(仮訳)リボソームおよびタンパク質遺伝子による系統解析により明らかになったJuglans regiaとセイヨウイラクサ由来の腐生菌
Pem, D. et al. 2020. Ribosomal and Protein Gene Phylogeny Reveals Novel Saprobic Fungal Species From Juglans regia and Urtica dioica. Frontiers in Microbiology. Available at: https://www.frontiersin.org/journals/microbiology/articles/10.3389/fmicb.2020.01303/full [Accessed March 15, 2025] 【R3-12615】2025/3/15投稿

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3行まとめ

トルコとイタリアにおいてJuglans regiaとセイヨウイラクサに発生した腐生菌を検討した。
複数遺伝子による分子系統解析の結果を基に、Leptosphaeria regiaeNeomicrosphaeropsis juglandis、およびSubplenodomus urticaeの3新種を記載した。
トルコのクルミからのレプトスフェリア科およびディディメラ科菌類の報告は初となり、S. urticaeは本属で初めてイラクサ属植物から見出された種となった。
Turkey, The Middle Kizilirmak river basin, Kirsehir province, Kaman district, Savcili small town

(新種)

Leptosphaeria regiae D. Pem, Selcuk, Jeewon & K.D. Hyde
語源…Juglans regia
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【よく似た種との区別】
Leptosphaeria slovacica
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトルコではなくチェコなどに分布する
本種と異なりBallota nigraなどに生じる
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leptosphaeria cichorium
子嚢果が表在性~半埋生
子嚢果が球形~類球形
子嚢胞子が帯黄褐色
子嚢胞子が紡錘状
子嚢胞子の隔壁数が3
殻壁が”schleroplectenchymatous cells”からなる
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトルコではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりCichorium intybusなどに生じる
本種より子嚢が短い
本種より子嚢の幅が広い
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leptosphaeria italica
子嚢果が表在性~半埋生
子嚢果が球形
子嚢胞子が紡錘形
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトルコではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりJuglans regiaではなくRhamnus alpinusなどに生じる
本種より子嚢が短い
本種より子嚢の幅が広い
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leptosphaeria doliolum
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトルコではなくイングランドなどに分布する
本種より子嚢が長い
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leptosphaeria urticae
子嚢が円筒状棍棒形で短い柄を有する
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトルコではなくイングランドなどに分布する
本種と異なりセイヨウイラクサなどに生じる
本種より子嚢胞子が長い
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく8-9
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leptosphaeria ebuli
子嚢が円筒状棍棒形~円筒形で短い柄を有する
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトルコではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりSambucus ebulusなどに生じる
本種より子嚢果のサイズが小さい
本種より子嚢胞子が長い
本種より子嚢胞子の幅が狭い
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Italy, near Balze – Verghereto (province of Forlì-Cesena (FC))

(新種)

Subplenodomus urticae D. Pem, Camporesi, Jeewon & K.D. Hyde
語源…イラクサ属の
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【よく似た種との区別】
Subplenodomus iridicola
ヨーロッパに分布する
子嚢果が表在性~半埋生
子嚢が広円筒形で棍棒形の柄を有する
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなくイギリスなどに分布する
本種と異なりアヤメ属植物などに生じる
本種より子嚢のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Subplenodomus galiicola
イタリアに分布する
子嚢が広円筒形で棍棒形の柄を有する
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヤエムグラ属植物などに生じる
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種より孔口のサイズが大きい
本種より子嚢のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Turkey, The Middle Kizilirmak river basin, Kirikkale province, Delice district, Çerikli small town

(新種)

Neomicrosphaeropsis juglandis D. Pem, Selcuk, R. Jeewon & K.D. Hyde
語源…クルミ属の
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【よく似た種との区別】
Neomicrosphaeropsis italica
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトルコではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりギョリュウ属植物などに生じる
本種より分生子のサイズが小さい
nrLSU+ITS+nrSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される