Cirrenalia属およびCumulospora属のアナモルフ菌の系統分類学的検討および8新属4新種の記載

Abdel-Wahab, MA. et al., 2010. Phylogenetic evaluation of anamorphic species of Cirrenalia and Cumulospora with the description of eight new genera and four new species. Mycological. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-010-0661-x [Accessed October 26, 2016].
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3行まとめ
  1. エジプトおよび日本で採集された螺旋状の分生子を形成するアナモルフ菌を検討した。
  2. 分子系統解析の結果、Cirrenalia属およびCumulospora属の多系統性が明らかになったことから、8新属6新組み合わせを提唱した。
  3. また、螺旋状の胞子を形成する海生菌の属レベルの検索表を掲載した。
掲載種 (12)
NEW(新種)
Halazoon melhae↗
Abdel-Aziz, Abdel-Wahab & Nagah.
語源…(属名)アラビア語で「螺旋」(分生子の形状から)/(種小名)アラビア語で「海水中で生育する」
📍Egypt, Port Said, Mediterranean Sea coast地図で開く ↗
比較 (2)
✕本種と異なりエジプトではなくタイなどに分布する
✕本種より分生子のサイズが小さい
✕本種と異なり分生子が帯赤褐色ではなく暗褐色~黒色
✕本種と異なり分生子が基部から頂部にかけてサイズを増し、色が濃くなるという特徴を欠く
✕本種と異なり分生子のコイル数が1/2-6ではなく1-3
↗
○分生子の発達初期の形態が類似している
✕本種と異なりエジプトではなく日本などに分布する
✕本種と異なり分生子の細胞がコイル状で球をなすという特徴を欠く
NEW(新種)
Moleospora maritima
Abdel-Wahab, Abdel-Aziz & Nagah.
語源…(属名)塊の胞子(分生子の形状から)/(種小名)海の
📍Egypt, Port Said, Mediterranean Sea coast地図で開く ↗
比較 (3)
↗
○海生菌である
○分生子が幼時コイル状で成熟すると塊をなす
○分生子に数百の小さな細胞が含まれる
✕本種より分生子のサイズが小さい
✕本種と異なり分生子が黒色でない
✕本種と異なり分生子が未熟な子嚢果あるいは菌核様でない
✕ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ルルワーシア科ではなくズキンタケ科クレードに含まれる)
↗
○海生菌である
○エジプトに分布する
○分生子が幼時コイル状で成熟すると塊をなす
✕本種と異なり熱帯~温帯に広く分布する
✕本種より分生子のサイズが小さい
✕本種と異なり分生子が黒色でない
✕本種と異なり分生子が未熟な子嚢果あるいは菌核様でない
↗
○エジプトに分布する
○海生菌である
○分生子が幼時コイル状で成熟すると塊をなす
✕本種と異なり日本およびタイにおける分布が知られている
✕本種より分生子のサイズが小さい
✕本種と異なり分生子が黒色でない
✕本種と異なり分生子が未熟な子嚢果あるいは菌核様でない
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードBではなくDに含まれる)
NEW(新種)
Moheitospora fruticosae
Abdel-Wahab, Abdel-Aziz & Nagah.
語源…(属名)アラブ語で「海」+胞子/(種小名)Suaeda fruticosaの
📍Egypt, Mediterranean Sea地図で開く ↗
比較 (3)
↗
○分生子のサイズの範囲が重なる
✕本種と異なりエジプトではなく中国などに分布する
✕本種と異なり海生ではなく土壌から分離される
✕本種と異なり分生子の細胞数が通常0-2ではなく2-3
✕本種と異なり分生子の細胞同士の結合部に帯を有するという特徴を欠く
✕本種と異なり分生子がゼラチン質の鞘に包まれるという特徴を欠く
○nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる)
✕本種と異なりエジプトではなく日本に分布する
✕本種より分生子の細胞のサイズがずっと小さい
✕本種より分生子の細胞数が多い
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
○海生菌である
○分生子のサイズが類似している
○分生子の形状が類似している
○分生子が成熟すると石垣状に見える
○nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる)
✕本種と異なりエジプトではなく米国に分布する
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
NEW(新種)
Glomerulispora mangrovis
Abdel-Wahab & Nagah.
