2022年9月15日 (仮訳)複数遺伝子の系統解析および形態に基づき明らかになった新種Ophiocordyceps hydrangeaおよびOphiocordyceps bidoupensis Zou, W. et al., 2022. Multigene phylogeny and morphology reveal Ophiocordyceps hydrangea sp. nov. and Ophiocordyceps bidoupensis sp. nov. (Ophiocordycipitaceae). MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/86160/ [Accessed September 15, 2022] 【R3-09878】2022/9/15投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国雲南省とベトナムのラムドン省で採集された2種の昆虫病原菌を検討し、それぞれOphiocordyceps hydrangeaおよびO. bidoupensisとして新種記載した。 前者は常緑広葉樹林の地上においてセミ幼虫から発生し、子座がアジサイの花に類似し、有性世代は見出されなかった一方、後者は林床において土の中のコメツキムシ科の幼虫から発生し、子嚢果を形成した。 両種ともO. soboliferaクレードに含まれ、それぞれ別個のサブクレードに位置付けられた。 中国雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州景洪市納板河国家級自然保護区 (新種) Ophiocordyceps hydrangea H. Yu, W.Q. Zou & D.X. Tang 語源…アジサイの(子座の形状から) 【よく似た種との区別】 Ophiocordyceps sobolifera(セミタケ) セミの幼虫を宿主とする 子座の長さの範囲が重なる nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じO. sobiliferaクレードに含まれる) 本種と異なり子座が単生ではなく通常単生、稀に束生する 本種と異なり子座がアジサイ形という特徴を欠く 本種と異なり有性世代が知られている 本種より分生子の幅が狭い 本種と異なり分生子が卵状または長卵k達ではなく楕円形または紡錘形 nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ophiocordyceps longissima(エゾハルゼミタケ) セミの幼虫を宿主とする nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じO. sobiliferaクレードに含まれる) 本種より子座が長い 本種と異なり有性世代が知られている nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ophiocordyceps yakusimensis(ヤクシマセミタケ) セミの幼虫を宿主とする nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じO. sobiliferaクレードに含まれる) 本種より子座が長い 本種と異なり有性世代が知られている nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Viet Nam, Lintong Province, Bidoup Nuiba National Park (新種) Ophiocordyceps bidoupensis H. Yu, W.Q. Zou & D.X. Tang 語源…ビズップ産の 【よく似た種との区別】 Ophiocordyceps houaynhangensis 甲虫を宿主とする 子座が単生する 子座が円筒形 子嚢殻が埋生する 子嚢のサイズの範囲が重なる 子嚢胞子が無色 子嚢胞子が多隔壁である 分生子が無色 分生子表面が平滑 nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じO. sobiliferaクレードに含まれる) 本種より子座が短い 本種と異なり子座が黄色ではなくクリーム色 本種より子嚢殻の長径が長い 本種と異なり子嚢殻が洋梨形~槍形ではなく倒棍棒形 本種と異なり子嚢胞子が糸状ではなく円筒形 本種よりフィアライドが短い 本種と異なり分生子が卵形または”briolette”ではなく球形 nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ophiocordyceps brunneipunctata 同じコメツキムシ科昆虫を宿主とする 子嚢殻が埋生する 子嚢殻のサイズの範囲が重なる 子嚢が無色 子嚢胞子が無色 子嚢胞子が糸状 子嚢胞子が多隔壁である 分生子形成細胞表面が平滑 分生子が無色 分生子表面が平滑 nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じO. sobiliferaクレードに含まれる) 本種と異なり子座が単生するのではなく単生するか稀に3つまで生じる 本種より子座が長い 本種と異なり子嚢殻が褐黄色ではなく褐色 本種と異なり子嚢殻が洋梨形~槍形ではなく卵形~洋梨形 本種より子嚢が長い 本種より分生子形成細胞が短い 本種より分生子のサイズが小さい nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ophiocordyceps langbianensis 甲虫を宿主とする 子座が単生する 子嚢殻が埋生する 子嚢殻のサイズの範囲が重なる 子嚢胞子が糸状 子嚢胞子が多隔壁である nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じO. sobiliferaクレードに含まれる) 本種より子座が長い 本種と異なり子嚢殻が洋梨形~槍形ではなく卵形~洋梨形 本種より子嚢が長い 本種と異なり分生子が卵形または”briolette”ではなく楕円形 nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ophiocordyceps cossidarum 甲虫を宿主とする 子座が単生する 子嚢殻が埋生する 子嚢胞子が無色 子嚢胞子が糸状 子嚢胞子が多隔壁である nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じO. sobiliferaクレードに含まれる) 本種と異なりコメツキムシ科ではなくボクトウガ科昆虫を宿主とする 本種より子座が長い 本種より子嚢殻の長径が長い 本種と異なり子嚢殻が褐黄色ではなく赤色 本種と異なり子嚢殻が洋梨形~槍形ではなく卵形~”phialide”である nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ophiocordyceps furcatosubulata 同じコメツキムシ科昆虫を宿主とする 子座が単生する 子嚢殻が埋生する 子嚢殻のサイズの範囲が重なる 子嚢が無色 子嚢胞子が無色 子嚢胞子が糸状 子嚢胞子が単隔壁である 分生子表面が平滑 nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じO. sobiliferaクレードに含まれる) 本種より子座が長い 本種と異なり子座が黄色ではなく黄色~褐色 本種と異なり子嚢殻が洋梨形~槍形ではなく長卵状または洋梨形 本種より子嚢が長い 本種より分生子形成細胞のサイズが小さい 本種と異なり分生子が卵形または”briolette”ではなく広楕円形または楕円形 本種と異なり分生子形成細胞表面が平滑ではなく平滑または小疣状 本種より分生子のサイズが小さい nrLSU+nrSSU+tef-1α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される