(仮訳)日本のマツ林に産したTricholomaGenuina節の2新種
Aoki, W., Fukuda, M. & Yamada, A. 2024. Two new Tricholoma species in the sect. Genuina from pine forests in Japan. Mycoscience. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/65/6/65_MYC647/_pdf/-char/en [Accessed February 3, 2025] 【R3-12493】2025/2/3投稿

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3行まとめ

Tricholoma albobrunneumと同定された標本を再検討し、日本において2つの異なる種が含まれることを示した。
この2種を本州産のT. matsushimejiと利尻島産のT. miyama-matsushimejiとして新種記載した。
前者はクロマツとアカマツ、後者はハイマツとそれぞれ共生し、形態的には類似していたが分子系統解析で明確に区別された。
鳥取県鳥取市浜坂

(新種)

Tricholoma matsushimeji W. Aoki & A. Yamada
マツシメジ
語源…和名のマツシメジ(今井三子氏命名)より
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【よく似た種との区別】
Tricholoma albobrunneum
同じマツ属樹木と関係を持つ
形態的に類似している(この種に同定されていた)
子実体の外観が類似している
担子胞子のサイズがほぼ同一
ITS+IGS1+tef1α+rpb2、IGS、ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本ではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なりクロマツおよびアカマツではなくPinus nigraP. mugoなどと関係を持つ
本種と異なり傘縁部に明瞭な条線をあらわすという特徴を欠く
本種より担子器のサイズが大きい
本種より傘表皮菌糸が短い
ITS+IGS1+tef1α+rpb2、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tricholoma miyama-matsushimeji
日本に分布する
同じマツ属樹木と関係を持つ
ITS+IGS1+tef1α+rpb2、IGS、ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロマツおよびアカマツではなくハイマツと関係を持つ
本種と異なり傘縁部に明瞭な条線をあらわすという特徴を欠く
ITS+IGS1+tef1α+rpb2、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
北海道利尻島利尻岳

(新種)

Tricholoma miyama-matsushimeji W. Aoki & A. Yamada
ミヤママツシメジ
語源…和名のミヤママツシメジ(深山のマツシメジ)より
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【よく似た種との区別】
Tricholoma albobrunneum
同じマツ属樹木と関係を持つ
形態的に類似している(識別困難である)
子実体の外観が類似している
担子胞子のサイズがほぼ同一
ITS+IGS1+tef1α+rpb2、IGS、ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本ではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なりハイマツではなくPinus nigraP. mugoなどと関係を持つ
ITS+IGS1+tef1α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tricholoma matsushimeji
日本に分布する
同じマツ属樹木と関係を持つ
ITS+IGS1+tef1α+rpb2、IGS、ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりハイマツではなくクロマツおよびアカマツと関係を持つ
本種と異なり傘縁部に明瞭な条線をあらわす
ITS+IGS1+tef1α+rpb2、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される