggregate found under Eucalyptus in Spain: taxonomy, molecular biology, ecology and distribution. Mycosystema. Available at: http://www.cabdirect.org/abstracts/20133230260.html [Accessed November 10, 2013]. 【R3-00236】2014/01/05投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ スペインでユーカリ属の樹下から、Discinella terrestris種複合体に含まれる2種を採集した。 それぞれをPhaeohelotium undulatum(新組み合わせ)およびPhaeohelotium succineoguttulatum(新種)として記載した。 分子系統解析の結果、Phaeohelotium属が側系統群であることが明らかになったほか、分子系統解析の結果に基づいて複数の新組み合わせを提唱した。 Spain, Asturias, Castrillón, Avilés, La Candaliega, Quiloño (新種) Phaeohelotium succineoguttulatum Baral, R. Galán, R. Tena & E. Rubio 【よく似た種との区別】 Phaeohelotium undulatum 形態的な違いがほとんど見られない 子嚢のサイズが類似している 子嚢胞子のサイズが類似している 子嚢胞子の内容物に違いが見られない ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢盤が群生する傾向がある 本種より子嚢盤のサイズが小さい 本種と異なり子嚢盤が黄褐色ではなく黄色(ただし老成した子嚢盤は黄褐色になることもある) 本種より子嚢盤の柄が細い 本種と異なり子嚢が非アミロイドではなくアミロイド 本種より成熟した子嚢胞子が褐色になる傾向が少ない 本種より成熟した褐色の子嚢胞子の数が少ない 本種と異なり側糸上部に黄褐色球形の内容物(バスキュラーボディ)を多く含む 本種と異なり側糸下部および子実下層に黄色の油滴を含まない 本種より側糸の末端細胞が長い傾向がある 本種と異なり子実下層が僅かにゼラチン化する 側面の外皮層の角度が本種よりも低く、そのため外皮髄層との境が明瞭でない 本種と異なり外皮髄層が僅かにゼラチン化する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列の類似度93%) Phaeohelotium readeri 子嚢の頂部の壁が非アミロイド 本種と異なり子嚢に鉤状突起を持つ (新組み合わせ) Phaeohelotium undulatum (Rodway) Baral, R. Galán & R. Tena 旧名:Pseudohelotium undulatum Rodway 【よく似た種との区別】 Phaeohelotium succineoguttulatum 形態的な違いがほとんど見られない 子嚢のサイズが類似している 子嚢胞子のサイズが類似している 子嚢胞子の内容物に違いが見られない ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢盤が群生しない傾向がある 本種より子嚢盤のサイズが大きい 本種と異なり子嚢盤が黄色ではなく黄褐色(ただし本種も老成した子嚢盤は黄褐色になることもある) 本種より子嚢盤の柄が太い 本種と異なり子嚢がアミロイドではなく非アミロイド 本種より成熟した子嚢胞子が褐色になる傾向がある 本種より成熟した褐色の子嚢胞子の数が多い 本種と異なり側糸上部に黄褐色球形の内容物(バスキュラーボディ)を含まない 本種と異なり側糸下部および子実下層に黄色の油滴を含む 本種より側糸の末端細胞が短い傾向がある 本種と異なり子実下層がゼラチン化しない 側面の外皮層の角度が本種よりも高く、そのため外皮髄層との境が明瞭 本種と異なり外皮髄層がゼラチン化しない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列の類似度93%) (新組み合わせ) Phaeohelotium confusum (Dennis) Baral & P.R. Johnst. 旧名:Discinella confusa Dennis 【よく似た種との区別】 Phaeohelotium baileyanum 子嚢のサイズの範囲が重なる 子嚢のアピカルリングがアミロイド 子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 本種と異なりオーストラリアに分布する 本種と異なりナンキョクブナ属ではなくユーカリ属の樹下に発生する 本種より子嚢が僅かに幅広い 本種より子嚢胞子が僅かに幅広い Phaeohelotium readeri 本種と異なり子嚢の頂部の壁が非アミロイド (新学名) Phaeohelotium baileyanum Baral & R. Galán 旧名:Helotium terrestre Berk. & Broome 【よく似た種との区別】 Phaeohelotium readeri 