2022年11月26日 (仮訳)開けた石灰質砂質土壌の環境に耐えるInocybe属の新種、Inocybe woglindeana Bandini, D. et al., 2020. Inocybe woglindeana, a new species of the genus Inocybe, thriving in exposed habitats with calcareous sandy soil. Karstenia. Available at: http://inocybaceae.org/PDF/Bandini_Inocybe_woglindeana_2020.pdf [Accessed November 26, 2022] 【R3-10093】2022/11/26投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ スウェーデン、ドイツ、ノルウェーで採集された菌を検討し、Inocybe woglindeanaとして新種記載した。 本種は日当たりのよい開けた環境でヤナギ属樹木とともに石灰質砂質土壌に発生し、子実体はしばしばかなり頑丈で小型、襞が幼時明瞭な類白色、担子胞子が長楕円形平滑であった。 本種と同様の生息環境を示す類似種のタイプ標本と比較検討したところ、特にI. variisporaとは系統的にも非常に近縁であった。 Germany, Rheinland-Pfalz, Rhein-Pfalz-Kreis, Altrip (新種) Inocybe woglindeana Bandini, Vauras & Weholt 語源…ヴォークリンデ(「ニーベルングの指環」に登場するラインの乙女)の 【よく似た種との区別】 Inocybe subpelargonium ドイツに分布する 砂地に発生することがある 本種と異なりフランスにおける分布が知られている 本種と異なりやや湿気の多い場所に発生する 本種と異なり傘が帯黄褐色で中央部がより暗色 本種と異なり傘表面が繊維状~やや亀裂状 本種より担子胞子のサイズがずっと小さい 本種より子実層シスチジアのサイズが小さい Inocybe rufuloides ドイツに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイタリア、フランスにおける分布が知られている 本種と異なり子実体が帯赤褐色 本種より担子胞子の平均サイズが大きい 本種より子実層シスチジア基部が類円形または截断状にならない 本種より子実層シスチジアが通常厚壁 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Inocybe inodora ドイツに分布する 砂質または砂利質の石灰質土壌に生息する 被膜が淡色 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりチェコ、オーストリアにおける分布が知られている 本種と異なり柄表面全体が粉状 本種より担子胞子の平均サイズがやや大きい 本種より子実層シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり子実層シスチジアがほぼ袋状または(類)楕円形になることがない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Inocybe neorufula ヨーロッパに分布する マツ属樹木との関係が知られている 石灰質の砂質土壌に発生する 被膜が類白色 担子胞子がかなり大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイタリア、スペインにおける分布が知られている 本種と異なりヤナギ属樹木との関係が知られていない 本種より傘が狐色であり赤色を帯びる 本種と異なり子実層シスチジア基部が類円形でも截断状でもない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Inocybe variispora ドイツに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じI. woglindeanaクレードに含まれる) 本種と異なりスペインにおける分布が知られている 本種と異なりヤナギ属などではなくトガサワラ属樹木などと関係を持つ 本種と異なり傘が黄褐色ではなく暗褐色 本種と異なり被膜を欠く 本種と異なり子実体に芳香ではなく精子臭がある 本種より子実層シスチジアの幅が通常やや狭い 本種と異なり子実層シスチジアがほとんどの場合有柄であり、細長い(類)楕円形になることがない 本種と異なり子実層シスチジアが通常やや厚壁 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Inocybe involuta ドイツに分布する 砂地に発生することがある 担子胞子がかなり長い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストリア、オランダにおける分布が知られている 本種と異なり傘が通常帯赤褐色 本種と異なり柄がしばしば帯赤色 本種と異なり子実層シスチジアが類紡錘形 本種と異なり子実層シスチジアが厚壁 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Inocybe pruinosa ドイツに分布する 砂地に発生することがある 本種と異なりフランスにおける分布が知られている 本種より傘がしばしば黄色を帯びる 本種と異なり柄表面全体が粉状 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より子実層シスチジアが明瞭に厚壁 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Inocybe queletii 形態的に類似している(本種に誤同定された) 傘が帯黄色 傘表面がかなり平滑 柄頂部のみ表面が粉状 本種と異なりモミが生息する山地などに分布する 本種より子実体のサイズが大きい 本種より担子胞子の平均サイズがやや小さい 本種より子実層シスチジアが平均的にスリムであり、類円形または截断状にならない 本種より子実層シスチジアが厚壁 Inocybe exilis ドイツに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストリア、フィンランドにおける分布が知られている 本種と異なり子実体が帯赤褐色 本種より担子胞子の平均サイズが大きい 本種より子実層シスチジア基部が類円形または截断状にならない 本種より子実層シスチジアが通常厚壁 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Inocybe nitidiuscula(ウスツヤトマヤタケ) ヤナギ属樹木の近くに発生する 砂質~砂利質土壌に発生する 担子胞子がかなり長い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が通常やや赤色を帯びるが例外的に黄褐色のこともある 本種と異なり子実層シスチジアにかなり長い頸部を有し、頂部が細まる ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される