2022年9月17日 (仮訳)ボリビア産の新種のSticta属地衣からアンデス中部における高度な固有性が示唆された Ossowska, EA. et al., 2022. New species of Sticta (lichenised Ascomycota, lobarioid Peltigeraceae) from Bolivia suggest a high level of endemism in the Central Andes. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/89960 [Accessed September 17, 2022] 【R3-09884】2022/9/17投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ボリビアからSticta amboroensisなど6種のSticta属地衣を新種記載した。 これらの新種はITSバーコードマーカーに基づく分子系統解析により強く支持され、ユンガス生態圏における固有種であることが示唆された。 また、コロンビアからシアノバクテリアを共生藻とするS. narinioanaを新種記載した。 Bolivia, Dept. Santa Cruz, Prov. Florida, Parque Nacional Amboró, above la Yunga Village, senda los Helechos, near view point (新種) Sticta amboroensis Ossowska, Kukwa, B. Moncada & Lücking 語源…アンボロ産の 【よく似た種との区別】 Sticta subscrobiculata ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より地衣体のサイズが小さい 本種と異なり裂片が疎らに分枝し”pleurotomous”である 本種と異なり子器が葉縁および葉央に位置するという特徴を欠く 本種と異なり地衣体下面が脈状でない 本種と異なりシリアが豊富ではなく疎らあるいは欠く 本種と上皮層の丈が異なる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta pulmonarioides ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より地衣体のサイズが小さい 本種と異なり子器が疎らである 本種と異なり子器が葉縁および葉央ではなく主にやや葉縁に位置する 本種と異なりトメンタが地衣体下面全体に散在する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Bolivia, Dept. La Paz; Prov. Nor Yungas, Parque Nacional y Área Natural de Manejo Integrado Cotapata, near Urpuma colony (新種) Sticta aymara Ossowska, Kukwa, B. Moncada, Flakus, Rodriguez-Flakus & Lücking 語源…アイマラ族の 【よく似た種との区別】 Sticta narinioana 南米に分布する 裂芽を有する シリアを欠く 共生藻がシアノバクテリアである ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりボリビアではなくコロンビアに分布する 本種と異なり子器を欠くのではなく有する 本種と異なり裂芽が葉央ではなく主に葉縁に集中する 本種と異なり裂芽が直立するのではなく水平に配列する 本種より盃点が密に配列する 本種より盃点のサイズが大きい 本種と異なりトメンタがシリア様に葉縁から突出する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta isidiokunthii 裂芽を有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり地衣体下面がベージュ色~暗褐色 本種と異なり地衣体下面が隆起した脈状ではなく平坦でない 本種と異なり裂芽が灰色ではなく帯緑褐色~褐色 本種と異なり子器を欠くのではなく有する 本種と異なり髄層がK陰性ではなくK陽性 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta weigelii(トゲヨロイゴケ) 裂芽を有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より地衣体のサイズが大きい 本種と異なり地衣体下面がベージュ色~赤褐色 本種と異なり地衣体下面が隆起した脈状ではなく平滑~波状 本種と異なり裂芽が灰色ではなく帯黒褐色 本種と異なり髄層がK陰性ではなくK陽性 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta viviana 南米に分布する 地衣体が小型 子器を欠く 裂芽を有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりボリビアではなくコロンビアおよびコスタリカなどに分布する 本種と異なり地衣体が暗褐色である 本種と異なり地衣体上面が”scrobiculate”~蜂窩状 本種と異なり地衣体にクリーム色の白斑をあらわす 本種と異なり地衣体下面が隆起した脈状ではなく皺状~波状 本種と異なり盃点がK+黄色 本種と異なり髄層がK陰性ではなくK+橙黄色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Bolivia, Dept. La Paz, Prov. Franz Tamayo, Parque Nacional y Área Nat- ural de Manejo Integrado Madidi, near Keara Bajo (新種) Sticta bicellulata Ossowska, Kukwa, B. Moncada & Lücking 語源…2細胞の(子嚢胞子の細胞数から) 【よく似た種との区別】 Sticta pseudoimpressula 地衣体が類円形~不規則形 裂片が”laciniate”~扇状 地衣体下面が平坦でない 子器に粉霜を伴う シリアを葉縁に有する 盃点の形状が類似している ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より地衣体が濃色 本種と異なり裂片頂部が鈍頭~截断状ではなく円形 本種と異なり子器が疎らではなく豊富である 本種と異なり子器がK+紫色ではなくK+洋紅赤色 本種と異なりシリアが凝集するのではなく束状 本種と異なりシリアが白色~黄金褐色ではなく淡褐色~黄金褐色 本種と異なりトメンタが厚く縁部にかけて薄くなるのではなく一様に厚い 