(仮訳)イタリアアルプス産のアーバスキュラー菌根菌の新種Glomus mongioiense、およびGlomus属のリボソーム変異により系統解析が損なわれる問題
Magurno, F. et al. 2024. Glomus mongioiense, a New Species of Arbuscular Mycorrhizal Fungi from Italian Alps and the Phylogeny-Spoiling Issue of Ribosomal Variants in the Glomus Genus. Agronomy. Available at: https://www.mdpi.com/2073-4395/14/7/1350 [Accessed June 29, 2024] 【R3-11837】2024/6/29投稿

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3行まとめ

イタリアアルプスの草地で採集されたアーバスキュラー菌根菌の一種を検討し、Glomus mongioienseとして新種記載した。
また、スコットランドのハイランドの塩湿地とポーランドのバルト海の砂丘で採集された菌株をG. rugosaeと同定した。
分子系統解析の結果、新種を含む数種の本属菌に2つの大きく異なるリボソーム変異が存在することが示され、これにより解析と種認識に悪影響を及ぶ可能性があることが指摘された。
Monte Mongioie, a mountain of the Ligurian Alps located in the southern Piedmont, Italy

(新種)

Glomus mongioiense Magurno, Uszok, M.B. Queiroz
語源…(モンテ・)モンジョイエ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Glomus rugosae
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子壁が3層ではなく4層からなる
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Glomus macrocarpum
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子壁が3層ではなく2層からなる
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Glomus kerguelense
胞子が黄色
胞子壁が3層からなる
胞子壁第3層が黄色
胞子壁第3層が層状
“subtending hyphae”を有する
本種と異なり胞子壁第1層がメルツァー染色性でない
本種より胞子壁第2層が厚い
本種と異なり胞子壁第2層が無色ではなく無色~淡黄色
本種と異なり胞子壁第2層が均一ではなく層状
本種より胞子壁第3層が顕著に厚い
本種と異なり胞子壁第3層が常に平滑なのではなく小粒状~海綿状の外観をなす
Glomus atlanticum
胞子壁が3層からなる
胞子壁第1層がメルツァー陽性
胞子壁第3層が層状
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子壁第3層が帯灰黄色ではなく橙褐色
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Glomus bareae
胞子壁が3層からなる
胞子壁第1層がメルツァー陽性
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子壁第3層が帯灰黄色ではなく無色
本種と異なり胞子壁第3層が柔軟である
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Glomus chinense
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子壁第1層がメルツァー陽性ではなく胞子壁第1層および第2層がメルツァー陽性
RPB1および45Sに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Glomus rugosae
※2024年6月29日現在、本種はMycoBank/Species fungorumに登録されていない。