2014年6月26日 (仮訳)米国ワイオミング州の埋め立て地から分離されたAspergillus属Fumigati節の新種およびA. viridinutans複合体の改訂 Nováková, A., et al., 2013.New species in Aspergillus section Fumigati from reclamation sites in Wyoming (U.S.A.) and revision of A. viridinutans complex. Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13225-013-0262-5 [Accessed November 10, 2013]. 【R3-00846】2014/06/26投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 米国ワイオミング州の炭坑跡で土壌や糞などから種々の手法で分離された菌を検討し、Aspergillus wyomingensisなど3種の新種を含む7種を認めた。 また、A. viridinutans種複合体を再検討し、狭義のA. viridinutansおよびA. aureolusのタイプ指定を行った。 本研究ではA. udagawaeが最も高頻度で分離されたが、土壌からしばしば優占種として報告される狭義のA. fumigatusは全く分離されなかった。 USA, Wyoming, Converse Country, Powder River Basin, Glenrock — Rolling Hills Wind Plant (former Dave Johnson Coal Mine) (新種) Aspergillus brevistipitatus A. Nováková & Hubka 語源…短い柄の(分生子柄のサイズから) 【よく似た種との区別】 Aspergillus conversis 同所的に分布する(タイプロカリティも同一) benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種より全ての培地で生長が遅い benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus brevipes 分生子柄が短い 分生子頭がうなだれる性質を持つ 分生子にトゲ状装飾を持つ 本種と異なりCZA培地でのコロニーが紫赤色 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus unilateralis 分生子柄が短い 分生子頭がうなだれる性質を持つ 分生子にトゲ状装飾を持つ 本種と異なりCZA培地でのコロニー裏面が無色ではなくほぼ黒色 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus duricaulis 分生子柄が短い 分生子頭がうなだれる性質を持つ 分生子にトゲ状装飾を持つ 本種より全ての培地で生長が遅い benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, Wyoming, Converse Country, Powder River Basin, Glenrock — Rolling Hills Wind Plant (former Dave Johnson Coal Mine) (新種) Aspergillus conversis Hubka & A. Nováková 語源…コンヴァースの(ワイオミング州の郡の名前から) 【よく似た種との区別】 Aspergillus brevistipitatus 同所的に分布する(タイプロカリティも同一) benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種より全ての培地で生長が速い benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus duricaulis 本種と異なりCZA培地で埋生した状態で生長する広い領域を形成する benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, Wyoming, Converse Country, Powder River Basin, Glenrock — Rolling Hills Wind Plant (former Dave Johnson Coal Mine) (新種) Aspergillus wyomingensis A. Nováková, Dudová and Hubka 語源…ワイオミング産の 【よく似た種との区別】 Aspergillus udagawae 同じA. viridinutans種複合体に含まれる 同所的に分布する(米国ワイオミング州) benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢胞子赤道面のとさか状隆起が顕著 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus felis 同じA. viridinutans種複合体に含まれる 同所的に分布する(米国ワイオミング州) benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢胞子赤道面のとさか状隆起が顕著 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ghana (その他掲載種) Aspergillus aureolus Fennell and Raper ※タイプ標本が不適切(規約40.1条違反)だったので、ネオタイプ指定を行った。 【よく似た種との区別】 Aspergillus udagawae 同じA. viridinutans種複合体に含まれる benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりホモタリックではなくヘテロタリックである benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus felis 同じA. viridinutans種複合体に含まれる 子嚢胞子の形態が非常に類似している benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりホモタリックではなくヘテロタリックである 本種より子嚢胞子赤道面のとさか状隆起の幅が広く、1 μmを超える benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus laciniosus コロニーが黄色~橙色を帯びる 本種と異なり子嚢胞子の凸形表面が瘤状~トゲ状ではなく平滑~僅かに粗面 本種と異なり47°Cで生育可能 産生する二次代謝産物が異なる Aspergillus auratus コロニーが黄色~橙色を帯びる 本種より閉子嚢殻のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子の凸形表面が瘤状~トゲ状ではなく平滑~僅かに粗面 本種より全ての培地で生長が遅い 本種より全ての温度で生長が遅い 産生する二次代謝産物が異なる Aspergillus multiplicatus コロニーが黄色~橙色を帯びる 本種と異なり子嚢胞子の赤道面にとさか状隆起を欠く 本種と異なり子嚢胞子に畝状~網目状の装飾を持つ 産生する二次代謝産物が異なる benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus stramenius コロニーが黄色~橙色を帯びる 本種より閉子嚢殻のサイズが小さい 本種ほど子嚢胞子が明瞭な粗面でない 産生する二次代謝産物が異なる benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Aspergillus felis Barrs, van Doorn, Varga & Samson 【よく似た種との区別】 Aspergillus wyomingensis 同じA. viridinutans種複合体に含まれる 同所的に分布する(米国ワイオミング州) benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢胞子赤道面のとさか状隆起が不明瞭 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus viridinutans 同じA. viridinutans種複合体に含まれる benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子柄の長さが120 μmを超えない 本種と異なりMEA培地、7d25°Cでのコロニー直径が35 mmを超えない benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus spathulatus 本種と異なり子嚢胞子の凸形表面が顕著な瘤状~トゲ状ではなく平滑 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus nishimurae 本種と異なり分生子が広楕円形 本種と異なり47°Cで生育可能 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus fennelliae 本種と異なり子嚢胞子の凸形表面が顕著な瘤状~トゲ状ではなく繊細な粗面 本種と異なりMEA培地でのコロニーが帯灰色 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus otanii 本種と異なり子嚢胞子の凸形表面が顕著な瘤状~トゲ状ではなく繊細な粗面 本種と異なりMEA培地でのコロニーが帯灰色 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Aspergillus udagawae Horie, Miyaji and Nishim. 【よく似た種との区別】 Aspergillus viridinutans 同じA. viridinutans種複合体に含まれる benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子柄の長さが120 μmを超えない 本種と異なりMEA培地、7d25°Cでのコロニー直径が35 mmを超えない benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus aureolus 同じA. viridinutans種複合体に含まれる benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヘテロタリックではなくホモタリックである benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus wyomingensis 同じA. viridinutans種複合体に含まれる 同所的に分布する(米国ワイオミング州) benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢胞子赤道面のとさか状隆起が不明瞭 benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus lentulus 同所的に分布する(米国ワイオミング州) 子嚢胞子の形態が類似している 子嚢胞子の凸形表面が瘤状 子嚢胞子赤道面のとさか状隆起の幅が1 μmを超えない 本種より子嚢胞子の凸形表面が顕著な網目状 本種と異なり常に45°Cで生育可能 産生する二次代謝産物が異なる benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Australia, Frankston (その他掲載種) Aspergillus viridinutans Ducker and Thrower ※本種のレクトタイプおよびエピタイプを指定した。 【よく似た種との区別】 Aspergillus felis 同じA. viridinutans種複合体に含まれる benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子柄の長さが120 μmを超える 本種と異なりMEA培地、7d25°Cでのコロニー直径が35 mmを超える benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Aspergillus udagawae 同じA. viridinutans種複合体に含まれる benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子柄の長さが120 μmを超える 本種と異なりMEA培地、7d25°Cでのコロニー直径が35 mmを超える benA+caM遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される