本種と異なり二次トメンタを欠くのではなく有する 本種と異なり盃点の縁部が隆起し巻き込む 本種と異なり子実上層がK+紫色ではなくK+洋紅赤色 本種と異なり子嚢胞子の細胞数が主に2でごく僅かが3という特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Bolivia, Dept. Cochabamba, Prov. Carrasco, Parque Nacional Carrasco, Meruvia close to Monte Punku (新種) Sticta carrascoensis Ossowska, Kukwa, B. Moncada & Lücking 語源…カラスコ産の 【よく似た種との区別】 Sticta andina 南米に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジル、コロンビア、エクアドル、コスタリカ、メキシコ、ハワイなどに分布する 本種より地衣体のサイズが大きい 本種と異なり裂芽を欠くのではなく有する 本種と異なりフィリディアを欠くのではなく有する 本種と異なり髄層が黄色ではなく白色~クリーム色 本種と異なり髄層がK+レモン色ではなくK+黄色 本種と異なり共生藻が緑藻ではなくシアノバクテリアである ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Bolivia, Dept. La Paz, Prov. Nur Yungas, Parque Nacional y Área Natural de Manejo Integrado Cotapata, near Urpuma colony (新種) Sticta catharinae Ossowska, B. Moncada, Kukwa, Flakus, Rodriguez-Flakus & Lücking 語源…ポーランドの植物学者、Katarzyna Żółkoś博士に献名 【よく似た種との区別】 Sticta aff. caliginosa 南米に分布する 地衣体が掌状 地衣体が有柄 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりボリビアではなくコロンビアなどに分布する 本種と異なり子器を有するのではなく欠く 本種と異なり裂片が舌状~扇状で頂部が丸い~鈍頭 本種と異なりシリアが疎らあるいは欠く 本種と異なり栄養生殖の散布体が裂芽又はフィリディアである 本種と異なり小裂片を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta neopulmonarioides 南米に分布する 地衣体が掌状 地衣体が有柄 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりボリビアではなくコロンビアなどに分布する 本種と異なり子器を有するのではなく欠く 本種と異なり裂片が扇状で頂部が不規則形 本種と異なりシリアを欠く 本種と異なり栄養生殖の散布体が裂芽又はフィリディアである 本種と異なり小裂片を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta fuliginoides 南米に分布する 本種と異なりボリビアではなく米国、フランス、ウェールズ、コロンビアなどに分布する 本種と異なり裂片が幅広い 本種と異なり裂片が葉央に位置する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Bolivia, Dept. La Paz, Prov. Franz Tamayo, Área Natural de Manejo Integrado Nacional Apolobamba, near Río Pelechuco, below Pelechuco close to new road to Apolo (新種) Sticta pseudoimpressula Ossowska, Kukwa, B. Moncada & Lücking 語源…偽のSticta impressula 【よく似た種との区別】 Sticta impressula 南米に分布する 地衣体上面が孔状~”scrobiculate”または皺状 子器が葉央に位置する 子器が豊富である シリアが豊富である シリアが淡褐色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりボリビアではなくコロンビアなどに分布する 本種と異なり地衣体が中程度に分枝するという特徴を欠く 本種と異なり裂片が”laciniate”~扇状でない 本種と異なり子器が重生し集まりをなすという特徴を欠く 本種と異なり子器の子器盤縁部に沿って橙黄色の粉霜を伴うという特徴を欠く 本種と異なり子器がK+洋紅色でない 本種と異なり盃点が破出性~”suprasessile”である 本種と異なり盃点が円形~角形または”urceolate”で幅広い孔を有し、縁部が隆起~内側に巻く 本種と異なり二次トメンタを欠くのではなく有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta brevior 南米に分布する 形態的に類似している(一見して混同のおそれがある) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりボリビアではなくコロンビアなどに分布する 本種より地衣体のサイズが小さい 本種と異なり地衣体縁部が綿毛状 本種と異なり地衣体下面がクリーム白色~淡褐色 本種と異なり地衣体下面が波状 本種と異なり子器が豊富である ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Colombia, Dept. Nariño, Laguna de la Cocha, Reserva el Encanto Andino, sendero al páramo (新種) Sticta narinioana B. Moncada, Ossowska & Lücking 語源…コロンビアの独立功労者であるAntonio Nariñoに献名 【よく似た種との区別】 Sticta aymara 南米に分布する 裂芽を有する シリアを欠く 共生藻がシアノバクテリアである ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりコロンビアではなくボリビアに分布する 本種と異なり子器を有するのではなく欠く 本種と異なり裂芽が主に葉縁に集中するのではなく葉央に位置する 本種と異なり裂芽が水平に配列するのではなく直立する 本種ほど盃点が密に配列しない 本種より盃点のサイズが小さい 本種と異なりトメンタがシリア様に葉縁から突出するという特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される