ヨーロッパ産の地衣の新種Psora mediterranea、およびP. himalayanaの新概念とヨーロッパ産の種の改訂版検索表
Evankow, AM. et al. 2025. Psora mediterranea (Lecanorales, Psoraceae), a new lichen species from Europe, including a new concept for P. himalayana and a revised key to the European species. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-025-02045-8 [Accessed March 30, 2025]
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3行まとめ
- 従来Psora pseudorusselliiと誤同定されていた地衣の一種を検討し、P. mediterraneaとして新種記載した。
- また、本新種の姉妹種であるヒマラヤ産のP. himalayanaのエピタイプ標本を指定した。
- ヨーロッパ産Psora属地衣の改訂版検索表を掲載し、カイガラゴケ科を再定義するとともにグリフォペルティス科を提唱した。
掲載種 (11)
NEW(新種)
Psora mediterranea
語源…地中海の
Greece, Samos, Mt. Proftis Ilias, near the summit 37.75000, 26.83333地図で開く ↗
比較 (3)
形態的に類似している(従来誤同定されてきた)
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種ほど子器が暗色でなく、赤色を帯びる傾向がある
本種と異なりギリシャ、スペイン、イタリアではなくカナダ~メキシコに分布する
本種ほど子器縁部が明瞭でない
本種と異なり子器盤が扁平~中程度に凸形でない
本種より子嚢胞子のサイズがやや小さい
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりギリシャ、スペイン、イタリアではなく中央アジア山岳地域に分布する
本種と異なり岩上生ではなく地上生
本種と異なり子器が暗褐色~黒色
本種と異なり子器盤が顕著な凸形~半球形
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
ヨーロッパに分布する
地衣体の鱗片の縁部が白色
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体の鱗片が褐色ではなく淡灰色~帯オリーブ緑色
本種と異なり子器が葉央ではなく葉縁に生じる
本種と異なり子器が褐色~帯赤褐色ではなく橙褐色
本種と異なり地衣成分を欠くのではなく有する(アトラノリン)
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
その他掲載種(その他掲載種)
Psora himalayana↗
※本種のエピタイプ標本を指定した。
Pakistan, Karakorum, Baltistan, Haramosh Range, ‘Alm’ Pakora SE Ganto La 35.68333, 75.35000地図で開く ↗
その他掲載種(その他掲載種)
Psora decipiens↗
比較 (1)
ヨーロッパに分布する
子器が葉縁に生じる
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体の鱗片が橙色~赤色で縁部がしばしば白色なのではなく淡桃色で縁部が同色
本種と異なり地衣体の鱗片が円鋸歯状で直線状~僅かに上に反るという特徴を欠く
本種と異なり地衣成分として髄層にノルスチクチン酸とヒポサラジン酸、しばしばヒポスチクチン酸を含むのではなく何も含まない
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
その他掲載種(その他掲載種)
Psora globifera↗
比較 (2)
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(混同されることが多い)
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層にアントラキノン類を含まない
本種と異なり子実下層に蓚酸カルシウムを含まない
本種と異なり上皮層に藻類の残渣を含まない
本種と粉子器が無柄か埋生するかが異なる
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
ヨーロッパに分布する
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体の鱗片が斜上し部分的に瓦重ね状になり、縁部が直線状または僅かに斜上するのではなく固着し縁部が斜上する
本種より地衣体の鱗片の最大直径が小さい
本種と異なり地衣体の鱗片の縁部が同色ではなく灰色
本種と異なり子器が暗褐色~黒色ではなく黒色
本種と異なり地衣成分として髄層に何も含まないのではなく含む(ノルスチクチン酸)
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
その他掲載種(その他掲載種)
Psora gresinonis↗
比較 (1)
ヨーロッパに分布する
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体の鱗片が固着し縁部が斜上するのではなく斜上し部分的に瓦重ね状になり、縁部が直線状または僅かに斜上する
本種より地衣体の鱗片の最大直径が大きい
本種と異なり地衣体の鱗片の縁部が灰色ではなく同色
本種と異なり子器が黒色ではなく暗褐色~黒色
本種と異なり地衣成分として髄層に含む(ノルスチクチン酸)のではなく何も含まない
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
その他掲載種(その他掲載種)
Psora saviczii↗
[= Lecidea saviczii]
比較 (1)
ヨーロッパに分布する
子器が葉縁に生じる
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体の鱗片が淡桃色で縁部が同色なのではなく橙色~赤色で縁部がしばしば白色
本種と異なり地衣体の鱗片が円鋸歯状で直線状~僅かに上に反る
本種と異なり地衣成分として髄層に何も含まないのではなくノルスチクチン酸とヒポサラジン酸、しばしばヒポスチクチン酸を含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
その他掲載種(その他掲載種)
Psora taurensis
比較 (2)
地衣成分として地衣体にノルスチクチン酸を含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体の鱗片が斜上する
本種より地衣体の鱗片が薄い
本種と異なり地衣成分としてゼオリンを含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している
地衣体の鱗片が固着する
地衣体の鱗片の縁部が白色
地衣体の鱗片が丸い
地衣成分として地衣体にノルスチクチン酸を含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体の鱗片の最大直径が小さい
本種と異なり地衣体の鱗片が斜上しない
本種と異なり子器が帯褐黒色ではなく黒色
本種と異なり子器がやや凸形で幼時縁が不明瞭なのではなく顕著な凸形で初めから縁を欠く
本種と異なり子器に粉霜を伴う
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
その他掲載種(その他掲載種)
Psora testacea↗
比較 (1)
ヨーロッパに分布する
地衣体の鱗片の縁部が白色
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体の鱗片が淡灰色~帯オリーブ緑色ではなく褐色
本種と異なり子器が葉縁ではなく葉央に生じる
本種と異なり子器が橙褐色ではなく褐色~帯赤褐色
本種と異なり地衣成分を有する(アトラノリン)のではなく欠く
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
その他掲載種(その他掲載種)
Psora vallesiaca↗
比較 (2)
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している
地衣体の鱗片が固着する
地衣体の鱗片の縁部が白色
地衣体の鱗片が丸い
地衣成分として地衣体にノルスチクチン酸を含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体の鱗片の最大直径が大きい
本種と異なり地衣体の鱗片が斜上する
本種と異なり子器が黒色ではなく帯褐黒色
本種と異なり子器が顕著な凸形で初めから縁を欠くのではなくやや凸形で幼時縁が不明瞭
本種と異なり子器に粉霜を伴わない
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
地衣成分としてノルスチクチン酸を欠くことがある(その場合識別不能)
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣成分としてノルスチクチン酸を含むことがあるという特徴を欠く
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される