同じDiscinella terrestris種複合体に含まれる 子嚢に鉤状突起を持つ 子嚢胞子が顕著な紡錘形 はっきりと視認できる油滴を含む 本種より子嚢が短い 本種と異なり子嚢頂部の壁が非アミロイド 本種より子嚢胞子が短い Phaeopezia ochracea 子嚢胞子が紡錘形~レモン形で非常に類似している 本種より明るい帯オリーブ褐色~明褐色の子嚢胞子の頻度が多い 子嚢胞子のサイズが本種より長い傾向がある 子嚢胞子の幅が本種より狭い傾向がある Phaeohelotium confusum 子嚢のサイズの範囲が重なる 子嚢のアピカルリングがアミロイド 子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 本種と異なり分布域がニュージーランドに限られる 本種と異なりユーカリ属ではなくナンキョクブナ属の樹下に発生する 本種より子嚢の幅が僅かに狭い 本種より子嚢胞子の幅が僅かに狭い (新組み合わせ) Phaeohelotium readeri (Rehm) Baral 旧名:Aleurina readeri Rehm 【よく似た種との区別】 Phaeohelotium baileyanum 同じDiscinella terrestris種複合体に含まれる 子嚢に鉤状突起を持つ 子嚢胞子が顕著な紡錘形 はっきりと視認できる油滴を含む 本種より子嚢が長い 本種と異なり子嚢の頂部の壁がアミロイド 本種より子嚢胞子が僅かに長い Phaeohelotium confusum 本種と異なり子嚢の頂部の壁がアミロイド Phaeohelotium succineoguttulatum 子嚢の頂部の壁が非アミロイド 本種と異なり子嚢に鉤状突起を欠く (新組み合わせ) Phaeohelotium tamaricis (R. Galán, Baral & A. Ortega) Baral, R. Galán & G. Platas 旧名:Hymenoscyphus tamaricis R. Galán (新組み合わせ) Phaeohelotium fulvidulum (Boud.) Baral & Declercq 旧名:Pachydisca fulvidula Boud. (新組み合わせ) Cyathicula amenti (Batsch) Baral & R. Galán 旧名:Peziza amenti Batsch 【よく似た種との区別】 Cyathicula coronata 子嚢頂部の構造がHymenoscyphus型 側糸が円筒形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Chloroscypha flavida (Kanouse & A.H. Sm.) Baral 旧名:Gelatinodiscus flavidus Kanouse & A.H. Sm. (新組み合わせ) Calycina languida (P. Karst.) Baral, R. Galán & G. Platas 旧名:Pezizella languida (P. Karst.) Svrček & Kubička 【よく似た種との区別】 Calycina herbarum 形態的に類似している 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子に隔壁が生じる 本種と異なり子嚢胞子に2個の油滴を含まない (新組み合わせ) Calycina claroflava (Grev.) Baral, R. Galán & G. Platas 旧名:Peziza claroflava Grev. (新組み合わせ) Calycina drosodes (Rehm) Baral & Declercq 旧名:Helotium drosodes Rehm (新組み合わせ) Calycina lactea (Ellis & Everh.) Baral, R. Galán & G. Platas 旧名:Helotium lacteum Ellis & Everh. (新組み合わせ) Calycina languida (P. Karst.) Baral, R. Galán & G. Platas 旧名:Peziza languida P. Karst. (新組み合わせ) Calycina scolochloae (De Not.) Baral 旧名:Helotium scolochloae De Not. (新組み合わせ) Calycina subcitrina (Velen.) Baral 旧名:Helotium subcitrinum Velen. (その他掲載種) Phaeopezia ochracea Massee & Rodway ※本種のレクトタイプ指定を行った。 【よく似た種との区別】 Phaeohelotium baileyanum 子嚢胞子が紡錘形~レモン形で非常に類似している 本種より明るい帯オリーブ褐色~明褐色の子嚢胞子の頻度が少ない 子嚢胞子のサイズが本種より短い傾向がある 子嚢胞子の幅が本種より広い傾向がある その他の分類学的措置 GelatinodiscusをChloroscyphaのシノニムとした。 CudoniellaとPhaeohelotiumは現状では明瞭に区別することが難しく、さらなる研究が必要だとした。