2020年4月9日 (仮訳)北欧産Hygrophorus agathosmusグループにおける多様性 Larsson, E. et al., 2018. Diversity within the Hygrophorus agathosmus group (Basidiomycota, Agaricales) in Northern Europe. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11557-018-1445-y [Accessed April 9, 2020] 【R3-07211】2020/4/9投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 北欧産のHygrophorus agathosmusグループを検討して3新種の存在を確かめ、うち1種をH. suaveolensとして記載した。 狭義のH. agathosmusの分布範囲が北東ヨーロッパに限定され、ドイツトウヒの老齢林に生息することなどを示した。 また、H. agathosmusのネオタイプ標本を指定したほか、北欧産の種の検索表を掲載した。 Sweden, Öland, Böda, Trollskogen NR (その他掲載種) Hygrophorus agathosmus (Fr.) Fr. ウスチャヌメリガサ 【よく似た種との区別】 Hygrophorus suaveolens 同じTephroleuci亜節に含まれる スウェーデンに分布する 同じマツ科植物を宿主とする 子実体に苦扁桃の甘い香りがある ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりトウヒ属ではなくマツ属植物を宿主とする 本種と異なり酸性~中性土壌に生じる 本種より子実体のサイズが小さい 本種と異なり傘中央がオリーブ褐色である 本種と異なり傘表皮菌糸を覆う小滴が小さく目立たないのではなく容易に観察され密 本種と異なり柄表皮菌糸を覆う小滴が小さく目立たないのではなく容易に観察され密 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hygrophorus agathosmus f. aureofloccosus 同じTephroleuci亜節に含まれる 北欧に分布する 同じトウヒ属植物を宿主とする 老齢林に生息する 子実体に苦扁桃の甘い香りがある ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり柄頂部にある綿毛が白色ではなく黄色 Hygrophorus piceae 同所的に分布する 形態的に類似している(本種の白いタイプとの誤同定の例が多い) 本種と異なり子実体に甘い苦扁桃の香りを欠く Hygrophorus chrysodon(ウコンガサ) 肉眼的形態が類似していることがある 本種と異なり子実体に甘い苦扁桃の香りを欠く Sweden, Uppland, Heliga trefaldighet, Malma Bergsvägen 26 Malma bergsväg (新種) Hygrophorus suaveolens Kleine & E. Larss. 語源…芳香のある(苦扁桃の甘い香りがすることから) 【よく似た種との区別】 Hygrophorus agathosmus(ウスチャヌメリガサ) 同じTephroleuci亜節に含まれる スウェーデンに分布する 同じマツ科植物を宿主とする 子実体に苦扁桃の甘い香りがある ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりマツ属ではなくトウヒ属植物を宿主とする 本種と異なり酸性~中性土壌に生じるという特徴を欠く 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり傘中央がオリーブ褐色でない 本種と異なり傘表皮菌糸を覆う小滴が容易に観察され密なのではなく小さく目立たない 本種と異なり柄表皮菌糸を覆う小滴が容易に観察され密なのではなく小さく目立たない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される