2025年10月11日 (仮訳)MEXU国立菌類標本館所蔵のTulostoma属菌の系統的再検討:新産種および新種 Hernández-Navarro, E. & San Agustín-López, C. 2025. Systematic review of Tulostoma (Agaricomycetes: Agaricales) from MEXU National Fungarium: new records and new species. Phytotaxa. Available at: https://phytotaxa.mapress.com/pt/article/view/phytotaxa.721.2.1 [Accessed October 11, 2025] 【R3-13248】2025/10/11投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ メキシコ国立植物標本館の菌類コレクションに収蔵されているTulostoma属標本11点について形態学的検討および分子系統解析を実施した。 そこからT. elvirae、T. evangelinae、T. teophiliの3新種を記載した。 また、メキシコにおける既知種としてT. exasperatum、T. rufum、T. simulansを同定し、T. punctatumをメキシコ新産種として報告した。 Mexico, Hidalgo, Zimapán (新種) Tulostoma elvirae Hern.-Nav. & San Agustín-López 語源…菌類標本館のキュレーターであるM. en C. Elvira Aguirre Acosta氏に献名 【よく似た種との区別】 Tulostoma brasiliense 形態的に類似している(当初この種に同定されていた) 本種と異なりメキシコではなくブラジル、オーストラリアなどに分布する 本種ほど子実体が白色でない 本種と異なり内皮が帯桃色~黄褐色 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子表面が不規則な稜を持つ疣状か、あるいは鋭い円錐状の疣を持つ 本種より弾糸の隔壁が厚い Tulostoma simulans ITS+nrLSU+tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と子実体の全体的な外観が異なる 本種と担子胞子の形態が異なる ITS+nrLSU+tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mexico, San Luis Potosí, Catorce, San Antonio de Coronados (新種) Tulostoma evangelinae Hern.-Nav. & San Agustín-López 語源…メキシコの菌学者、Evangelina Pérez-Silva博士に献名 【よく似た種との区別】 Tulostoma cretaceum 北米に分布する 内皮が淡色 口部が不明瞭な開口部になる傾向がある 柄が淡色 柄基部が塊茎状 根状菌糸束を有する グレバが帯赤褐色 グレバが粉状 担子胞子が有色 担子胞子表面が平滑 弾糸が同色 弾糸が分節する 弾糸がリボン状の断片からなる 本種と異なりメキシコではなく米国などに分布する 本種と異なり外皮がやや膜質ではなく菌糸状 本種と異なり外皮に砂粒が埋め込まれる Tulostoma dunense 内皮が淡色 口部が不明瞭な開口部になる傾向がある 柄が淡色 柄基部が塊茎状 根状菌糸束を有する グレバが帯赤褐色 グレバが粉状 担子胞子が有色 担子胞子表面が平滑 弾糸が同色 弾糸が分節する 弾糸がリボン状の断片からなる ITS+nrLSU+tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりメキシコではなくハンガリーなどに分布する 本種より胞子嚢が頑丈 本種と異なり外皮がやや膜質ではなく菌糸状 本種と異なり外皮に砂粒が埋め込まれる 本種より柄が短い ITS+nrLSU+tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tulostoma obesum 内皮が淡色 口部が不明瞭な開口部になる傾向がある 柄が淡色 柄基部が塊茎状 根状菌糸束を有する グレバが帯赤褐色 グレバが粉状 担子胞子が有色 担子胞子表面が平滑 弾糸が同色 弾糸が分節する 弾糸がリボン状の断片からなる 本種と異なり外皮がやや膜質ではなく菌糸状 本種と異なり外皮に砂粒が埋め込まれる ITS+nrLSU+tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(LacerataクレードではなくObesumクレードに含まれる) Mexico, Chiapas, Road from Tapitula to Rayón (新種) Tulostoma teophili Hern.-Nav. & San Agustín-López 語源…メキシコの菌学者、Teófilo Herrera Suárez博士に献名 【よく似た種との区別】 Tulostoma macrocephalum 形態的に類似している(混同のおそれがある) 本種より柄が長い 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子表面が低い疣に覆われ、膜や網目を伴わない Tulostoma catimbauense 担子胞子表面がやや網目状 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりメキシコではなくブラジルなどに分布する 本種と異なり外皮が菌糸状 本種と異なり担子胞子の網目が粗い刺状 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (メキシコ新産種) Tulostoma punctatum Peck 【よく似た種との区別】 Tulostoma fimbriatum(アラナミケシボウズタケ) 外皮が菌糸状 口部が繊維状 担子胞子表面が疣状 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子の疣が融合する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ObesumクレードではなくFimbriatumクレードに含まれる) (その他掲載種) Tulostoma rufum Lloyd 【よく似た種との区別】 Tulostoma floridanum 外皮が菌糸状 口部が管状 柄が帯赤色 担子胞子が小刺状 本種と異なり内皮が帯灰色 本種と異なり”mycosclereids”を欠く 本種より担子胞子のサイズが小さい Tulostoma melanocyclum 口縁が暗色 口部が円形 外皮が菌糸状 担子胞子が刺状 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり内皮が白色~灰色 本種と異なり”microsclereids”を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tulostoma squamosum(ウロコケシボウズタケ) ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり外皮が球状細胞からなる疣状 本種と異なり”mycosclereids”を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tulostoma subsquamosum 本種と異なり外皮が菌糸状で散在する球状細胞を伴う 本種と異なり”mycosclereids”を欠く 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子表面がやや網目状 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される