(仮訳)フランスの中央ピレネー地方においてFagus sylvaticaに発生したHypoxylon属2新種
Fournier, J. 2014. Two new species of Hypoxylon (Xylariaceae) from French Central Pyrénées occurring on Fagus sylvatica. Ascomycete.org. Available at: https://ascomycete.org/Journal/Article/art-0100 [Accessed December 17, 2024] 【R3-12350】2024/12/17投稿

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3行まとめ

フランスにおいてFagus sylvaticaに発生した2種の菌を検討し、Hypoxylon cazenaveiおよびH. invadensとして新種記載した。
前者は子座が帯紫褐色、子嚢殻が管状~槍形であり、10% KOHで黄褐色~肉桂色、のちに帯ワイン色になる色素を含んでいた。
後者はH. fragiformeの未熟子座上に発生し、子座が黒色で光沢があり、10% KOHで特徴的な呈色反応を示した。
France, Ariège, Rimont, Grand Bois, Combe Fourcade

(新種)

Hypoxylon cazenavei J. Fourn.
語源…フランスの菌学者、Robert Cazenave氏に献名
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon macrocarpum
子嚢殻が長い管状~槍形
本種と異なり基質から強い芳香を発する
本種と異なり子座のKOH抽出色素が帯灰褐色
本種より子嚢胞子が狭楕円形である
Hypoxylon fuscum(ハンノキコブタケ)
温帯域に分布する
子座が帯紫褐色
子座のKOH抽出色素が帯黄色~帯オリーブ色
本種より子嚢殻のサイズが顕著に小さい
本種と異なり子嚢殻が類球形
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がS字状
Hypoxylon porphyreum
温帯域に分布する
子座が帯紫褐色
子座のKOH抽出色素が帯黄色~帯オリーブ色
本種より子嚢殻のサイズが顕著に小さい
本種と異なり子嚢殻が類球形
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がS字状
Hypoxylon fuscopurpureum(タイシャコブタケ)
ヨーロッパに分布する
子座が帯紫褐色
子座が平らに広がる
KOH抽出色素が帯オリーブ色~帯緑灰色
本種と異なりフランスではなく北米、ドイツなどに分布する
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子が洋梨形
本種と異なり子嚢胞子のペリスポアが10% KOH中で裂開しない
Hypoxylon anthochroum
本種と異なりフランスではなくスリランカなどに分布する
本種と異なり子座に帯赤褐色の蝋状小粒を含む
本種と異なり子座に10% KOH中で帯緑灰色になる色素を含む
本種と異なり子嚢殻が小型
本種と異なり子嚢殻が球形
本種と異なり子嚢胞子のペリスポアに明瞭な条線を有する
Hypoxylon trugodes
子嚢殻が長い管状
子座に黄色の蝋状小粒を含む
子座のKOH抽出色素が帯褐黄色
子嚢胞子のサイズの範囲が同一
子嚢胞子のペリスポアが平滑
本種と異なりフランスではなく汎熱帯的に分布する
本種より子座が紫色を帯びる
本種と異なり子座において蝋状小粒が子嚢殻上部の薄い層に限定されず、子嚢殻周囲全体に分布し、特に基部付近で密集する
本種と異なり子座のKOH抽出色素が長時間処理で帯ワイン色に呈色しない
France, Ariège, Rimont, road D18a, ca. 1.5 km from the village

(新種)

Hypoxylon invadens J. Fourn.
語源…侵入する
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon macrocarpum
温帯域に分布する
子座表面に光沢を有することがある
本種と異なり基質から新鮮時強い芳香を発する
本種と異なり子座が紫色を帯びる
本種と異なり子座のKOH抽出色素が帯灰褐色である
本種と異なり子嚢殻が管状
本種より子嚢胞子の形状が細長い
Hypoxylon fuscum(ハンノキコブタケ)
子座に帯灰黄緑色の蝋状小粒を含む
本種と異なり子座のKOH抽出色素がオリーブ色ではなく肉桂色であり、長時間処理で僅かに帯ワイン色に変わる