2019年12月5日 (仮訳)南アフリカ産のさび菌の新種および既知種に関する新たな所見 Berndt, R. 2009. New species of rust fungi (Uredinales) from South Africa and new observations on known species. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-008-0582-0 [Accessed December 5, 2019] 【R3-06834】2019/12/5投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 南アフリカからさび菌の4新種および1新変種を記載した。 Puccinia montis-venenosiはヤエムグラ属、P. naufragaはムギワラギク属、Uredo fynbosenseはPhylica属、Uromyces eclipsisはZygophyllum属、P. lycii var. bizonataはクコ属植物をそれぞれ宿主としていた。 また、新組み合わせPuccinia austro-africanaを提唱し、Uromyces pentaschistidisの夏胞子世代を記載し、Uredo monechmatisを南アフリカ新産種として新宿主から報告するなどした。 -34.265639, 18.384583 South Africa, Western Cape Prov., Cape Peninsula S of Simons’ Town, ‘Thomas Tucker Shipwreck Trail’ (新種) Puccinia naufraga R. Berndt 語源…難破の(採集地のトーマス・タッカー・シップレック・トレイルに因む) 【よく似た種との区別】 Puccinia kalchbrenneri 南アフリカに分布する 同じムギワラギク属植物を宿主とする 夏胞子堆に護膜を有する 本種と夏胞子のサイズが異なる 本種と夏胞子の表面性状が異なる 本種と夏胞子の壁の厚さが異なる 本種と異なり冬胞子堆がさび色でない 本種と冬胞子のサイズが異なる 本種と異なり冬胞子の壁が橙褐色 本種より冬胞子頂部が厚壁 本種と異なり冬胞子頂部に小型でレンズ形の乳頭状の発芽孔を有するのではなく、発芽孔の位置を示すとみられるいくぶん顕著な円錐形の孔を有する Puccinia macowani 南アフリカに分布する 同じムギワラギク属植物を宿主とする 冬胞子堆がさび色 冬胞子頂部の壁の形態が類似している 本種と異なりさび胞子表面が細かく密な疣状ではなく広く平らなボタン状の疣を有する 本種と異なり夏胞子世代を欠く 本種と異なり冬胞子が楕円形ではなく楕円形~紡錘形 本種と異なり冬胞子頂部が小型レンズ状に膨らむのではなく類球形~広楕円形に膨らむ Aecidium helichrysi さび胞子の形態がほぼ区別できないほど類似している 本種よりさび胞子表面が微細な小疣状の傾向がある 本種よりさび胞子が薄壁 South Africa, Western Cape Prov., Vanrhynsdorp, ascent to Gifberg (新種) Uredo fynbosense R. Berndt 語源…フィンボス産の 【よく似た種との区別】 Phakopsora colubrinae 同じクロウメモドキ科植物を宿主とする 夏胞子堆の形態が類似している 夏胞子の形態が類似している South Africa, Western Cape Prov., Vanrhynsdorp, gravel road to Gifberg/Matzikamma Mountains. SSE of Vanrhynsdorp, ascent to Gifberg (新種) Puccinia montis-venenosi R. Berndt 語源…毒の山の(採集地のGifbergから) 【よく似た種との区別】 Puccinia punctata 南アフリカに分布する 同じヤエムグラ属植物を宿主とする 夏胞子堆の形態が類似している 冬胞子堆の形態が類似している 夏胞子の形態が類似している 冬胞子の形態が類似している 本種と異なりクルマバソウ属、アカネ属、 Relbunium属植物が宿主として知られている 本種と異なり夏胞子表面の小刺が基部にかけて微細になり、近位の1/5-1/4では完全に消失するのではなく均一に分布する South Africa, Western Cape Prov., Nieuwoudtville, gravel road to Louriesfontein, trails at ‘Windmill Museum’ (新変種) Puccinia lycii var. bizonata R. Berndt 語源…2つの領域の 【よく似た種との区別】 Puccinia lycii 本変種より夏胞子が長い 本変種より夏胞子の幅が狭い 本変種と異なり夏胞子の発芽孔が常に2ヶ所で輪をなすのではなく大多数が赤道面またはそれに近い位置に分布する South Africa, Western Cape Prov., Plettenberg Bay, Keurboomstrand (新種) Uromyces eclipsis R. Berndt 語源…日食の(冬胞子の外観から) 【よく似た種との区別】 Uromyces dinteri 冬胞子の形態が非常に類似している 本種と異なり生活環が類生型ではなく冬胞子世代と夏胞子世代のみが知られている Uromyces paulshoekensis 本種と異なり生活環が類生型ではなく冬胞子世代と夏胞子世代のみが知られている 本種より冬胞子のサイズが小さい Uromyces trollipi 本種と異なり生活環が類生型ではなく冬胞子世代と夏胞子世代のみが知られている 本種より冬胞子のサイズが小さい Uromyces namaqualandus 本種より冬胞子の幅が狭い 本種より冬胞子の内壁および外壁の層が厚い (南アフリカ新産種) Uredo monechmatis Cummins (新組み合わせ、新階級) Puccinia austro-africana (Doidge) Berndt 旧名:Puccinia tetragoniae var. austro-africana Doidge 【よく似た種との区別】 Puccinia tetragoniae 本種より夏胞子のサイズが大きい 本種より夏胞子が厚壁 本種より冬胞子のサイズが大きい 本種より冬胞子が厚壁 (その他掲載種) Uromyces pentaschistidis Gjaerum (その他掲載種) Puccinia anthospermi Syd. 【よく似た種との区別】 Puccinia galopinae 南アフリカに分布する 同じアカネ科植物を宿主とする 形態的にほぼ識別不能なほど類似している(同種の可能性も指摘されている) 本種と異なりAnthospermum属ではなくGalopina属植物を宿主とする 本種より冬胞子が僅かに長い 本種より冬胞子の幅が僅かに狭い (その他掲載種) Uredo zygophylli Henn.