2024年2月27日 (仮訳)パキスタン、パンジャーブ州産のCandolleomyces属2新種の記載 Izhar, A. et al. 2023. Introducing two new members of the genus Candolleomyces (Agaricales, Psathyrellaceae) from Punjab, Pakistan. Plant Systematics and Evolution. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s00606-023-01876-w [Accessed February 27, 2024] 【R3-11467】2024/2/27投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ パキスタン、パンジャーブ州で採集された2種の菌を検討し、それぞれCandolleomyces campanulatus、C. sultaniiとして新種記載した。 前者は子実体が小型で傘が鐘形、柄表面が微粉状、つばを欠き、担子胞子が卵状、楕円形、側シスチジアを欠き、縁シスチジアが棍棒形でほとんどの場合小嚢形であることなどで特徴づけられた。 後者は傘が吸水性、つばが顕著で、担子胞子が長楕円形~楕円形、側シスチジアを欠き、縁シスチジアが倒卵状、小嚢形で時に洋梨形であり、柄シスチジアに異型があることなどで特徴づけられた。 Pakistan, Punjab, District Sheikhupura, Company Park (新種) Candolleomyces campanulatus A. Izhar, & Z. Khan & Khalid 語源…鐘形の(傘の形状から) 【よく似た種との区別】 Candolleomyces asiaticus パキスタンに分布する 側シスチジアを欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が淡灰色~帯褐灰色 本種と異なり傘が鐘形ではなく扁平凸形~扁平で縁部が不規則形 本種と異なり襞が直生~上生する 本種と異なり襞が鈍橙色~褐色 本種と異なり襞が全縁である 本種と異なり小襞が2-3次である 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が鈍橙色 本種と異なり担子胞子がKOH中で帯灰赤色 本種と異なり担子胞子が楕円形~長楕円形 本種より縁シスチジアのサイズが比較的小さい 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形でほとんどの場合小嚢形なのではなく瓶形~小嚢形で少数が紡錘形 本種と異なり柄シスチジアを欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Psathyrella subcacao アジアに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する 本種と異なり傘が汚白色~褐色 本種と異なり傘が鐘形ではなく半球形~扁平 本種と異なり襞が直生~僅かに上生する 本種と異なり襞が淡褐色~暗褐色 本種と異なり被膜が淡褐色である 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が淡黄褐色 本種と異なり担子胞子が5%KOH中で暗色になる 本種と異なり担子胞子が楕円形~長楕円形で稀に豆形 本種より縁シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形でほとんどの場合小嚢形なのではなく小嚢形~紡錘形で稀に偽頭状 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Candolleomyces cacao ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくサントメ・プリンシペ、米国などに分布する 本種と異なり傘が褐色~暗褐色で色褪せると淡い帯褐灰色または帯灰白色になる 本種と異なり傘が鐘形ではなく広凸形~凸形 本種と異なり襞が上生~浅く直生する 本種と異なり襞が淡い帯褐灰色~暗褐色 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が帯灰褐色 本種と異なり担子胞子が楕円形または僅かに豆形 本種より縁シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形でほとんどの場合小嚢形なのではなく便腹形~広瓶形 本種より柄シスチジアがずっと長い 本種と異なり柄シスチジアが棍棒形~円筒形または瓶形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pakistan, Punjab Province, District Sheikhupura, Adaptive Research Farm (新種) Candolleomyces sultanii A.Izhar, M.Asif & Khalid 語源…故Sultan Ahmad教授に献名 【よく似た種との区別】 Candolleomyces tuberculatus ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくプエルトリコなどに分布する 本種と異なり傘の幅が比較的広い 本種と異なり傘が幼時緑色、成熟時紫色~黒色 本種と異なり傘表面に小さく鈍頭の瘤を有する 本種と異なり襞が帯紫色~黒色 本種より担子胞子のサイズが比較的小さい 本種と異なり柄シスチジアを有するのではなく欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Candolleomyces albipes ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくサントメ・プリンシペなどに分布する 本種と異なり傘が淡い帯灰橙色~淡灰色 本種と異なり傘が広凸形 本種と異なり襞が淡い帯灰褐色 本種と異なり担子胞子が明るい帯黄褐色ではなく暗い帯灰褐色 本種と異なり担子胞子がKOH中で鈍い帯黄褐色ではなく暗い帯灰褐色 本種と異なり担子胞子が楕円形~長楕円形ではなく楕円形 本種より縁シスチジアが短い 本種と異なり縁シスチジアが倒卵形~小嚢形で稀に洋梨形ではなく広棍棒形 本種と異なり柄シスチジアを有するのではなく欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Candolleomyces efflorescens ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくスウェーデンなどに分布する 本種と異なり子実体が叢生する 本種と異なり傘が帯紫色 本種と異なり担子胞子が淡色 本種より縁シスチジアのサイズが小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Candolleomyces candolleanus(イタチタケ) アジアに分布する 形態的に類似している(一見混同のおそれがある) 本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する 本種と異なり傘表面に吸水性を欠く 本種と異なり襞がほとんどの場合離生する 本種より柄が顕著に長い 本種と異なりつばを欠く 本種と異なり縁シスチジアを欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される