語源…(属名)小塊の胞子/(種小名)マングローブの
📍沖縄県東村慶佐次湾地図で開く ↗
比較 (3)
○nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる)
✕本種と異なり日本ではなくエジプトに分布する
✕本種より分生子の細胞のサイズがずっと大きい
✕本種より分生子の細胞数が少ない
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
○nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる)
✕本種と異なり日本ではなく米国に分布する
✕本種より分生子の細胞のサイズがずっと大きい
✕本種より分生子の細胞数が少ない
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
↗
○nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる)
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
その他掲載種(その他掲載種)
Cirrenalia macrocephala↗
(Kohlm.) Meyers & R.T. Moore
COMB(新組み合わせ)
Halazoon fuscus
(I. Schmidt) Abdel-Wahab, K.L. Pang
旧名:Cirrenalia fusca I. Schmidt.
比較 (2)
↗
○分生子の発達初期の形態が類似している
✕本種と異なり日本などではなくエジプトに分布する
✕本種と異なり分生子の細胞がコイル状で球をなす
↗
○分生子頂部の細胞の形態が類似している
✕本種と異なり分生子が暗色に着色しない
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCではなくクレードIに含まれる)
COMB(新組み合わせ)
Hydea pygmea↗
(Kohlm.) K.L. Pang & E.B.G. Jones
語源…(属名)Kevin Hyde博士に献名
旧名:Cirrenalia pygmea Kohlm.
比較 (1)
↗
○分生子頂部の細胞の形態が類似している
✕本種と異なり分生子が暗色に着色する
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIではなくクレードCに含まれる)
COMB(新組み合わせ)
Matsusporium tropicale↗
(Kohlm.) E.B.G. Jones & K.L. Pang
語源…(属名)媽祖(中国の海の女神、海生菌であることから)+胞子
旧名:Cirrenalia tropicalis Kohlm.
比較 (1)
↗
○nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードHに含まれる)
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
COMB(新組み合わせ)
Moheitospora adarca
(Kohlm., Volkm.-Kohlm. & O.E. Erikss.) Abdel-Wahab, Abdel-Aziz & Nagah.
旧名:Cirrenalia adarca Kohlm., Volkm.-Kohlm. & O.E. Erikss.
比較 (2)
○海生菌である
○分生子のサイズが類似している
○分生子の形状が類似している
○分生子が成熟すると石垣状に見える
○nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる)
✕本種と異なり米国ではなくエジプトに分布する
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
○nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる)
✕本種と異なり米国ではなく日本に分布する
✕本種より分生子の細胞のサイズがずっと小さい
✕本種より分生子の細胞数が多い
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
その他掲載種(その他掲載種)
Cumulospora marina↗
I. Schmidt
比較 (1)
↗
○海生菌である
✕本種と異なり分生子がロゼット状ではなく石垣状または不規則な螺旋状
✕本種と異なり分生子の細胞が小型の基部の細胞および大型の頂部の細胞などに分化するのではなく球形で互いにいくぶん類似している
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードGではなくDに含まれる)
COMB(新組み合わせ)
Moromyces varius↗
(Chatmala & Somrith.) Abdel-Wahab, K.L. Pang, Nagah., Abdel-Aziz & E.B.G. Jones
語源…(属名)ウェールズ語で「海」+菌
旧名:Cumulospora varia Chatmala & Somrith.
比較 (3)
↗
○海生菌である
✕本種と異なり分生子が石垣状または不規則な螺旋状ではなくロゼット状
✕本種と異なり分生子の細胞が球形で互いにいくぶん類似しているのではなく小型の基部の細胞および大型の頂部の細胞などに分化する
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードDではなくGに含まれる)
✕本種と異なり分生子が初めコイル状でのちにもつれた結び目状をなすのではなく顕著なコイル状
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードDではなくAに含まれる)
○エジプトに分布する
○海生菌である
○海生菌である
○分生子が幼時コイル状で成熟すると塊をなす
✕本種と異なり日本およびタイにおける分布が知られていない
✕本種より分生子のサイズが大きい
✕本種と異なり分生子が黒色
✕本種と異なり分生子が未熟な子嚢果あるいは菌核様
✕nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードDではなくBに含まれる)
COMB(新組み合わせ)
Hiogispora japonica
(Sugiy.) Abdel-Wahab & Nagah.
語源…(属名)日本語の「檜扇」+胞子(分生子の形状から)
旧名:Cirrenalia japonica Sugiyama
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