(仮訳)Rickenella属の日本新産種2種、R. indicaおよびR. mellea
Kasuya, T. et al. 2025. Two species of Rickenella, R. indica and R. mellea, new to Japan. Japanese Journal of Mycology. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjom/66/0/_contents/-char/ja [Accessed May 28, 2025] 【R3-12837】2025/5/28投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

日本新産種としてRickenella indica(ヒメヒナノヒガサ)とR. mellea(タカネヒナノヒガサ)を報告した。
前者は茨城県の湿原、後者は新潟県の亜高山帯のピートボグにおいてそれぞれコケの上に発生しており、両種との同定は分子系統解析の結果からも裏付けられた。
日本産Rickenella属の既知種および形態的に類似する分類群の検索表を作成した。

(日本新産種)

Rickenella indica K.P.D. Latha & Manimohan
ヒメヒナノヒガサ
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Rickenella fibula(ヒナノヒガサ)
日本に分布する
子実体の色が類似している
傘表面が微毛状
襞が垂生する
柄が傘とほぼ同色
柄表面が微毛状
シスチジアの形質が類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘が扁平または漏斗状に広がる
本種と異なり襞が桃色を帯びるのではなく桃色を帯びない
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rickenella danxiashanensis
東アジアに分布する
担子器が2胞子性または4胞子性
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり柄が類白色
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rickenella umbelliformis
東アジアに分布する
子実体の形態が類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より傘のサイズが大きい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(日本新産種)

Rickenella mellea (Singer & Clémençon) Lamoure
タカネヒナノヒガサ
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Rickenella fibula(ヒナノヒガサ)
日本に分布する
傘が扁平凸形~扁平~漏斗形
傘表面が微毛状
襞が垂生する
シスチジアの形質が類似している
傘シスチジアのサイズの範囲が重なる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が蜜色、帯黄ベージュ色~帯赤黄色ではなくより明色の鮮橙色、橙色、帯黄橙色
本種よりシスチジアの形状が細長い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rickenella danxiashanensis
東アジアに分布する
形態的に類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より傘のサイズが大きい
本種より傘が明色
本種と異なり柄が類白色
本種より担子胞子が僅かに短い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rickenella swartzii
子実体が鈍色
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が暗い帯褐色、帯灰色~肉桂色
本種と異なり柄が暗い帯褐色、帯灰色~肉桂色
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される