2024年3月25日 (仮訳)ベトナム中部産イグチ科菌類の新規データ:形態および系統学的根拠に基づく2新種の記載および1新組み合わせの創設 Pham, THG. et al. 2024. New Data on Boletaceae (Agaricomycetes, Basidiomycota) from Central Vietnam with Description of Two New Species and Creation of a New Combination Based on Morphological and Phylogenetic Evidence. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/10/3/223 [Accessed March 25, 2024] 【R3-11549】2024/3/25投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ベトナム中部においてイグチ科菌類の調査を実施し、Hortiboletus rubroreticulatusおよびTylopilus aurantiovulpinusの2新種を記載した。 前者は傘表面が成熟時小区画状に亀裂を生じ、地の色が白色、傘表面が湿時僅かに粘性であること、後者は傘が帯橙赤色、子実層托が帯黄色~帯桃色で柄が帯橙黄色であることなどで特徴づけられた。 また、ベトナム新産種として8種を報告し、そのうちBoletus virescensをKgaria属に移した。 Vietnam, Lam Dong Province, Lac Duong District, Da Chais Commune, Bidoup-Nui Ba National Park (新種) Hortiboletus rubroreticulatus T.H.G. Pham, O.V. Morozova, E.S. Popov 語源…赤色の網目状の(傘表面の性状から) 【よく似た種との区別】 Hortiboletus subpaludosus アジアに分布する 傘の地の色が白色 傘表面が成熟すると小区画状の亀裂状になる tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベトナムではなく中国などに分布する tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hortiboletus amygdalinus アジアに分布する 傘の地の色が白色 傘表面が成熟すると小区画状の亀裂状になる ITS、nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベトナムではなく中国、韓国などに分布する 本種と異なり子実体が赤みを帯びない 本種より担子胞子の幅が広い ITS、nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hortiboletus kohistanensis アジアに分布する 傘の地の色が白色 傘表面が成熟すると小区画状の亀裂状になる ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベトナムではなくパキスタンなどに分布する 本種より子実体のサイズが大きい ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hortiboletus napaeus アジアに分布する 傘の地の色が白色 傘表面が成熟すると小区画状の亀裂状になる ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベトナムではなく中国などに分布する 本種より担子胞子が短い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hortiboletus rufosquamosus アジアに分布する 傘の地の色が白色 傘表面が成熟すると小区画状の亀裂状になる tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベトナムではなく中国などに分布する 本種より担子胞子の幅が広い tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Vietnam, Kon Tum Plateau, Gia Lai Province, K’Bang district, Son Lang Commune, Kon Chu Rang Nature Reserve (新種) Tylopilus aurantiovulpinus A.V. Alexandrova, O.V. Morozova, D.D. Ivanova, T.H.G. Pham 語源…橙色の狐の(子実体の色から) 【よく似た種との区別】 Tylopilus pseudoballoui アジアに分布する 形態的に類似している ITS、nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベトナムではなく中国、インドなどに分布する 本種より孔口のサイズが小さい ITS、nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus aurantiacus アジアに分布する nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベトナムではなく中国などに分布する 本種より子実体が明色で赤色が優勢である 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい 本種より担子胞子の形状が丸い nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus rubrotinctus ベトナムに分布する ITS、nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国における分布が知られている 本種より子実体が明色で赤色が優勢である ITS、nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus leucomycelinus nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベトナムではなくベリーズなどに分布する 本種より子実体が明色で赤色が優勢である 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい 本種より担子胞子の形状が丸い nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus fuscatus 本種と異なり傘が灰色を帯びる 本種と異なり柄が灰色を帯びる Tylopilus griseolus 本種と異なり傘が灰色を帯びる 本種と異なり柄が灰色を帯びる Tylopilus griseiviridus 本種と異なり傘が灰色を帯びる 本種と異なり柄が灰色を帯びる Tylopilus oradivensis 本種より子実体のサイズが顕著に小さい Tylopilus pseudoleucomycelinus nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベトナムではなくメキシコなどに分布する 本種より子実体のサイズが顕著に小さい nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus pygmaeus 本種より子実体のサイズが顕著に小さい (ベトナム新産種) Cyanoboletus flavocontextus L. Fan, N. Mao & T.Y. Zhao (新組み合わせ、ベトナム新産種) Kgaria virescens (Har. Takah. & Taneyama) O.V. Morozova, E.S. Popov, T.H.G. Pham アオアザイグチ 旧名:Boletus virescens Har. Takah. & Taneyama (ベトナム新産種) Parvixerocomus pseudoaokii G. Wu, K. Zhao & Zhu L. Yang (ベトナム新産種) Phylloporus hainanensis N.K. Zeng, L.L. Wu & Zhi Q. Liang (ベトナム新産種) Phylloporus microsquamus N.K. Zeng, L.L. Wu, S. Jiang & Z.Q. Liang (ベトナム新産種) Phylloporus nigrisquamus N.K. Zeng, L.L. Wu & Y.G. Fan (ベトナム新産種) Phylloporus subbacillisporus Raspé, K.D. Hyde & Chuankid (ベトナム新産種) Tylopilus rubrotinctus Yan C. Li & Zhu L. Yang 【よく似た種との区別】 Tylopilus aurantiovulpinus ベトナムに分布する ITS、nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国における分布が知られていない 本種より子実体が暗色で赤色が優勢でない ITS、nrLSU、tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される