2020年1月30日 (仮訳)ツチダンゴ属Elaphomyces節 – 北欧産分類群の系統分類、および3新種の記載 Molia, A. et al., 2020. Elaphomyces section Elaphomyces (Eurotiales, Ascomycota ) – taxonomy and phylogeny of North European taxa, with the introduction of three new species. Fungal Systematics and Evolution. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/wfbi/fuse/pre-prints/content-e14_fuse_vol5_art14 [Accessed January 30, 2020] 【R3-07000】2020/1/30投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 北欧産のツチダンゴ属Elaphomyces節の分類群を検討して9種を認め、E. citrinopapillatusなど3新種を記載した。 E. granulatusのレクトタイプ標本、E. granulatus、E. muricatus、およびE. striatosporusのエピタイプ標本をそれぞれ指定した。 デンマーク、ノルウェー、スウェーデンに産する本属菌全種の検索表を掲載した。 Norway, Akershus, Nittedal, Slattum (新種) Elaphomyces citrinopapillatus A. Molia, A. Paz & Lavoise 語源…レモン色の乳頭状の(外皮の疣の色および形状から) 【よく似た種との区別】 Elaphomyces asperulus ノルウェーに分布する 外皮の疣が帯黄色 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスペイン、スウェーデン、デンマーク、イタリアなどにおける分布が知られている 本種と外皮の色が異なる 本種ほど外皮の疣の色が明瞭なコントラストをなさない ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Elaphomyces granulatus(ツチダンゴ) ノルウェーに分布する 外皮の疣が帯黄色 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスウェーデン、スコットランドなどにおける分布が知られている 本種と異なり子嚢果が群生するという特徴を欠く 本種より子嚢果のサイズが一般に大きい 本種と外皮の色が異なる 本種ほど外皮の疣の色が明瞭なコントラストをなさない ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Elaphomyces pusillus ノルウェーに分布する 同じトウヒ属植物を宿主とする 外皮の疣が帯黄色 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスウェーデンなどにおける分布が知られている 本種と外皮の色が異なる 本種ほど外皮の疣の色が明瞭なコントラストをなさない ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Elaphomyces roseoviolaceus ノルウェーに分布する 同じトウヒ属植物を宿主とする 外皮の疣が帯黄色 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と外皮の色が異なる 本種ほど外皮の疣の色が明瞭なコントラストをなさない ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Norway, Nord-Trøndelag, Verdal, Inndalen, Elgstien at river Inna (新種) Elaphomyces pusillus A. Molia & Sivertsen 語源…小さな(子嚢果のサイズから) 【よく似た種との区別】 Elaphomyces citrinopapillatus ノルウェーに分布する 同じトウヒ属植物を宿主とする 外皮の疣が帯黄色 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスウェーデンなどにおける分布が知られていない 本種と外皮の色が異なる 本種ほど外皮の疣の色が明瞭なコントラストをなす ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Elaphomyces asperulus ノルウェーに分布する 皮層が帯褐色 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスウェーデンなどにおける分布が知られている 本種と異なり子嚢果が厚い菌糸マットに埋生するという特徴を欠く 本種と異なり子嚢果が極めて小型なのではなくより大きい 本種より子嚢胞子のサイズが大きい ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Norway, Akershus, Frogn, Knardal NR (新種) Elaphomyces roseoviolaceus A. Molia & E. Larss. 語源…ばら紫色の(外皮断面の色から) 【よく似た種との区別】 Elaphomyces citrinopapillatus ノルウェーに分布する 同じトウヒ属植物を宿主とする 外皮の疣が帯黄色 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と外皮の色が異なる 本種より外皮の疣の色が明瞭なコントラストをなす ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Elaphomyces asperulus ノルウェーに分布する 皮層が帯褐色 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスウェーデンなどにおける分布が知られている 本種より子嚢果のサイズが大きい 本種と異なり外皮が暗桃色~帯紫色でない 本種より子嚢胞子のサイズが大きい ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sweden, Småland, Femsjö (その他掲載種) Elaphomyces granulatus Fr. ツチダンゴ ※本種のエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Elaphomyces citrinopapillatus ノルウェーに分布する 外皮の疣が帯黄色 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスウェーデン、スコットランドなどにおける分布が知られていない 本種と異なり子嚢果が群生する 本種より子嚢果のサイズが一般に小さい 本種と外皮の色が異なる 本種より外皮の疣の色が明瞭なコントラストをなす ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Elaphomyces asperulus 北欧に分布する 外皮の断面内側に大理石模様を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果のサイズが大きい 本種と異なり外皮断面が類白色~帯黄白色ではなく帯桃色 本種と異なり皮層が黄褐色ではなく鈍褐色 本種より子嚢胞子が長い 本種と異なり子嚢胞子表面の装飾が孤立した刺状ではなく低く密な疣状 ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sweden, Småland, Femsjö, SW of Femsjö church (その他掲載種) Elaphomyces muricatus Fr. ワナグラツチダンゴ ※本種のエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Elaphomyces barrioi 北欧に分布する ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり外皮表面が顕著で尖った疣状ではなく小型截断状の疣状 本種より外皮表面の疣の密度が大きい 本種より子嚢胞子が長い 本種と異なり子嚢胞子表面の装飾が細く屈曲した桿状の刺状ではなく頂部で融合し、不規則な網目状をなす桿状 ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Norway, Oslo, Bygdøy, S. of Rodeløkken Café (その他掲載種) Elaphomyces striatosporus Kers ※本種のエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Elaphomyces papillatus ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種より外皮表面が疣状である 本種ほど子嚢胞子表面が顕著な条線状でない ITS+nrLSU+mtSSU+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Elaphomyces virgatosporus 北欧に分布する 本種より子嚢果のサイズが大きい 本種と異なり外皮が幼時帯黒青色、成熟すると帯青灰色~栗褐色なのではなく非常に暗い褐色~黒色 本種と異なり外皮表面がふけ状~微細な乳頭状ではなく微細かつ密な疣状 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子表面が鈍い畝状ではなく鋭い畝状