(仮訳)Sclerotinia borealisおよびその新変種、subarcticaokhotskana
Saito, I. et al. 2024. Sclerotinia borealis and its varieties, var. subarctica var. nov. and var. okhotskana var. nov. Mycoscience. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/65/6/65_MYC651/_pdf [Accessed February 16, 2025] 【R3-12532】2025/2/16投稿

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3行まとめ

雪腐病菌Sclerotinia borealisの分類学的検討を実施し、本種に対してvar. subarcticaとvar. okhotskanaの2つの新変種を記載した。
これらの新変種は形態形質と低温・低水分環境での生育特性を基に識別された。
基本種は主に農地に広く分布する一方、変種subarcticaは亜北極地域に限って分布し、変種okhotskanaはロシアの北東アジア地域に限って分布していた。
Russia, Oblast, near Magadan

(新変種)

Sclerotinia borealis var. subarctica I. Saito & O. B. Tkachenko
語源…亜北極の
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【よく似た種との区別】
Sclerotinia borealis
ロシアに分布する
同じイチゴツナギ属などイネ科植物を宿主とする
子嚢盤の形態が同一である
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子に8つの核を含む
菌核の形態が同一である
ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本変種と異なり日本、ノルウェーにおける分布が知られている
本変種より子嚢が長い
本変種と異なり小分生子を形成しない
本変種よりPDA培地での菌核の数が多い
本変種より菌核のサイズが小さい
本変種よりコロニーの生長が速い
本変種と異なりコロニーが毛羽立つという特徴を欠く
本変種と異なりコロニーの縁部が不規則形でしばしば波打つという特徴を欠く
本変種と異なり気生菌糸が白色で桃肉桂色を帯びるのではなく純白色
本変種と異なり培養下で高グリセロール濃度でも菌糸の生長にほとんど影響がないという特徴を欠く
Sclerotinia borealis var. okhotskana
ロシアに分布する
子嚢盤の形態が同一である
菌核の形態が同一である
子嚢胞子に8つの核を含む
ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本変種と異なりフダンソウ属、キイチゴ属、ネギ属植物を宿主とする
本変種より子嚢が長い
本変種より子嚢胞子のサイズが小さい
本変種と異なり小分生子を形成しない
本変種よりPDA培地での菌核の数が多い
本変種より菌核のサイズが小さい
本変種よりコロニーの生長が速い
本変種と異なりコロニーの縁部が不規則形でしばしば波打つという特徴を欠く
本変種と異なり気生菌糸が白色で桃肉桂色を帯びるのではなく類白色
本変種と異なり培養下で高グリセロール濃度でも菌糸の生長にほとんど影響がないという特徴を欠く
Russia, Kamchatka Krai, Petropavlovsk-Kamcatsky

(新変種)

Sclerotinia borealis var. okhotskana I. Saito & O. B. Tkachenko
語源…オホーツクの
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【よく似た種との区別】
Sclerotinia borealis var. subarctica
ロシアに分布する
子嚢盤の形態が同一である
菌核の形態が同一である
子嚢胞子に8つの核を含む
ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本変種と異なりフダンソウ属、キイチゴ属、ネギ属植物を宿主としない
本変種より子嚢が短い
本変種より子嚢胞子のサイズが大きい
本変種と異なり小分生子を形成する
本変種よりPDA培地での菌核の数が少ない
本変種より菌核のサイズが大きい
本変種よりコロニーの生長が遅い
本変種と異なりコロニーの縁部が不規則形でしばしば波打つ
本変種と異なり気生菌糸が類白色ではなく白色で桃肉桂色を帯びる
本変種と異なり培養下で高グリセロール濃度でも菌糸の生長にほとんど影響がない
Sclerotinia borealis
ロシアに分布する
子嚢盤の形態が同一である
子嚢の長さの範囲が重なる
子嚢胞子に8つの核を含む
菌核の形態が同一である
コロニーが白色
コロニーの異なる温度での生長パターンが識別できないほど類似している
コロニーの低水分活性条件での生長パターンが識別できないほど類似している
ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本変種と異なり日本、ノルウェーにおける分布が知られている
本変種と異なりフダンソウ属、キイチゴ属、ネギ属植物を宿主としない
本変種より子嚢胞子のサイズが小さい
本変種よりPDA培地での菌核の数が多い
本変種より菌核のサイズが小さい

(その他掲載種)

Sclerotinia borealis Bubák & Vleugel
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【よく似た種との区別】
Sclerotinia borealis var. subarctica
ロシアに分布する
同じイチゴツナギ属などイネ科植物を宿主とする
子嚢盤の形態が同一である
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子に8つの核を含む
菌核の形態が同一である
ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本、ノルウェーにおける分布が知られていない
本種より子嚢が短い
本種と異なり小分生子を形成する
本種よりPDA培地での菌核の数が少ない
本種より菌核のサイズが大きい
本種よりコロニーの生長が遅い
本種と異なりコロニーが毛羽立つ
本種と異なりコロニーの縁部が不規則形でしばしば波打つ
本種と異なり気生菌糸が純白色ではなく白色で桃肉桂色を帯びる
本種と異なり培養下で高グリセロール濃度でも菌糸の生長にほとんど影響がない
Sclerotinia borealis var. okhotskana
ロシアに分布する
子嚢盤の形態が同一である
子嚢の長さの範囲が重なる
子嚢胞子に8つの核を含む
菌核の形態が同一である
コロニーが白色
コロニーの異なる温度での生長パターンが識別できないほど類似している
コロニーの低水分活性条件での生長パターンが識別できないほど類似している
ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本、ノルウェーにおける分布が知られていない
本種と異なりフダンソウ属、キイチゴ属、ネギ属植物を宿主とする
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種よりPDA培地での菌核の数が少ない
本種より菌核のサイズが大きい
Sclerotinia antarctica
本種と異なり子嚢盤が菌核から単生する
本種と異なり子嚢が短い
本種と異なり子嚢胞子が小型